BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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本物の悪は不良少年達に淫薬で口封じをする

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誰も来やしないから。そんな理由で寂れた港の倉庫に集まり、年齢にそぐわない煙草を嗜んでいた五人の不良少年達がいた。
隙間風が寒く埃臭さもあるが、倉庫は人目に付かず誰にも邪魔されない快適な場所で、不良達は悪い事を行う時は大抵ここに集まって後ろめたい行為を愉しんでいた。
しかし、いつも通り悪さを愉しんでいた不良少年達はその日、初めて自分達以外の人間を倉庫で見た。それは倉庫を管理している者ではなく、黒色のスーツを身に着けた男達。不良達と同じ理由で人気の無い倉庫を選んで集まり、背伸びして煙草を吸う行為なんて比べ物にならない、法律で禁止された特殊な薬品を売り買いする悪事を行う為に訪れた犯罪者達だ。

急に現れた男達の様子を、不良少年達は興味本位で隠れ見た。が、周囲を警戒する男が握る拳銃と物々しい雰囲気に驚き、恐怖し、不良達はすぐさま身を隠した。
けれど、五人もの人間の気配を取引の護衛を務めている荒事の達人が見逃すはずは無い。加えて、怯えで消し忘れた煙草の煙は隠れている不良達の存在を誰の目にも明らかな形で伝えてしまっており、五人の不良少年は男達に隠れているところを発見され、拳銃を突き付けられながら捕らえられてしまった。
もちろん少年達は男達に許しを求めたが、聞く耳は持たれない。誰にも言わないという根拠の無い言葉を信じられる訳は無く、何も見ていないと弁明されても男達にとっては自分達の姿自体が見られて困る物なのだから、やはり逃がす理由にはならない。
不良少年達は本物の悪が脅すままに衣服を自らの手で脱がされ、銃を向けられている為に抗う意思も見せられないまま手首を縛る縄を倉庫の二階部分に当たる通路の柵に繋がれ五人並んで立った姿で拘束され、一糸まとわぬ裸体で完全に自由を奪われてしまった。

命を奪われる事が怖くて逆らわずに従ったが、気が付けば命を奪われそうになっても拒めない状況になっている。このまま一人一人、銃の弾丸を打ち込まれるのだろうか。湧き上がる死の恐怖に怯えて命乞いを繰り返す五人の不良少年に、男達は苦笑しながら猿轡を施した。
ただの猿轡ではなく、取引されていた薬品を染み込ませた猿轡。口内に詰め込まれた布から、その口内の布を吐き出せないようにと噛まされた布から、鼻と口を覆う白の布から体内に薬品が吸入され、気が狂いそうな程の発情状態を強制的に引き起こす残酷な猿轡を、男達は念入りに施した。

呼吸の度に身体に入り込んでくる甘ったるい香りと望まぬ肉体の火照りに、不良少年達は五人揃って意味を成さない唸り声を発しながら懇願を行っていた。が、その懇願は発情が加速するにつれて段々と弱々しくなっていき、不良少年達が捕まり、淫欲責めを与えられてから約三十分が経過した頃にはもう、五人は許しではなく発情した裸体を慰める快楽を求めて悲鳴を上げ、隙間風の冷たさが気にならないくらいに火照り切った裸体から汗を飛ばしながら、勃起したまま疼きに疼いている男根を上下左右に振り乱していた。

「んんっ、んぐぅぅぅぅーっ!! ふ、ごっ……おぅ、おむぅぅぅんっ!!」
「ふー、ぶぅ! んも、おぉ、ほぉ、おぅぅぅ……っ!」

目を剥き、荒い呼吸を繰り返して呻き、吊るされた手首を支点にして裸体を淫猥にくねらせる五人の不良少年。彼らの情けない様子を監視ついでに眺めて愉しむ男達は口元を歪めて笑い、哀れな五人の今後について話し合っていた。

「しかし……こいつらどうなるのかね? 命を取る必要は無いって指示は出たけどよ」
「あぁ、何でも今使ってる媚薬の効果を実演する為に取っておくらしいぜ。口封じも出来て一石二鳥だって」
「要するに監禁して媚薬漬けって訳か。そりゃ、もしかしたらここで命取られた方がマシかも知れねーな」
「そうかぁ? 俺にはこいつらのよがり具合を見る限り、飼い慣らされた方が幸せに思えるけどな」

自分勝手な言葉も耳に入らず、五人の不良少年は次第に理性を失い、正気を削り落とされ、自分達を助けの来ない場所へと連れ去る者達が現れても全く反応せずに発情を散らしたい一心で身をくねらせて腰を振る淫乱へと堕ちていくのだった。
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