BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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少年は罪と苦悶を全世界に中継される

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「あ、うぅぅ……ふぅ、ふぅっ、むぶぅぅぅ……!」

一人の少年が、くぐもった悲鳴を上げながら殺風景な部屋の中で身悶えている。部屋の中央付近に設置されている二本の細い柱に両の手首と足首を布で縛り付けられ立った姿のままX字に固定された裸体をじたばたと暴れさせ、手足の拘束をどうにかして解こうと足掻き、口に詰め込まれた布とその布を吐き出せないようにと噛まされた白布による猿轡を振り払おうと顔を左右に動かしている。
しかし、どんなに少年が頑張ってみても状況は良くはならない。両手首と足首を柱に縛り付ける布はぎちぎちと軋むばかりで一向に緩む気配を見せず、口を塞ぐ布は変わり無く少年から言葉を奪い続けている。
扉は見える位置にあるのに、ドアノブに手を掛ける事は出来ない。衣服を取り上げられた為に露出させられている恥部を覆い隠したいのにそれは叶わず、少年は扉の方に向けて男根を見せ付ける体勢から離れられない。

早く逃げ出さなければ、自分を攫い拘束した者達が戻ってきてしまう。そう危機感を覚えるのに少年は焦る一方で脱出へは辿り着けず、何一つとして状況を変えられないまま拘束を与えた者達は、黒い覆面を被って顔を隠した男達は部屋に戻ってきてしまった。

「っ! んぐ! うぐぅぅぅっ!」

開いた扉の向こうから現れた男達に、少年は一瞬怯えを抱いた。だが、弱気な態度を見せたら良い様に付け入られると思い直し、少年は視線を鋭く保って顔を隠した男達を睨み付け、怒りを込めた声で強気に唸った。
そんな事をしても、一切の抵抗が行えない状態では無様なだけでしか無いのに。強気を見せれば見せる程、少年を苦悶させたいと考えている相手はその欲求を高めるというのに。
そして何より、男達は自分に対し、深く大きな復讐心を抱いているというのに。

もし少年が泣きながら唸って懇願を行ってきたら、慈悲を与えてやろう。そう話し合っていた男達は強気な唸りを耳にし、鋭く睨む少年を目にした瞬間全員がわずかにあった許す心を捨て去った。

「うぅぅ! むー! むぐぅぅ!」

覆面の下で表情を怒りに歪ませながら、男達は少年の前にカメラとパソコンを用意し、無防備な少年を取り囲む。少年は自分を取り囲む男達に対し、男達の怒りに全く気付かないまま唸り続ける。
それらの様子は、少年の前に用意されたカメラを通してパソコンに送られ『女装して身体を触ったと冤罪を着せまくったクソガキをくすぐりリンチ』のタイトルを付けた上で全世界にネット中継されていた。

「ぐぅーっ! うぅ、ふぐぅぅぅ!!」

少年は、自分が犯した罪を全世界に暴かれ、これから容赦の無いくすぐり責めで無理矢理に笑わされながら悶え狂う自分の裸体を全世界の人間に視姦される絶望の事実を知る由も無く、自分に手を伸ばす男達に向かって強気な態度で拒絶の唸り声を発していた。
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