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無慈悲な没収は断続的に生み出される

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球状に作られた結び目を噛まされ、更にその上から鼻と口を緩み無く覆う形で白布の猿轡を装着された男は、言葉にならないくぐもった唸りを怒りに歪ませながら自分を捕らえ屈辱の格好に追いやった憎き男に反抗の感情を鋭く示していた。
言葉を封じる役目だけでなく余裕を奪い苦悶を与える役目も与えられていた猿轡がもたらす責め苦に蝕まれ始めてからも、男は焦りの滲んだ呻きに怒気を含ませつつ、衣服を剥ぎ取られた裸体に加えられた縄の拘束からの脱出をひたすらに試みていた。
そんな強気な態度と、危機からの逃走を求める行動が失われたのは、いつ頃だろう。じわじわと追い詰められ無駄な足掻きを行う気力さえも無くした男が間抜けに脱力している様を見下ろしながら、支配者の側に立った男は誰からも答えの出ない問いを目障りな相手を掌握した事実を再確認する為だけに思考へと浮かばせた。
この保安官はもう、危機から抜け出そうと努力することさえ叶わない。裸体に這わせた縄拘束と違い、部下の手ではなく自分の手で口に施した猿轡を湿らせている強力な媚薬によって心身を淫猥な憔悴へと追いやられた保安官はもはや、無様に発情した裸体を観察されている状況を為す術無く受け入れることしか出来ない。
背にした柱の後ろで左右の手首同士と二の腕同士を縄に括られた上に、小さな麻袋を被せられたせいで左右の手に握り拳の形を強要された保安官。身体の前で交差させた足首を縄にきつく縛められ、その縄に後から付け足された縄を左右の太ももへと結合され、足をもがかせることすらも不可能にされた保安官。正義の存在からはかけ離れた惨めその物な姿を晒している滑稽な保安官がどうすることも出来ぬまま呼吸の度に肉体を甘く火照らされていく愉快な過程を無言で残忍に微笑みながら堪能していた男は、これ以上待っても今を越える熟成は訪れないと判断しつつ組んでいた腕を解き逃れられぬ保安官の前に腰を下ろすと、真っ赤に染まった顔を絶望と戦慄に強ばらせ怯えを剥き出しにした反応を見せる屈した正義を改めて嘲笑いながら、隠すことを禁じた弱点への攻撃を、猿轡を通して吸入させた媚薬の効果に抗えず変化した乳首と男根を嬉々として弄び始めてしまった。
それも、確かな快楽のみを感じさせ絶頂に達することは決して許さない生殺しの地獄で、非道な悪の首領は拉致した保安官を苛み始めてしまったのだ。

「んんっ、むぐ、ふ、んもうぅ!」

巧みに動く悪の左指が、ビンと尖りきった左右の乳首をくりくりと撫で回し心地良さを覚える力で捏ね回していく。
保安官も、そうでない者も。何十何百という男を一方的に責め嬲り誇りと理性を砕いてきた無慈悲な右指が、透明な蜜を先端から滴らせていた男根を丁寧に摩擦し、薄っぺらな拒絶を保つことすらも認めない射精を欲する本能を無理矢理に肥大化させていく。
けれど、保安官は射精を迎えられない。媚薬の力で異常なまでに高められていた裸体はほんの少しの責めにも堪らない悦楽を感じているというのに、意地悪で鬼畜な悪の指は絶頂が迫る度に至福の量を調整し、眼前まで接近した頂点を何度も何度もおあずけしていく。

「ふぉぅ、へあぁ……いひ、はひ……ひは、へへ……ひぁぁぁっ……!」

保安官が媚薬猿轡越しに発していた無意味な唸りが、不明瞭でも意味が分かる懇願に変わっても悪は寸止めをやめない。
柱に縛り付けられた裸体をもどかしげにくねらせながら不自由な足を震わせつつ腰を振る痴態を晒し出しても、悪は恥を捨てて紡がれるおねだりを汲み取る素振りすら見せない。
何も口にすること無く出口の無い悦びを延々と注ぐ悪の男は、自分に敵意を示していた正義が逆らうことも出来ぬまま堕ちていくという幾ら味わっても飽きの来ない最高の娯楽に目を細め興奮を加速させつつ、身悶えに合わせて跳ね回る乳首と男根に余計な刺激をもたらさないよう細心の注意を払いながら、右手と左手の指で絶頂の没収を断続的に生み出していくのだった。
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