BLエロ小説短編集

五月雨時雨

文字の大きさ
上 下
545 / 712

無慈悲な観客は犬達の淫猥な崩壊を愉しみ尽くす

しおりを挟む
ここが何処かは全く分からない。巨大な檻に閉じ込められた自分達を鉄格子の外側から囲んで観察している者達が誰かも、顔を覆い隠す薄笑いを浮かべた仮面のせいで判別出来ない。
だが、拘束を施された肉体を連行されながら聞かされた言葉を信じるならば、この空間には絶望しか存在していない。地図にも記されていない個人所有の島へと運ばれた自分達はもう、この場所へと招待された悪と繋がりのある者達の前で無様に痴態を晒す様を見世物として提供させられるしか無い。
悪を捕獲する為に情報を追い、周到に仕掛けられた罠によって逆に捕獲されてしまった捜査員の男達はもはや、同じ立場に追いやられた相棒と意味を成していない声と悲痛に歪んだ眼差しで気休めにしかならない励ましを送り合いながら、容赦無く襲い来る甘く淫らな責め苦に悶絶する姿を檻の外にいる仮面達へと捧げる滑稽その物な娯楽でしか無いのだ。

「あっ、あおぉ……はっ、おぉっ!」
「んぉっ、ほ、あぉぉぉー……っ!」

丸く成形された金属を噛まされ閉じることを不可能にされた口から間抜けな鳴き声と唾液を溢れさせつつ、捜査員達が自由を奪われた肉体を苦しげに痙攣させる。痛々しく見開いた目から大粒の涙を零しつつ、捜査員達が全身に力を込めて望まぬ至福を拒絶する。
無論、幾ら意に染まぬ悦楽を遠ざけようと試みてもそれは無意味な抵抗でしか無い。左右の目と、輪状の金属を噛まされた口以外の部分を犬を模した黒いラバーの内側に封じ込める悪趣味な衣服を纏わされ四肢を窮屈に折り畳んだ状態へと変えられた捜査員達が諦め悪く快感に逆らう努力は、檻を取り囲んだ悪側の観察者達により濃密な愉悦を味わわせる効果しか有してはいない。
檻の中央に位置する床部分に打ち付けられた金具とラバーの上から巻き付けられた赤い革の首輪を短い鎖で結合された捜査員達がどんなに頑張っても、事態の好転は訪れない。伸ばせぬ四肢を用いた四つん這いを取っている肉体を必死にもがかせても自分と眼前の仲間を救えない捜査員達は、犬の尻尾飾りと一体化したラバーの内部に突き出ている男根型の淫具に奥深くまで貫かれた尻穴を容赦無く掻き毟られながら、朝晩の餌に媚薬を混ぜられているからという理由だけでは説明が付かぬ程に大きな雌の幸福を叩き込まれつつ、仲良く惨めに絶頂を繰り返すことしか出来はしないのだ。

「あおぉ、はおぉぉっ! あー! おぁぁぁぁぁーっ!!」
「ほぉっ、おほおぉっ!! うぁ、おぁ、んおぉぉぉ……っ!!」

ラバーに大部分を包み込まれた不自由な裸体に無自覚な腰振りを情けなく行わせながら、捜査員達が媚薬の影響で異常なまでの勃起を保たされている男根からラバーの中に今日だけで十数度目の精液を迸らせていく。
気持ち良くなんて無いと否定を募らせていたはずの思考を本心から湧き上がる気持ち良いの本音で埋め尽くしながら、捜査員達が首輪と床を繋ぐ鎖のせいで離れられないお互いの口の中に悲鳴と鼻を塞がれているせいで荒く乱れきっている吐息を流し込みつつありとあらゆる選択肢を取り上げられた黒い犬の肉体を心地良さげに跳ねさせる。
捜査員としての正義はおろか、人としての誇りを維持することもままならなくなっている。それどころか、雄としての尊厳すらも一分一秒ごとに削り落とされ尻穴を蹂躙されながら迎える絶頂の虜への堕落へと目に見える形で向かっている。
そんな愉快極まりない犬達がじょじょにその間隔を狭めつつイきまくる様を満喫しながら、観察する男達は自身の顔を隠す仮面に刻まれた物を大きく上回る残忍な笑みを作り、最高のショーが二匹の捜査員犬の淫猥な崩壊という流れで終演に至る一部始終を狂った興奮に浸りつつ悪に招待された観客として愉しみ尽くしていくのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

捜査員達は木馬の上で過敏な反応を見せる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

少年達は淫らな機械の上で許しを請う

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...