BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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無様な二機は淫らに果てつつくるくると飛び回る

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地下空間の天井部分に用意されている金属製をした円盤状の機構。そこから真下へと伸びた太く丸い柱の先にある拘束具をすでに自由が皆無に等しい肉体へと施された二人は、私に観察されていることも分からぬまま脱出を求める試行錯誤を無意味に重ね続けていた。
左右の腕を折り畳んだ形に固定させ、左右を隙間無く密着させた足を後ろへと曲げた状態に保たせる。そんな縛めをもたらす黒革製の衣服は、生身の人間が幾ら力を込めたところで振り払えはしない。裸体を包む黒革の上から自身が愛した存在に寄せた柄を持つラバー製の衣服を被せられ、そのラバーの上から天井と柱で繋がっている頑丈な金属製の拘束具を手足や腹部、額といった箇所に装着された二人の男が身分に沿った鍛錬の賜物であるしなやかな筋肉をどんなに頑張らせても、真逆の方向に頭部を向けた体勢で宙に固められた事実は覆せない。
己の祖国の紋章が刻まれた戦闘機を元にして作られたラバーに閉じ込められた男達はもう、気高き将校ではない。敵国の将である私が率いた軍に敗れ捕虜となった無様な男達はもはや、私による私の為だけのくつろぎの空間を滑稽に彩る娯楽でしか無い。
裸体を直接締め付ける黒革とその上に被せられたラバーの戦闘機に存在する穴を通して鼻呼吸を間抜けに繰り返し、同様の形で股間部分に用意された穴から睾丸と共に露出させられた二本の男根を何の成果も生まない足掻きに合わせて震わせているかつて将校であった二人の男は、ソファーに腰掛けた姿で自分達を見上げている私が膝に置いた箱型の装置を弄って作動させた機構によって更なる惨めを引きずり出されるだけの、人権を剥奪された二機のインテリアでしか無いのだ。

「んぅぅっ!? ぶっ、ふぐうぅ!」
「もっ、ごほおぉっ!?」

自分達を宙に維持している柱達と一体化した天井の円盤が、反時計回りの回転を緩やかに開始する。戦闘機に見立てて飾られた二つの肉体の所有者である男達が、拘束の内側で偽の男根を噛まされている口から困惑の悲鳴を上げ丸出しの男根で空を切りながら飛び回り始める。
そうして意図に沿った飛行を予想以上の愉快さで披露し始めた男達を堪能しながら、私は再び膝の上の装置を操作し、眼前で繰り広げられる二機の痴態を一層見応えのある物へと変化させた。

「んぐぅっ!? むぐ、んぐぐぅっ!?」
「ごぶっ、もごあぁ!? んんっ、んぐ、むぶうぅ……っ!!」

訪れた次の責めに驚愕しながらも、仲良く宙で回る男達は私の狙いに従って新たな無様を晒していく。
背中の部分に位置する操縦席部分の膨らみを演出する目的も合わせて搭載された機構から口を塞ぐ紛い物の男根の先端にあてがわれた小さな穴へと細いチューブを通して送り込まれる淫猥な薬品が、男達の肉体を甘く蝕み風を受けてしなっている男根の体積と硬度と、感度を引き上げさせていく。

「ふぅっ、ぶふっ、あごおぉ……っ!」
「ぶあぁ! うー! んみゅぅぅぅーっ!!」

口内へと少しずつ運ばれる淫薬の影響を拒んでみても、淫薬その物を拒めていない以上望まぬ発情は抑えきれない。じわじわと高まっていく男根に自制を促してみても、願いも虚しく男根達は情けなく膨らみ、風を受けただけで快楽を覚える器官へと私の目論見通りに仕立て上げられていく。
祖国の戦闘機を真似た衣装の中に閉じ込められ、二機揃っての飛行を捧げさせられながら絶頂を強いられる。そんな最高に愉快で残酷な末路をまだ知らない敵国の将校達を悠然と見上げながら、私は雄々しく風を切っている男根達が機銃を発射するかのように精液を漏らし出す目前に迫った愉しい未来に期待を寄せつつ、くるくると飛び回る二機に勝利の愉悦を携えた笑みを浴びせていくのだった。
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