BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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股間を包む装置に嬲られながら男は淫蕩な崩壊へと突き落とされる

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「あぁっ! も、もう、とめてくれぇぇっ! あ!? ひゃ、ひ、イぐっ、イぐうぅ……!!」

恥を捨てた声で責め苦の終わりを願う言葉を叫んでみても、男を嬲る無慈悲な装置は停止する気配を見せない。左右の手を黒い革で厚く覆い指の使用を不可能にさせる手袋型の拘束具が仮に与えられていなかったとしても、その非道な装置はとめられない。駆動を司るスイッチの類は本体側ではなく、男を捕らえ別室から悶絶の様を監視カメラ越しに鑑賞している者達の側にしか存在していない。そんな状況に追いやられた惨めな男はもはや、股間の周辺を下着のように包囲する悪趣味な装置がもたらす淫猥な苦悶に為す術無くいたぶられながら絶頂へと導かれる無様な様子を別室でくつろいでいるであろう憎き敵達を悦ばせる見世物として提供させられるしか無いのだ。

「ふ、ひ、あはぁぁぁーっ! イ、イぐ、やら、やらぁぁぁぁーっ!!」

誰にも聞き入れられない拒絶を虚しく自分一人の監禁部屋に響かせながら、男がまた望まぬ絶頂へと追いやられた。手を縛める黒革と股間に着せられた機械仕掛けの残酷な下着のみを身に着けさせられた裸体から汗を撒き散らしつつ、男が何度目かも分からなくなった射精を迎えさせられた。
しかし、男を淫らに狂わせる地獄は緩まない。小刻みに震えている腕を伸ばして持ち上げた頭部を痛々しく仰け反らせ、非道な下着のせいでがに股に開かされた形から離れられなくされた足を床の上で痙攣させている男が言葉よりも分かりやすく限界をその身で訴えかけても、下着の内側で偽の男根を前後に往復させて尻穴を休み無く掘削する機構と男根全体を不規則な緩急を付けて振動させ断続的な射精を強いている機構はそれを全く意に介すこと無く男に更なる絶頂を淡々と要求していく。

「もっ、もぉむりぃぃぃっ!! イぐのやら! ゆりゅじで!! だじゅげでぇぇぇーっ!!」

自分を離れた場所から眺めている敵達に向けるでも無く、自分の救助に向けて動いているであろう仲間達にでも無く、ただただ終わりの見えない絶頂地獄からの解放を欲して男が鳴き叫ぶ。誇りや矜持といった概念を思い出す余裕も無くした脳に魂からの哀願を湧き上がらせ、大粒の涙を零しつつ男が慈悲をねだる。
だが、残忍な敵達はその滑稽極まりない痴態を堪能しながら、崩壊寸前まで近付いた男を完全な崩壊へと至らせるべく監視カメラからの映像を流しているモニター前に用意したスイッチを嬉々として操作してしまった。
無論、男はそれを知る由も無い。当然、追い打ちの悪意に身構えることさえ叶わない。
何も分からぬまま駄目押しの加虐を叩き込まれ始めた惨めな男は、これまでもあった責めの緩急の幅を一層大きく広げ始めた機構が生み出す予測不可能な淫獄に残りわずかな理性を跡形も無くすり潰されるしか無いのだ。

「おぎぃぃっ!? ほ、はひ、んぅ、うひぁぁぁぁぁーっ!?」

最大の振動が十数秒に渡って男根全体を睾丸と共に責め立て、緩い痛みと共にその痛みが掻き消える程の悦楽を味わわせてくる。そんな苛烈な刺激とは裏腹に非常に緩慢な出し入れを繰り返し始めた偽の男根にもどかしさを抱かされ屈辱を覚えさせられつつ疼かされていた腸壁が、最大まで抜けきった後に唐突な最奥までの挿入を行った男根の不意打ちが引き寄せた快感に屈して絶頂へと押し上げられる。
気持ち良すぎる。気持ち良くなりたくないのに欲しがらされる。矛盾した感情に掻き乱されながら。
苦しいのに気持ち良い。苦しさを忘れさせられるくらいに気持ち良い。人としての尊厳と雄の自覚を削ぎ落とす雌の愉悦に何もかもを打ちのめされながら。
敵が予定した通りの陥落に続く道を進まされていく男はやがて股間をいたぶる装置を引き剥がそうとしていた手の動きも取らず救いを請う絶叫を放つこともやめて甘い至福に溺れる淫蕩な崩壊へと、幸せに突き落とされていくのだった。
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