BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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男は立場も忘れて絶対の主に快楽を請う

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背にした体育館の壁の向こうから、部活動に勤しむ生徒達の声が聞こえている。ボールが体育館の床を打つ音や靴が床と擦れる音を爽やかに響かせながら、生徒達が真剣な声音で意思を交わしつつ練習に励んでいる。
そんな何も知らぬ放課後の様子を耳にしながら、男は自身の存在に悟られるかも知れないという恐怖に怯えつつ絶え間無く襲い来る苦悶に身体を震わせていた。それは、自身の職場である学校の敷地内で全裸に剥かれ、露出させられた弱点に甘い加虐を注がれている身体。体育館の裏手という空間で身動きを制限され、自力では振り払えなくなった淫らな攻撃に急所である男根を為す術無く苛まれている教師の男の身体だ。

「ん……んむ……っ!」

口を塞ぐ形で幾重にも貼り付けられた黒い粘着テープ越しにくぐもった呻きを漏らしながら、教師の男が涙に潤んだ瞳で己の男根を虚しく見下ろしつつ、恥辱に裸体をよじらせ続けている。
背にした壁に設けられている金属製の手すりを掴まされ、その状態から離れられないよう口の物と同じテープで両腕を手すりへと厳重に縛り付けられた男が、仮にその縛めが無かったとしてもこの場から逃れられない立場に追いやられた裸体を悩ましげにくねらせつつ、自身の存在に気付かれないよう気配を殺し続けている。
自分の拘束された裸体は壁に阻まれ直接は見えない位置にある。けれど、下部に用意された換気用の小窓をしゃがんで覗き込めば甘く苛まれている裸体は一部が体育館内にいる生徒達に観察出来るようになってしまう。その事実を部活動の音が響く度に改めて意識させられながら、教師の男は行動を制限された裸体を怯えに強ばらせていく。
こんな姿を見られたら、教師として以前に人間として破滅させられてしまう。そんな展開に戦慄を募らせながら、男は塞がれた口から漏れそうになる唸りを必死で抑えつつ責めを耐え忍び続けている。
しかし、手の使用を言葉と共に禁じられ一方的な刺激にただただ翻弄させられているはずの男は、涙を溢れさせている目を狂った被虐の愉悦に蕩けさせながら、湧き上がる興奮を表わすかのように腰を情けなく揺らめかせ硬く張り詰めた男根を上下左右に踊らせている。
手を使い物にならなくされ、助けを呼ぶことも口のテープで不可能にされ、どうすることも出来ずに弄ばれる。亀頭の真下に巻き付けられた薄桃色のベルトから伸びたコードの先にあるコンクリートの上に置かれたリモコンを自ら弄り、ベルトが延々と繰り返している決して絶頂への到達は許さない微弱な生殺しの振動を強め射精を迎えることも叶わない。その好き勝手にもどかしく責め立てられる感覚すらも悦びとして受け入れながら、男は今日も自身の過去を知り弱みを握った生徒の支配下に置かれた教師としての仮面を剥がされ、自分を掌握した年下の主に悦んで隷属を示す淫乱の本性を暴かれていく。
長時間に渡る焦らしに思考を蕩けさせられ、淫欲への渇望を肥大化させられた男はもう、数十分ぶりに自分の元へとやって来た絶対の主に恥を捨てて媚びることしか考えられない。自身の破滅ではなく主の破滅を防ぐ為に声を抑えながら一生懸命に腰を振って射精欲をはち切れんばかりに溜め込まされた男根を自己主張している男はもはや、自身の無様さすらも興奮の材料に変換しながら一層の堕落へと向かうだけの存在だ。
まだ教師になるという道すら想像していなかった過去の自分が戯れに世界へと公開した淫蕩な写真に偶然行き着いた生徒への服従を進んで行っている男は、自らに拘束を施し淫具を用いた快楽を注ぎ絶頂に向かう映像を掘り起こし脅迫を口にした生徒への屈服を自らも望む形で選び取っている男は、本当の拘束を自分に与え戯れなどでは無い意地悪な淫獄を恵んでくれる年下の主にはしたない自分を迷い無く捧げる人と呼ぶのも憚られる一匹の淫獣なのだ。

「んっ、んむっ、むぐぅっ」

下手に声を上げたら、部活中の生徒達に気付かれるかもしれない。その可能性を忘れて無意識に意味を持たない唸りの量を引き上げていく男を悠然とした態度で見下ろしながら、両腕を手すりに括り付けられた裸体を悶えさせつつ射精の許可と同じ意味を持つ快楽の増幅を願い今日も従順に理性を消失させていく男を自身のスマホで撮影し新たな脅迫の材料となる痴態を映像として残しながら、飼い主に君臨した少年は自分だけの物となった教師からより可愛く惨めな姿をさらけ出させるべく懇願を無言で却下し、観察と撮影を行われながらの生殺しという地獄を自分に縋り付くことでしか救済を得られなくなった男に味わわせていくのだった。
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