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獅子は今までの己を捨てながら快楽に溺れ絶頂を繰り返す

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何故自分は、自らの男根をこんなにも一生懸命に刺激しているのだろう。
筋肉質な裸体を晒した雄々しき獅子の獣人が、右手に握り込んだ太く逞しい性器を摩擦しつつふと思案を巡らせる。
手足の爪を用いても、牙を立ててもビクともしない。そんな素材で構成された部屋の壁にもたれかかる形で座り込んだ獅子は、湧き上がる本能のままに快楽を追い求めながら自身が脱出を試みていないことに疑問を募らせた。
しかし、その当たり前な疑問は、射精の瞬間が近付くにつれて膨れ上がった欲望と至福に跡形も無くすり潰されていく。そんなことより、今は気持ち良くなりたい。一瞬だけ帰還した理性をあっという間に己の意思で排除した獅子は、牙を覗かせた口からだらしなく舌と唾液を垂らしたてがみを心地良さげに揺らめかせつつ、男根を上下に扱く右手の速度を引き上げさせていく。

「あぁっ、は、うぁっ……くぁぁぁ……っ!」

だらしなく開いた両足と胴体の真横で床に手の平を触れさせた左腕を強ばらせ、上半身を仰け反らせてはしたなく尖った乳首を突き出しながら、獅子が自分の右手が生み出した悦楽に溺れつつ何十度目かも忘れた絶頂に達する。
濃さをほとんど失っていない雄の白濁を幸せそうに噴き出させながら、獅子は休憩すら挟まずに右手で射精中の男根を嬲り、淫らな頂点への到達を欲している自分の渇望を満たす為に新たな快感を貪っていく。
だが、どんなに快楽を極めても獅子は満足には至れない。元々の自我が蕩け堕ちる程の幸福を味わっているのに、淫猥な渇きは際限無くその存在感を増していく。

「あぁ、もっと、もっと……気持ち良くぅ……っ!」

男根だけじゃ足りない。そう考えながら、獅子は床に付けていた左手を乳首へと迫らせていく。そこを弄っても、もどかしさは一切解消されない。経験からそれを理解した上で、獅子は体内で出口を探して暴れ回る欲望を慰めようと乳首を捏ね始める。
そうして数度目となる乳首への責めを開始してから、十数秒。獅子は涙に濡れた霞む視界に、今まで無かった物体を視認した。

「っ……!」

自分が閉じ込められている空間の中央部分の床に、男根を模した太く長い棒が出現している。醜悪なイボを無数に携えている、いつの間にか現れた偽の男根。それを認識した途端、獅子は緩みきっていた表情を更に蕩けさせ、爪の鋭さ故に入り口の部分を指の腹で擦る程度の刺激しか注げなかった尻穴をヒクヒクと収縮させながら全身の体毛を汗と精液に汚した裸体をよろよろと立ち上がらせ、そのまま何の迷いも持たずに紛い物の男根の上に跨がる位置へと移動し、自らの体重を利用する方式で床と繋がった漆黒の男根を尻穴に受け入れ始めた。

「やっと、お尻ぃ……!」

ずっと弄りたいと願っていた尻穴が埋め尽くされていく。作り物の男根が表面に生えている幾つものイボで尻穴をこじ開けながら、獅子の望みに従って最奥へと潜り込んでいく。

「あっあ、もぅイく。お尻っ、おぢりイぐぅぅ!」

焦らしに焦らされていた尻穴を襲う異物の摩擦に酔いしれながら、獅子が刺激を加えられていない状態にあるはずの男根を激しく脈動させつつ精液を放出した。
まだ飲み込んでいる最中なのに達してしまった事実に驚き、身体を支える為左右の足の間の床に付けていた両腕を濡らした精液の感触に興奮を増幅させながら、獅子は己の腕目掛けての射精を迎えたい一心で男根をより深くまで押し込んでいく。
その滑稽極まりない陥落色の痴態を監視カメラを通したモニターの映像越しに堪能しながら、白衣を身に着けた人間の男達は残忍に吊り上げた口で言葉を交わし合う。

「18番、尻穴での自慰開始。表情及び行動に、捜査員であった頃の面影はもはや見られません」
「あぁ、全くだ。ここまですんなりと淫獣に堕ちてくれるとは思わなかったよ。クライアントへの納品も予定より早く行えそうだし、次の淫獣を生み出すのに有用なデータもたっぷりと手に入れられそうだ……」
「んぁっ! おぢり、ぎぼぢいぃっ! イぐっ! イぐイぎゅぅっ! じあわぜぇぇぇっ!!」

別室で自分の無様な自慰姿を鑑賞している者がいるという情報を記憶から消失させ、非道な悪の改造によって与えられた獅子の獣人の肉体が引き起こす意に染まぬ発情に屈して人間であり気高き捜査員であった過去の自分を忘却させられた男は、自分と同じように人間であることを奪われた者達が映し出された複数のモニターの中で一際惨めな痴態を、両手両足で支えた裸体を一心不乱に上下へと往復させ悪が用意した男根型の道具を最大限に満喫しながら尻穴だけでの射精を繰り返す淫乱な獅子としての自分を、体力が許す限りにさらけ出していくのだった。
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