BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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残酷な足は逃れられぬ尻へと緩慢に下ろされる

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もう、自分達から自由を奪っている縄を解こうと試みる余裕さえ無い。
もはや、すぐ隣にいる仲間と視線を交わしお互いを励まし合う力すら残っていない。
そんな限界を超えた状況に追いやられながらも、男達は強靱な精神力で陥落を拒み無様へと至らないよう己を支え続けていた。
胴体と二の腕を短く結合し、背中で交差させられた手首を二の腕を縛める縄へと厳重に縫い付ける上半身の縄は、解きたくても解けない。左右の足首から太ももにかけてを数箇所に分けて一括りにする下半身の縄も、自力では振り払えない。そんな屈辱を縄の圧迫によって絶えず再認識させられながらも、男達は口に噛まされた黒いギャグボールの穴から唾液とくぐもった呻きを零しつつ、自分達を捕獲した敵達が望む敗北の展開を遠ざけ続けていた。
約一時間ぶりに地下室へと帰ってきた敵の男達が、その忍耐力に呆れを示す程に、だ。

「おいおい、どっちもまだ一回もイってないってマジかよ」
「こんな状況で我慢強さを発揮しても意味無いってのに……捜査員さん達は強情だねぇ」
「あ、おぉ、んむおぉ」
「ふっ、ぶふぅっ」

捜査員達から見て足の先の床に設置されている計測器の表示を目にした悪が、一度も絶頂への到達が観測されていない事実に小さな驚きを抱く。
両手両足の機能を縄に大きく制限され、男根の根元を睾丸ごと括り出す床の機構によって寝返りすらも打てない状態へと追いやられた捜査員達が自身の男根を閉じ込めた空間に注入された強力な液体媚薬の効果に諦め悪く抗い続けていたという事実を嘲笑いながら、もう一人の悪が口角を残忍に吊り上げる。
そんな悪達に対して、二人の捜査員は媚薬に漬け込まれた男根が揺れないよう細心の注意を払いながら顔を上げ、反抗の視線を気丈に浴びせる。絶対に自分達は屈服などしない。そんな決意を塞がれた口の代わりに表わすかの如く、捜査員達が二人仲良く悪達を見上げる。
無論、その視線は何の威力も無い。縄と汗に塗れたうつ伏せの裸体を可能な限りに動かさないよう努めていても男根を絶えず嬲る媚薬の責めに精神を摩耗させられている捜査員達が涙に濡れた目で反抗してみても、それは捕らわれた正義の無様さを強調し優位に立った悪の高揚を加虐心と共に加速させるだけ。無慈悲な悪達による新たな地獄の開始を引き寄せるだけだ。

「全く……大人しくイきまくってりゃ、俺達もこんなことせずに済んだんだけどなぁ」
「これから始めるお仕置きの原因は、捜査員さん達の聞き分けが悪かったことだからね? しっかりそれを反省しながらたくさんイくんだよ? 我慢なんて……させてあげないからね?」

ゆっくりとした足取りで自分の頭部の脇を通り過ぎた悪達を慎重に顔を後ろに向けて目で追い、尻肉の真横で立ち止まって片足をあげる様を視認してもうすぐ叩き込まれる地獄の内容を思い知らされながら、捜査員達は恥を捨てた哀願を紡ぐことさえ思い付かない程の恐怖と戦慄を膨らませつつ、尻肉目掛けて緩慢に下ろされる足を、床下の小さな空間で媚薬に包囲された男根の真上に位置する尻肉を靴越しに踏み付けようとしている残酷な足を、痛々しく見開いた目でどうすることも出来ずに眺めていた。
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