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恋人達は無慈悲な再現に狂う様を敵達に鑑賞される
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甘く、熱く、時に穏やかに。様々な場面で視線を交わしながら愛を確かめ合った恋人達の瞳が、大粒の涙を零しつつ苦しげに歪んでいる。
恐怖と、絶望と、首に装着された機械仕掛けの白い首輪によって作り出されていた甘い至福の余韻に瞳を仲良く歪ませている男達が、同じ首輪が生み出す支配の力に屈して気を付けの姿勢で固められた向かい合わせの裸体を小刻みに震わせながら、眼前にいる相棒兼最愛の恋人を救いたくても救えない事実に打ちひしがれつつもうすぐ再び襲い来る淫猥な無慈悲にただただ、怯えの感情を情けなく膨らませ続けている。
与えられた者の自由を根底から没収し、どんな無様でも思うがままに晒させる。そんな首輪の影響下に置かれた男達はもう、何処にも逃れられはしない。
両腕を胴体の真横に沿わせ、両足を隙間無く揃え、行儀良く背筋を伸ばした姿勢の維持を裸体で強いられている男達はもはや、憎き敵の拠点の一角を滑稽に彩る見世物に仕立てられた現実を全方位から突き刺さる好奇と侮蔑の眼差しに思い知らされながら、たった五分のみ認められた休憩の終了と共に再開する淫蕩な地獄を受け入れさせられるしか無い。
悲鳴を始めとした勝手な発声を封じられ、苦悶を誤魔化す身悶えも禁じられた。そんな完全な掌握を与えられた惨めな男達は、休憩が終わると同時に己の意に反して前へと動き熱烈に触れ合った二つの男根を夢中で捏ね合い出した自身の腰に戦慄を掻き立てられながら、その戦慄を上書きする程に大きな感情と快楽に翻弄させられるしか無いのだ。
二つの雄々しき裸体が腰を振り、男根同士を一生懸命に刺激し合う。恋仲にある二人の男が、手も足も出せなくされた裸体を跳ねさせつつ声が出せない状態であっても分かるくらいに悦楽を覚えている。
だが、二人を真に苛んでいるのは男根に走る至福じゃない。冷酷な観察者である敵の男達を愉しませているのは仲良く愉快な快楽の注ぎ合いではない。
二人の心と身体を本当の意味でいたぶり追い詰めているのは、首輪の力で再現された幸せの記憶。思いが通じ合い始めて身体を繋げた日に味わった幸福色の感情と快楽なのだ。
理性は、敵が作り上げた非道な仕打ちに怒りと反抗を募らせている。けれど、首輪に想起させられた人生最高の日の自分は、愛しい恋人となった男への愛情と劣情を抱いている。
敵達の前で悦びに溺れたくなどない。気高き心に残る正気は、自分達を見つめて笑う敵の男達への嫌悪を保っている。しかし、ずっと愛しいと思っていた相手をようやく自身の本当の意味での相棒に出来た幸せに脳を蕩けさせていたあの日の自分は、他には何も要らないという考えを嬉しさと共に滾らせつつ、恋人に触れ恋人に触れられる度に生まれる悦びを敵達への嫌悪を排除する勢いで膨らませていく。
それだけでも、辛く苦しいくらいに矛盾している。それなのに、二人は愛しい男の肉棒で尻穴を優しくも荒々しく掻き毟られた時に作り出された快楽や、愛しい男の尻穴が歓迎するかのように示す熱烈な腸壁の締め付けを浴びつつ前後運動を繰り返した男根に生まれた快楽も首輪に再現させられてしまっている。
偽りだけど、偽りじゃない幸せ。偽りだけど、偽りじゃない嬉しい快感。それらの首輪由来の再現に狂わされながら。
現実に行われている残酷な鑑賞に対して抱く屈辱を偽りの幸福に塗り潰され、望まぬ男根同士の摩擦と再現された快楽の相乗効果によがり狂わされながら。
敵達の目を愉しませる娯楽として扱われている間抜けな男達は何回も何十回も再現されたが故に到来の瞬間を完全に把握出来るようにされてしまった自らと恋人の射精に虚しく拒絶を寄せつつ、その拒絶を一瞬で無に帰す程に強烈な愛しい男の尻穴に始めて精液を流し込んだことへの達成感と、愛しい男の精液を腸内でたっぷりと受け入れつつ自身も尻穴での絶頂へと至ったことへの充足に、場違いで一際大きな幸せを感じさせられていくのだった。
