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悪い兄は弟の命令通りに身をくねらせる

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今夜は、両親は二人共仕事で帰りが遅くなる。弟も、大会が近いからと部活の時間がいつもより延長している為、少なくともあと一時間は帰ってこない。
故に兄である少年は滅多に無い家に一人きりとなる時間を利用してかねてより興味を抱いていた行為に耽ろうと、部活の際にかいた汗の染み込んだ真っ白なブリーフのみの姿で浴室へと足を運んでいた。

「んっ、あっ……はぅ、んくぅっ」

こっそり通販で買い求めたローションが持つ予想以上の粘性に驚きと興奮を募らせながら、少年が己の股間に向けて粘つくそれを丹念に塗り込んでいく。湧き上がる淫らな欲望に連動して硬く張り詰めた男根を自らの手で刺激するのが気持ち良い。ぬめる液体をたっぷりと吸い込み、膨張した男根の形をくっきりと浮き上がらせるように貼り付いてくるブリーフが、視覚と触覚で少年を更に高めていく。
まだ、下準備が終わっただけ。それだけなのに、自分はこんなにも快楽を覚えている。
そんな状態で最大の目的である自慰を開始したら、自分はどうなってしまうのだろう。わずかな恐怖と、恐怖を大きく上回る期待に心臓の鼓動を大きく、早く変化させながら、少年は浴槽の縁にローションをまぶすとそこにまたがり、ローションに濡れていない場所に手を付いて腰をヘコヘコと振り、自らの男根に粘液の力を借りたスムーズな摩擦の悦楽を、想像を遥かに超える強烈な快感がもたらす甘い至福を無我夢中で貪り始めた。
浴室中に、はしたなく蕩けた嬉しさ一色の鳴き声を反響させながらだ。

「あぅ、あぁ、んぁぁっ! しゅごい、ひゅごいぃっ! ひんこ、きもひぃ……イぐっ、しゅぐイっひゃぅぅぅっ!」

ぬるぬる、ぬちゅぬちゅ。家族で使う浴室でこんなことをしているという罪悪感すらも快楽を増幅するスパイスに変換させながら、少年は一生懸命に腰を揺らめかせて新たな悦びを手に入れていく。
もっと、もっと。本能が叫ぶ声に従って己の男根を甘く追い詰めていく少年は、大きすぎる快感に怯えつつも腰の動きをもはやとめられず、悲鳴の内容に合わせてあっという間に絶頂へと押し上げられていき、ローションに塗れたブリーフの中へと勢いよく精液を噴き出させた。

「ふぁっ、あぁんっ! はぁ、はひっ、あぅぅんっ……!」

全身をガクガクと震わせ、だらしなく舌を垂らして悦び由来の涙を零しながら、少年が数回に分けて精液を放出しきる。そうして、思い描いていた以上の満足感を噛み締めながら余韻に浸っていた少年は、呆けていた頭で弟が帰る前に後始末をしなければという事実を思い出し、名残惜しげに浴槽の縁から腰を上げようとした。

「あ、れ……? 力、はいんにゃいぃ……っ!?」

まだ痙攣が治まっていない足に力を送っても、少年は全く立ち上がれない。腕も同様に言うことを聞いてくれず、少年は幾ら全身に命令を飛ばしても浴槽の縁から離れられない。
このままでは、後始末が済む前に弟が帰ってきてしまう。焦りながら、少年が弛緩した自身の肉体と再び格闘する。
だが、やはり少年は立てない。そんな想定外に焦燥を加速させる少年に、更なる想定外が襲い掛かる。照明器具の不具合でやむなく部活の時間延長を不可能にされた弟が、考えていたよりも早い時間に、兄である少年が射精を嬉しがる悲鳴を発している頃に、帰ってきてしまっていたのだ。
いきなり開いた浴室の扉の向こうに、意地悪く微笑んだ弟が立っている。戦慄色に表情を歪めている兄は、すでに衣服を脱ぎ自分と同じブリーフのみの格好で近付いてくる弟を目にしても何処にも逃れられない。自分よりも体格の良い弟に浴槽の縁に乗せていた左右の手を掴まれ、万歳をするかのように持ち上げさせられても、兄はそれに逆らえない。
咎めるような口調で弟に脅し混じりの指示を浴びせられても、抵抗の手段を失った兄はそれに従う以外の選択肢など、残されてはいないのだ。

「兄貴が、皆で使う風呂場でこんなことをする悪い子だったなんてね。父さんと母さんにバラされたくなかったら、このまま俺の前でさっきみたいにイってみせてよ。俺が良いって言うまで、ずっとずっと自分で射精し続けて見せてよ。出来るよね? 変態兄貴」
「あ、あぁぁ……」

弟からぶつけられる蔑みと嘲りの言葉が、兄の心を切り付ける。しかしそれ以上に、兄である少年は弟から命令を下され支配をされているという情報に先程を超える興奮を掻き立てられていく。
いけない行為を知られた以上、自分は弟に屈するしか無い。肉体を上手く動かせず、弟の手で腕の動きを制されている以上、自分は脅しを受け入れみっともなくイき狂うところを弟の前で晒すしか無い。自らを貶める暗示の言葉を胸で反芻しながら、兄は眼前に位置する弟の男根をブリーフ越しに夢中で嗅ぎつつほんの少し力が戻った肉体を弟に掴まれた腕と、床及び浴槽に着いた足で前後にくねらせることで男根への刺激を再開し、可愛い兄を屈服させ思い通りに操っている状況に幸福を感じている弟の愉悦と加虐心を際限無く肥大化させていくのだった。
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