上 下
20 / 39
第一章

16話 洗礼前

しおりを挟む
 「なぁ、クリスティア嬢良かったら堅苦しく話さずもっと崩して話してくれないか?俺そう言うのが苦手でさ。」
 
「そういう事でしたら、そうしましょうか。」
 
「ああ、宜しく頼む。」
 
「ねぇ、僕と話す時も堅苦しく話さず気軽に話して欲しいな。」
 
「えっ!?ですが、流石にそれは駄目ではないでしょうか?」
 
「別にいいんじゃないか?俺もラインハルトには気軽に話しているし。」
 
「そうだよ、それにアランとは気軽に話しているというのに私だけ堅苦しくのは寂しいからね駄目かな?」
 
「いやですが。」
 
「いいじゃねぇかラインハルトがいいって言ってんだから。」
 
「そうだよ。」
 
「本当にいいのですね?いいのでしたらそうさせていただきますね。」
 
「あぁ、本当にいいよ。」
 
 そう言ってニコニコと嬉しそうにしている顔を見ると本当に気楽に話してもらえて喜んでいる事が伝わってきて私も知らずのうちに笑っていたようですね。
 

ボソっ「可愛い」

「?」

「なんでもないよ。」


「クリスティア~」
 
 ドンッ
 
「きゃっ」
 
リリアが私に向かって突っ込んで来ましたが、いきなりだった為体制を崩して転けそうになってしまいました。ですが、その時誰かが支えてくれたお陰で、この場にいる大勢の人に醜態を晒さずに済みました。
 
「ちっ」

「大丈夫か?クリスティア嬢。」
 
「ごめんさない、アラン様。」
 
「いや俺は大丈夫だか。」
 
そういうとアラン様はリリアに厳しい目を向けた。
 
「ごめんねぇ~、クリスティア~あなたに会えたのが嬉しくってぇ勢いつけすぎちゃったぁ。大丈夫~?」
 
「だ、大丈夫よ。」(いやいやさっきのは絶対わざと転けさせようとしてきたでしょ!舌打ちが聞こえたんだからね!呆れて笑えんって‼︎)
 
「あっそうだわ‼︎お初にお目にかかりますリリア・オルベスティと申しますわ。よろしくお願いします。ラインハルト様♡」
 
「あ、あぁ宜しく。」
 
「ところでぇ、3人でなんのお話をされていたのですかぁ?」
 
「クリスティア嬢とは、年が近いからこれから仲良くして欲しいということを伝えていたんだ。」
 
「そうなんですねぇ~あっ!私とも仲良くして欲しいですぅ~。」
 
「ははっ。」
 
「あっ!俺もうそろそろ呼ばれそうなので、この辺で失礼しますね。」
 
「えっ!ちょっとおい!」
 
 あ~アラン様逃げましたね。

リリアは変わらずラインハルト様に話しかけてますし...あらあらラインハルト様が私に助けてという視線を向けているではありませんか!これは見なかったことにはできませんね、だって目が合ってしまいましたもの。ふふっ
 
「リリア、私達もそろそろ呼ばれる頃でしょう?行きましょう。」
 
「私はまだラインハルト様とお話ししていたわ。だから先に行っていて。」
 
「そんなこと言ってないで行きますよ。」
 
行かないと言われても困りますから引っ張っていきましょうか。仕方ありませんね。
 
「それではラインハルト様失礼します。」
 
おぉリリアが凄い形相でこちらを睨んできます。気づかないふりしときましょう。

あっでも、そろそろ呼ばれるのは、本当みたいですね良かった。睨まれ続けるのは結構精神にきますから。
 
「それではリリアさん此方にどうぞ。」
 
「はーい。」


_________________________

更新速度が亀のようで申し訳ないです。
今夏休みの方もそうではない方もいらっしゃると思いますが外は暑いみたいなので熱中症にお気をつけ下さい。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

赤貧令嬢の借金返済契約

夏菜しの
恋愛
 大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。  いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。  クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。  王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。  彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。  それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。  赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない 

堀 和三盆
恋愛
 一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。  信じられなかった。  母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。  そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。  日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。

学園にいる間に一人も彼氏ができなかったことを散々バカにされましたが、今ではこの国の王子と溺愛結婚しました。

朱之ユク
恋愛
ネイビー王立学園に入学して三年間の青春を勉強に捧げたスカーレットは学園にいる間に一人も彼氏ができなかった。  そして、そのことを異様にバカにしている相手と同窓会で再開してしまったスカーレットはまたもやさんざん彼氏ができなかったことをいじられてしまう。  だけど、他の生徒は知らないのだ。  スカーレットが次期国王のネイビー皇太子からの寵愛を受けており、とんでもなく溺愛されているという事実に。  真実に気づいて今更謝ってきてももう遅い。スカーレットは美しい王子様と一緒に幸せな人生を送ります。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

攻略対象の王子様は放置されました

白生荼汰
恋愛
……前回と違う。 お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。 今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。 小説家になろうにも投稿してます。

【R15】お金で買われてほどかれて~社長と事務員のじれ甘婚約~【完結】

双真満月
恋愛
都雪生(みやこ ゆきな)の父が抱えた借金を肩代わり―― そんな救世主・広宮美土里(ひろみや みどり)が出した条件は、雪生との婚約だった。 お香の老舗の一人息子、美土里はどうやら両親にせっつかれ、偽りの婚約者として雪生に目をつけたらしい。 弟の氷雨(ひさめ)を守るため、条件を受け入れ、美土里が出すマッサージ店『プロタゴニスタ』で働くことになった雪生。 働いて約一年。 雪生には、人には言えぬ淫靡な夢を見ることがあった。それは、美土里と交わる夢。 意識をすることはあれど仕事をこなし、スタッフたちと接する内に、マッサージに興味も出てきたある日―― 施術を教えてもらうという名目で、美土里と一夜を共にしてしまう。 好きなのか嫌いなのか、はっきりわからないまま、偽りの立場に苦しむ雪生だったが……。 ※エブリスタにも掲載中 2022/01/29 完結しました!

【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。

BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。 しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。 その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。

処理中です...