BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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悪は無様に自らを嬲る正義達を心の内で祝福する

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寂れた港に放棄された古びた倉庫で、男は驚愕の表情を浮かべていた。

「手を上げな」

短く告げられた指示に逆らう選択肢など無い。後頭部に銃口を突き付けられている以上、拒絶を選ぶことなど出来はしない。
嫌でもはっきりと分かる敗北の事実を思い知らされながら、男は自分から見て正面にいる仲間と共に絶望を視線で共有しつつ、二人仲良く両手を顔の真横の高さまで持ち上げた。

「よし、良い子だ。そのままじっとしてろよ? でないとどうなるか……言わなくても分かるよな、捜査員さん達?」

抵抗も叶わない不利な立場へと追いやられた正義達が従順に手を上げている。その事実を悠然とした態度で嘲笑いながら、捜査員達にとっての敵である悪の男達は二つの肉体へと無遠慮に手を這わせ纏っていた衣服をはだけさせ始めた。
上着とシャツのボタンが外され、胸元が露わになる。ズボンとその下に履いていたパンツがずり下ろされ、男根がさらけ出される。
その展開にやめろの一言さえ紡げぬまま屈辱に表情を歪めている捜査員達を味わいつつ衣服の意味を無くさせた悪達は、床に置いた銀のアタッシェケースから無様な二人を無慈悲に辱める為の道具を取り出しそれを嬉々として見せ付けた。

「ほら、捜査員さん達の為に作った首輪だぜ? これを嵌められたら今までのことを忘れた立派な肉奴隷になれるってのは……潜入して見てきたからとっくに知ってるよな?」

自身の名前が側面に刻まれた、白い機械仕掛けの首輪。それを目にした瞬間、捜査員達は抱いていた絶望と屈辱を戦慄に上書きされた。
別の組織との取引だという話を聞き、その場に立ち会えと命じられた。そんな捜査員達はそれを証拠を握る機会だと認識していた。まだ自分達がそれぞれ別の組織に潜り込んだ捜査員であるという事実を悟られている素振りが見えない以上、二人はこれを二つの組織を壊滅に導くまたとない好機だと感じていた。
しかし、今二人の前には無慈悲な首輪が用意されている。髪や皮膚といった素材が有する遺伝子情報を組み込まれた悪趣味な首輪が準備されている。
取引など嘘だった。しかも、知らぬ間に自身の遺伝子情報を首輪を作り上げられる程に採取されていた。
全て、悪の手の平の上だった。認めたくない現実に打ちひしがれ、頭部を狙う銃口のせいで為す術無く首輪を装着されていく捜査員達を愉しみながら隷属を確定させる非道な装置を与え終えた悪達は、支配下に置いた二人の正義に淫蕩な地獄をもたらす機構を躊躇い無く作動させてしまった。
銃口の脅しに屈して頭部を挟む位置へと運ばされていた両手が、捜査員達の制御を離れ自身の肉体をいたぶり出す。左右の乳首を交互に捏ねる左手と、丸出しにさせられた男根を意に反する形で扱く右手が、自身の正当な持ち主であるはずの捜査員達の意向を無視して快楽を次々と追求していく。

「あーぁ、勝手に手を下ろしちゃって、俺達の前でオナニーまで始めちゃって、無様ったらないねぇ」
「自分達が潜入捜査員として見てきた肉奴隷共と同じ状態にされた気分はどうだい? しゃべることももう出来ないし、一回イく度に身体中の感度が増幅する。そんな堕ちるしか無い状況に追い詰められた感想は?」

首輪の力で唇を引き結ばされ唸りも含めた発声を禁じられた口を間抜けに震わせている捜査員達を眺めながら、外部から掌握され好き勝手に操作されている自らの肉体に対する恐怖も示せなくなった二人の正義がじょじょに肉体の痙攣を激しくさせ一回目の絶頂に向かう様を協力関係にあるもう一つの組織の構成員と共に愉しみながら、悪の男達はお互いの組織に多大な利益を生むであろう元潜入捜査員の肉便器という商品の誕生を胸の内で祝福しつつ、捜査員達が無様に精液をひり出す瞬間を見逃さぬよう自慰に耽る肉体を食い入るように眺めていた。
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