恐怖と、絶望と、首に装着された機械仕掛けの白い首輪によって作り出されていた甘い至福の余韻に瞳を仲良く歪ませている男達が、同じ首輪が生み出す支配の力に屈して気を付けの姿勢で固められた向かい合わせの裸体を小刻みに震わせながら、眼前にいる相棒兼最愛の恋人を救いたくても救えない事実に打ちひしがれつつもうすぐ再び襲い来る淫猥な無慈悲にただただ、怯えの感情を情けなく膨らませ続けている。
与えられた者の自由を根底から没収し、どんな無様でも思うがままに晒させる。そんな首輪の影響下に置かれた男達はもう、何処にも逃れられはしない。
両腕を胴体の真横に沿わせ、両足を隙間無く揃え、行儀良く背筋を伸ばした姿勢の維持を裸体で強いられている男達はもはや、憎き敵の拠点の一角を滑稽に彩る見世物に仕立てられた現実を全方位から突き刺さる好奇と侮蔑の眼差しに思い知らされながら、たった五分のみ認められた休憩の終了と共に再開する淫蕩な地獄を受け入れさせられるしか無い。
悲鳴を始めとした勝手な発声を封じられ、苦悶を誤魔化す身悶えも禁じられた。そんな完全な掌握を与えられた惨めな男達は、休憩が終わると同時に己の意に反して前へと動き熱烈に触れ合った二つの男根を夢中で捏ね合い出した自身の腰に戦慄を掻き立てられながら、その戦慄を上書きする程に大きな感情と快楽に翻弄させられるしか無いのだ。
二つの雄々しき裸体が腰を振り、男根同士を一生懸命に刺激し合う。恋仲にある二人の男が、手も足も出せなくされた裸体を跳ねさせつつ声が出せない状態であっても分かるくらいに悦楽を覚えている。
だが、二人を真に苛んでいるのは男根に走る至福じゃない。冷酷な観察者である敵の男達を愉しませているのは仲良く愉快な快楽の注ぎ合いではない。
二人の心と身体を本当の意味でいたぶり追い詰めているのは、首輪の力で再現された幸せの記憶。思いが通じ合い始めて身体を繋げた日に味わった幸福色の感情と快楽なのだ。
理性は、敵が作り上げた非道な仕打ちに怒りと反抗を募らせている。けれど、首輪に想起させられた人生最高の日の自分は、愛しい恋人となった男への愛情と劣情を抱いている。
敵達の前で悦びに溺れたくなどない。気高き心に残る正気は、自分達を見つめて笑う敵の男達への嫌悪を保っている。しかし、ずっと愛しいと思っていた相手をようやく自身の本当の意味での相棒に出来た幸せに脳を蕩けさせていたあの日の自分は、他には何も要らないという考えを嬉しさと共に滾らせつつ、恋人に触れ恋人に触れられる度に生まれる悦びを敵達への嫌悪を排除する勢いで膨らませていく。
それだけでも、辛く苦しいくらいに矛盾している。それなのに、二人は愛しい男の肉棒で尻穴を優しくも荒々しく掻き毟られた時に作り出された快楽や、愛しい男の尻穴が歓迎するかのように示す熱烈な腸壁の締め付けを浴びつつ前後運動を繰り返した男根に生まれた快楽も首輪に再現させられてしまっている。
偽りだけど、偽りじゃない幸せ。偽りだけど、偽りじゃない嬉しい快感。それらの首輪由来の再現に狂わされながら。
現実に行われている残酷な鑑賞に対して抱く屈辱を偽りの幸福に塗り潰され、望まぬ男根同士の摩擦と再現された快楽の相乗効果によがり狂わされながら。
敵達の目を愉しませる娯楽として扱われている間抜けな男達は何回も何十回も再現されたが故に到来の瞬間を完全に把握出来るようにされてしまった自らと恋人の射精に虚しく拒絶を寄せつつ、その拒絶を一瞬で無に帰す程に強烈な愛しい男の尻穴に始めて精液を流し込んだことへの達成感と、愛しい男の精液を腸内でたっぷりと受け入れつつ自身も尻穴での絶頂へと至ったことへの充足に、場違いで一際大きな幸せを感じさせられていくのだった。
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