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第二章:保安部のお仕事
第四話:保安部のお仕事 その1
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「ただ今戻りました」
「お帰り~」
保安部へ戻った俺を出迎えてくれたのは、部長ではなくクレア先輩だった。
「あれ? 部長は? なんで先輩が? 仕事はどうしたんですか?」
「あはは、そんなにいっぺんに聞かれても答えられないよ。えっと、部長は会議に出るって出ていったよ。それで私は君を待ってたの。で、仕事はこれ」
そう言ってクレア先輩は俺に小さな紙を差し出した。
俺はそれを受け取りながら訪ねる。
「なんですか? これ」
「部長からの指示だよ」
クレア先輩の声に、俺はメモに視線を落とす。
『やあ、ライト君。申し訳ないが会議に出なければならないので、後は二課の課長であるクレア君に任せることにした。彼女から仕事の概要を聞いてくれたまえ。基本業務はどの課も担当部署が違うだけでやることは同じだから問題ないだろう』
はぁ、部長もなんかいい加減だなぁ。
ん? なんか見逃せない一文があったぞ。二課の……課長!?
「え!? クレア先輩! 課長なんですか!?」
「ん? 言ってなかったっけ? そう、私が保安部二課の課長の『クレア・ユンカース』よ」
そう言って先輩は胸を張る。
おおお! 何て立派な!
役職があると知っただけでオーラを感じるのは気のせいだろうか?
「じゃあ行こっか」
「はい課長」
俺は元気よく返事をすると、部屋から出ようとするクレア課長に追いつく。
しかし、彼女が急に立ち止まり、こちらに振り向いたので、危うくぶつかりそうになってしまう。
「うわ! 急に止まらないでくださいよ、クレア課長」
「あのね、ライト君。その課長ってやめてくれないかな?」
「え? 何故です? 素直に凄いと思ったので、そう呼んだんですけど」
「そう思ってくれるのは嬉しいんだけど、なんか慣れなくてね~。課のみんなにも『課長』じゃなくて『クレア』でいいからってお願いしてるのよ。だから……ね?」
ふむ。そう言うもんなかな?
まぁ、特に課長って呼ばなきゃいけない訳でもないし、本人が嫌がっているのに無理に呼ぶことも無いか。
「わかりました。じゃあクレア先輩のままでいいですか?」
「うん。それでいいよ。ありがと♪」
こうして俺はクレア先輩の指導のもと、基本業務の研修に行くことになった。
いつになったら四課の仕事ができるんだろうか? 先行き不安だ……
研修先への移動はここから近いということで、徒歩での移動だ。
仕事だけど、女性と二人きりだし、ちょっとしたデート気分だな。
そう思ってたんだけど……クレア先輩は仕事が大好きみたいで、会話はもっぱら仕事の事だった。
「じゃあまずは、異世界電気保安協会の業務の事から復習よ」
「はい」
「保安協会の仕事は、大きく分けて3つあるわ。調査と保安、それから広報よ」
「えっと、調査が訪問しての安全調査で、保安が電気設備の保守、広報は安全な電気の扱い方の説明……でしたっけ?」
「まぁそんな感じね。その中で、保安部がやるのが、調査と保守ってわけ。ちなみに広報は総務の広報課が担当よ」
「『異世界~電気保~安協~会♪』ってやつですよね?」
「そうそう。あれウチの職員が持ち回りでやってるのよ? その内ライト君にもお鉢が回るかもね♪」
「うへぁ、ちょっと勘弁してほしいですね」
「あはは、まぁちょっと照れるわよね~。でも手当が出るなら考えてもいいなぁ。私は」
そう言ってクレア先輩は、指を顎に当てて考えている。
まぁ先輩がやるなら人気でそうではあるな。美人だし。
「ん? なあに?」
「いえ、なんでも。調査って具体的にはどんなことを?」
