Melting Sweet

雪原歌乃

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Extra.2 壊されるほどに

Act.2-03☆

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「会社での続きをしましょうか?」
 衛也君は私の耳元で囁き、私の口を衛也君のそれで塞ぐ。
 衛也君から日本酒独特のほろ苦い匂いを感じ、それだけで酔ってしまいそうだった。
 ぼんやりと衛也君の口付けを受けていると、口内で舌が絡め取られた。静まり返った室内に水音が鳴り響き、どちらからともなく唇を離すと、透明な糸が名残惜しそうに切れずに繋がっていた。
 と、私の身体がふわりと浮かんだ。否、衛也君に横抱きにされていた。
「衛也君……、重いから下ろして……」
 そう訴えるも、衛也君は、「いいえ」と首を横に振る。
「ちっとも重くないです。夕純さん、ちっちゃくて可愛いから」
「――チビなのを馬鹿にしてる?」
 ちょっとからかわれたことを不満に思った私は、眉間に皺を刻みながら衛也君を睨む。でも、こんな状態で睨み付けても迫力に欠けるのは私自身も分かっていた。
 案の定、衛也君は全く意に介していない。それどころか、ニヤリと口角を上げ、「怒った顔も可愛いですよ」とサラリと口にしてくる。
「いつもやられっ放しだから、今夜ぐらいは俺が夕純さんを苛めたいな」
 そんなことを言いながら、部屋の隅に置かれたベッドの上に私を下ろした。
 仰向けになった私の隣に、衛也君も片肘を着いた姿勢で横になる。そして、空いた方の手で私の髪を梳き、そのまま頬に指を滑らせた。
 私も手を伸ばし、衛也君の顔をそっと両手で挟んだ。
「どんな風に私を苛めるつもりなの?」
 私が問うも、衛也君は不敵に笑うだけで答えない。
 そんな衛也君に私は眉をひそめる。
 衛也君が私に口付けを落としてくる。貪るように唇を覆うと、先ほどにも増して、互いの舌と舌が別の生き物のように蠢き合う。
 衛也君の手が徐々に下り、タートルネックのセーターを捲り上げる。さすがにキスしたままでは脱がせられないと思ったのか、一度口付けをやめ、身体から抜き取る。さらに、キャミソールとスカートにも手をかけられ、ブラジャーとショーツだけという無防備な姿になった。
「私だけこんな格好にするなんて狡いわよ……」
 やっぱり、やられっ放しは私の性に合わない。そう思って、衛也君のネクタイに手をかけてスルスルと外し、ワイシャツのボタンもひとつずつ外してゆく。
 衛也君は困ったように微苦笑を浮かべ、中途半端にはだけさせられたワイシャツと、タンクトップも脱ぎ捨てる。服を着ていると華奢に見えるのに、肌が露出するとほど良く筋肉がついているのが分かる。
「夕純さんには敵わないな、やっぱり」
 そう言いながらも、素早くブラジャーを外してしまう。小さな双丘が露わになると、衛也君は片方を口に含み、もう片方はやや強めに揉みしだく。
「あ……ん……っ……」
 頂を舌で転がされ、甘い痺れが走った。
 衛也君は上目遣いで私の反応を覗いながら、時おり強く吸い上げたり、指と指の間で突起を摘まんでは弾いてきた。
「こっちの方はどうなってます?」
 衛也君の手が、胸から下肢へと滑り落ちる。ショーツ越しに指を這わせると、忍び笑いを漏らした。
「凄いですよ。下着の上からもぐちゃぐちゃに濡れてるのが分かる」
 そう言って、衛也君は円を描くように指で蕾を弄る。さらに胸も同時に舌で刺激されているのだから、よけいに身体が反応してしまう。
「おねが……も……」
 秘所の疼きに耐えられなくて、衛也君の脚に私のそれをすり合わせた。
「どうしました?」
 分かっているのに、わざと訊いてくる衛也君が恨めしい。眉をひそめて睨むと、衛也君は困ったように微苦笑を浮かべた。
「俺も我慢が出来なくなっていますから」
 そう言うと、衛也君はベッドから降りる。そして、おもむろに自分のベルトに手をかけて外し、スラックスとトランクスを脱ぐ。と、障害物がなくなって解放された衛也君のそそり立った男根が姿を現した。
 それを目の当たりにしたとたん、花芯から生温かいものがジュンと溢れたのを感じた。
 私の考えていることを察したのだろう。衛也君は何も言わず、けれども再びベッドに上がると、腰を下ろして両脚を広げた。
 私は躊躇うことなく、衛也君の脚の間に入り込んで衛也君自身をそっと握り、そのまま口に含んだ。
 咥えていると頬の辺りに鈍い痛みを覚える。でも、それ以上に衛也君が私の口淫で感じてくれていることが嬉しくて、無我夢中でしゃぶり続けた。
「ん……っ……」
 衛也君から、色を含んだ小さな呻きが漏れる。咥えたまま、上目遣いで衛也君を見遣れば、切なそうに眉根を寄せている。
 私は衛也君自身から口を離した。
「どうだった?」
 ずいぶんと無粋な質問だと我ながら思った。けれど、衛也君は不快な表情は見せず、むしろ穏やかに笑みを湛えている。
「気持ち良かったですよ。本当に、あなたには敵わない」
 衛也君は私に軽く口付けると、私のショーツに手をかけて脱がせる。今度こそ、私も一糸纏わぬ姿になった。
「今度は一緒に気持ち良くなりましょうか?」
 そう囁いてきた衛也君に、そっと仰向けにさせられる。
 衛也君はヘッドボードに手を伸ばし、その上に用意されていたコンドームをひとつ手に取った。
 私は咄嗟にそれを奪おうと思った。でも、手を押しのけられる形で制止されてしまった。
「いつもやられっ放しですから」
 ベッドまで運ばれてきた時と同様の台詞を口にし、黙々と袋を破って自分で着け始めた。
 根元までしっかり入ったのを確認した衛也君は、覆い被さるように私の口を塞ぐ。クチュクチュと舌を絡ませながら、ゆっくりと、私の花芯へ衛也君の男根を鎮めてくる。
 圧迫感に、思わず顔をしかめる。けれども、それも最初のうちだけで、衛也君が緩やかに身動きを始めると快感の波が押し寄せてきた。
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