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8.平凡令嬢、任務を受ける。
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私はリカルド様の後につづきました。
リカルド様は奥の部屋で、扉を3回ノックした後に入って行きます。
「あぁ、リカルド帰ってきたか。早速で悪いが報告を聞かせて欲しい」
レジスタンスの隠れ家にある会議室、そこには5人の男性が円卓の机に座って居ます。
彼らはリカルド様の後ろに居る私の事をチラリと見て、軽く頭を下げる程度の挨拶をしました。
「戻りました。報告の前に紹介したい人物が居ます」
リカルド様が一歩引く形で、私を前に出します。
目の前に居る人たちは、どう見ても貴族の方たちでは無さそうです。
「お初にお目にかかります。パオラと申します」
なので、両手を前で握り、軽く頭を下げる普通の挨拶をしました。
もし、貴族や王族に対しこのような挨拶をすればひんしゅくを免れません。
しかし、貴族でない方に貴族の挨拶をするのもまた無礼に当たります。
リカルド様の知り合いなので、貴族の可能性も考えましたが、身なりはどう見ても平民の物です。
ならば平民の挨拶をするのが、正しいはずです。
「パオラ……パオラだと!? ソイツはジュリアンの婚約者だろう!?」
「落ち着けゴードン。リカルドと共に居るという事は、何か事情があるという事だろう」
ゴードンと呼ばれた男性は、立ち上がろうとした所をもう一人の男性に宥められ、素直に座り直しました。
もう一人の男性の言葉に素直に従っている様子ですが、私に対し警戒を解く様子は見られません。
「リカルド。こういう場合は報告と共に紹介をしてくれ。キミと一緒に居る時点で我々に敵意が無いのは何となく予想は付くが、それでも心臓に悪い」
「あぁ、すまない。どうしても紹介したくて。少々気持ちがはやってしまったようですね」
「少々で我々をショック死させるつもりかな?」
軽口を飛ばされ、苦笑いを浮かべながら頭を掻くリカルド様。
その様子に、軽い笑いが起きました。
「さて、色々順序がズレたが、名乗って貰っておいて、こちらが名乗らないのは宜しくないな」
ゴードンと呼ばれた男性を宥めた男性が、そう言って言葉に詰まった様子です。
「……リカルド、こういう時の挨拶は、どうすれば良いか教えて欲しい」
「こうしながら名前を名乗れば宜しいですよ」
そう言って胸に手を当て、貴族風の挨拶を実演するリカルド様。
「おは、お初にお目にかかります。マルクです」
マルクと名乗った男性が、ぎこちなくリカルド様の真似をして挨拶をしました。
私はスカートの裾を軽くつまみ、挨拶を返します。
「えっ? えっ?」
「マルク、合ってるから大丈夫ですよ」
「そ、そうか。えっと、よろしくお願いします」
リカルド様はそんなマルク様を見て、悪戯っ子のようにクスクスと笑っています。
その様子を見るだけで、マルク様と言う人物は、リカルド様から信頼を得ているのがわかりました。
ですが、そのままというのも可哀そうですね。
「あの、マルク様は貴族でいらっしゃるのでしょうか?」
「いえ、違います」
「えっと。貴族の挨拶は貴族同士でする物なので、普通に挨拶をすれば宜しいかと思います」
ここで、たまらず噴出したリカルド様とマルク様がケンカを始めてしまったのは、言うまでもありません。
しばらくして、落ち着いてからそれぞれが挨拶を済ませ、私とリカルド様も机に座りました。
私の経緯について話をした後に、マルク様が立ち上がり現状の説明を始めます。
「商業都市を落とした事により、国はライフラインの一つを失った。なので供給再開に向けて、近隣諸国の商会に声をかけるはずだ。リカルド、君にはパオラと共に商会へ赴き商会を我々の味方になるように交渉しに行って欲しい」
リカルド様は奥の部屋で、扉を3回ノックした後に入って行きます。
「あぁ、リカルド帰ってきたか。早速で悪いが報告を聞かせて欲しい」
レジスタンスの隠れ家にある会議室、そこには5人の男性が円卓の机に座って居ます。
彼らはリカルド様の後ろに居る私の事をチラリと見て、軽く頭を下げる程度の挨拶をしました。
「戻りました。報告の前に紹介したい人物が居ます」
リカルド様が一歩引く形で、私を前に出します。
目の前に居る人たちは、どう見ても貴族の方たちでは無さそうです。
「お初にお目にかかります。パオラと申します」
なので、両手を前で握り、軽く頭を下げる普通の挨拶をしました。
もし、貴族や王族に対しこのような挨拶をすればひんしゅくを免れません。
しかし、貴族でない方に貴族の挨拶をするのもまた無礼に当たります。
リカルド様の知り合いなので、貴族の可能性も考えましたが、身なりはどう見ても平民の物です。
ならば平民の挨拶をするのが、正しいはずです。
「パオラ……パオラだと!? ソイツはジュリアンの婚約者だろう!?」
「落ち着けゴードン。リカルドと共に居るという事は、何か事情があるという事だろう」
ゴードンと呼ばれた男性は、立ち上がろうとした所をもう一人の男性に宥められ、素直に座り直しました。
もう一人の男性の言葉に素直に従っている様子ですが、私に対し警戒を解く様子は見られません。
「リカルド。こういう場合は報告と共に紹介をしてくれ。キミと一緒に居る時点で我々に敵意が無いのは何となく予想は付くが、それでも心臓に悪い」
「あぁ、すまない。どうしても紹介したくて。少々気持ちがはやってしまったようですね」
「少々で我々をショック死させるつもりかな?」
軽口を飛ばされ、苦笑いを浮かべながら頭を掻くリカルド様。
その様子に、軽い笑いが起きました。
「さて、色々順序がズレたが、名乗って貰っておいて、こちらが名乗らないのは宜しくないな」
ゴードンと呼ばれた男性を宥めた男性が、そう言って言葉に詰まった様子です。
「……リカルド、こういう時の挨拶は、どうすれば良いか教えて欲しい」
「こうしながら名前を名乗れば宜しいですよ」
そう言って胸に手を当て、貴族風の挨拶を実演するリカルド様。
「おは、お初にお目にかかります。マルクです」
マルクと名乗った男性が、ぎこちなくリカルド様の真似をして挨拶をしました。
私はスカートの裾を軽くつまみ、挨拶を返します。
「えっ? えっ?」
「マルク、合ってるから大丈夫ですよ」
「そ、そうか。えっと、よろしくお願いします」
リカルド様はそんなマルク様を見て、悪戯っ子のようにクスクスと笑っています。
その様子を見るだけで、マルク様と言う人物は、リカルド様から信頼を得ているのがわかりました。
ですが、そのままというのも可哀そうですね。
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