BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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だらしない肉体は出来たての穴を通して意地悪く愛される

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「うぁぁぁぁーっ!?」

リビングの方から、驚愕の悲鳴が響き渡る。続いて、寝室でベッドに寝転がりくつろいでいた狼獣人の男の耳に、重い足音が接近してくる。
それに対して狼は呆れを半分滲ませた笑みを浮かべつつ上体を起こすと、勢いよく寝室に駆け込んだ同居人であり恋人でもある熊獣人の男に問いを寄せた。

「今日は一体、何を駄目にしちまったんだ?」

粗忽者で、慌てん坊で、だらしなく弛んだ肉体を持つ愛しい熊。そんな熊の今日の失敗を、狼はからかいを混ぜた態度で尋ねる。
すると、突き出た腹を揺らしながら狼の真横に移動した熊は、風呂上がりの湿った体毛を振りつつその場で半回転し、唯一纏っていた衣服であるトランクスの尻の部分を情けない声での説明を交えて見せ付けた。

「風呂上がってビール飲もうとしたら、冷蔵庫の前でしゃがんだ時に破けちまったんだよぉっ。長い間使ってたお気に入りだったのにぃ……っ」

狼に向かって迷い無く布が破れたトランクス越しに尻を突き出しながら、熊が哀しげに語尾を萎ませる。狼と出会う前から愛用していた衣服が盛大な音を立てつつ破けた瞬間を想起しつつ、熊が手で摘まんだ布を左右に拡げ先程出来た穴の存在を示す。
そのあまりにも無防備で無警戒な姿を眺めながら、狼は愉しげに口角を吊り上げた。熊は全く気付いていないが、拡げられた衣服の穴の向こうには可愛らしくきゅうと窄まった尻穴が見えている。自分の男根を幾度と無く受け入れ雌の至福に溺れたふしだらな穴が、無自覚に主張されている。
その様子を独占し満喫していた狼は、ちょっとは控えなと言い渡していたにもかかわらず手癖で酒を煽ろうとしていた恋人への罰として、これだけ毎日愛し合っているというのにその行動がこちらの欲情を激しく煽る物だとまだ理解出来ていない熊へのお仕置きとして、生まれたばかりの穴を利用した責めを嬉々として注ぎ始めた。

「うひゃぁぁっ!?」

トランクスに作られた穴に、狼の鼻先が潜り込む。狼の手で過敏な弱点へと幸せに育てられた尻穴を、吐息がくすぐっていく。
その感覚に困惑色の鳴き声を上げながらも確かな快楽を覚えている熊の反応をトランクスの内部で膨らみ出した男根で確認した狼は、熊とほぼ同じボクサーパンツのみを纏っていた身体の姿勢をベッドに腰掛けた物へと変更しつつ、吐息よりも正確かつ熱烈に尻穴を苛む舌の刺激をもたらし始めた。
無論、それが熊をあっという間に骨抜きにし発情へと導くことを分かり切った上でだ。

「あ、あぁ、らめ、ぺろぺろらめぇっ」

尻穴に舌を這わされることではなく、行為に雪崩れ込まれつつあることでもなく、気持ち良すぎるという情報に対して拒絶を紡ぐ熊を無視しながら、狼が尻の谷間に埋めた尖った口を微笑ませつつ早くも嬉しそうにヒクつき出した尻穴をより巧みに舐め回していく。
トランクスの布を握っていた両手を脱力させて余計に欲望を掻き立てる四つん這いの格好をまた無自覚に取り、熊獣人特有の小さな尻尾を跳ねさせながら悩ましげに腰をくねらせ始めた愛しい男の淫らな痴態を目鼻と舌で味わいつつ、狼が早くも甘い頂点に向かっている恋人の腹を両手で優しく揉み絶頂へと上り詰めさせていく。

「んっ、ひゃぁぁっ! おひり、おにゃかぁっ……きもひぃ、しゅぐ、イぐ……イぎゅぅぅぅぅ……っ!!」

みっともなく膨らんだ腹すらも、快楽の弱点へと仕立てられた。その事実を改めて思い知らせる狼の手にとどめを刺されながら、熊が己の尻穴に潜り込んだ舌を締め付けつつ射精に達した。トランクスを内側から押していた男根から精液が迸り、布を湿らせつつ用を足す際に用いる穴から垂れ落ちていく。
腹から手を、尻穴から口を離しその光景を小刻みに四つん這いの肉体を痙攣させ尻穴を収縮させている熊の様子と合わせて堪能していた狼は、一回の絶頂でいつものように抵抗に必要な気力と体力を自分に都合良く失った恋人に意地悪な笑みを浴びせつつ、本能を剥き出しにした交尾を意味する贖罪の開始を宣告した。

「全く……毎日毎日風呂上がりに酒飲んでるからケツがこんな風に破ける身体に育つんだぜ? そんないやらしく育った身体を俺みたいな獣の前に差し出して、おまけにケツ穴なんて見せ付けるからこうやってあっさりイかされるんだぜ? 二度とだらしなく酒に溺れないよう、俺を気付かずに発情させないよう、身体にしっかりと覚え込ませてやるよ。おあつらえ向きに出来たこの穴を最大限に利用して、今日はちゃんと反省出来るまでイかせまくってやるからな? 覚悟しろよ?」
「あっ、うぁ、またおぢりぃ……っ!」

再度尻穴に触れた狼の舌が行う愛撫に喘ぎ鳴かされながら、今度は腹部ではなく自分でも大きいと自覚している尻肉をトランクスの上から揉み始めた狼の手に緩い至福を送り込まれながら、命じられてもいないのに震える手足で重い肉体を支えている熊は舌だけでこの責めが終わるはずは無いという確信を得つつ、衣服の穴を掻き分けて愛しい狼の男根が解れきった尻穴に突き入れられる瞬間への期待を身体の火照りと尻穴の窄まりという形で狼に知らせていくのだった。
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