「そうねぇ。基本は問診調査ね。『どこか不具合はありませんか~』って聞いて回るの。後は電気配線の安全確認かな。接地線がちゃんと繋がってるか~とか、コンセントが緩んでないか~とか」
「なるほど。保守っていうのはその不具合の修理ですか?」
「ん~それも含むけど、それだけじゃないわね。自然災害やモンスターの襲撃で壊れた設備を直したり、古くなった電気設備の交換をしたりとか、メイン業務だから、結構幅広いわよ」
「各課の違いは担当先の違いだけですよね?」
「まぁそうね。例外もあるけどね」
そう言って先輩は含みのある顔をする。
「例外って?」
「その前に順番に行きましょう」
なんかはぐらかされた……まぁいい。
「えと、一課が王族や貴族の邸宅、二課が一般住宅、三課が商業施設や工場、四課が危険区域~でしたよね?」
「正解。で、この中で特殊なのは、やっぱり四課よね?」
「そうですね。他は想像つきますから」
「四課は各地の遺跡や地下迷宮などが主要な担当部署ね。場所が場所だけに何日も戻ってこないし、怪我で引退なんてのも多い部署よ。危険な分手当は良いけどね」
「もしかして、俺がいきなり四課に配属されたのって……」
「そうね。戦闘能力はもちろん考慮されたでしょうけど、欠員が出たからってのもあるかもね」
そうか……実力だけって訳でもないのか……
「まぁまぁ、そんなにガッカリしないの! 実力あるのは間違いないんだし!」
そう言って先輩は俺の肩をバシバシと叩く。
まぁそうだよな。理由はどうあれ希望した部署に配属はされたんだし。
「ありがとうございます。先輩」
「うむ。いいってことよ♪」
そう言って笑う先輩だったが……叩かれたところが痛い……意外と力強いんだな。
その後は他愛のない話をしながら歩く。
ちょっとしたデート気分だな。役得役得♪
「さて、じゃあ実践と行こうか」
そう言われて先輩に連れて来られたのは、魔法学校の寄宿舎だった。
ラシークがここに住んでいたから、以前何度か来たことがある。
「ここは三課が担当じゃないんですか?」
「学校は三課だけどね。寄宿舎は普通の住宅扱いで二課が担当してるの」
先輩に連れられ、管理人室へ向かう。
ごついドワーフのおっさんが管理人だったと記憶しているんだけど……
ラシークに付き合わされた学生時代の記憶がよみがえる。
「あら、誰もいないわね」
そんな先輩の声に、すぐに現実に引き戻された。
「どうしたんですか?」
「約束していたんだけど、誰もいないのよ」
「おかしいですね。あのおっちゃん、こういうことはキッチリするタイプなのに」
「あら、知り合いなの?」
「知り合いと言うか、友人がここに住んでたので、その時に知り合ったと言うか……」
「なぁに、はっきりしないわね。あ」
ん? 先輩の視線が俺の後ろを見ている。視線が若干下だ……てことは。
「久しぶりじゃな、坊主」
その声に振り返ると、ずんぐりとした体形に豪奢な髭を生やしたドワーフが、オーバーオール姿で立っていた。
目つきは鋭く、背は低いが筋肉がパンパンになった男。
この男が、この寄宿舎の管理人『ゲイルアーク・ロンド』その人である。
「げ、ゲイルアークさん! どうも、ご無沙汰してます」
「今日はラシークはおらんのか?」
「ええ、今日は仕事で先輩と一緒に来てまして」
そう言って俺はクレア先輩の後ろに回り、肩を掴んで強引に前に押し出した。
ここは先輩に盾役になってもらおう。
「ちょっとライト君?」
「なんじゃ、保安協会の嬢ちゃんじゃないか」
「こんにちは。ゲイルアークさん。定期安全点検に来ました」
「ほう、嬢ちゃんと一緒と言うことは、お前さんも保安協会か?」
鋭い目で俺を睨む。学生時代にも良く浴びた視線だ。
久しぶりだけど、やっぱり威圧感が凄いな。
「ライト君は期待の新人なんですよ」
「ほ~、あのラシークと組んで、悪さばっかりしてた坊主がなぁ」
「そんなに悪かったんですか?」
「ああ、こいつの相棒にラシークと言うやつがおってな。そいつが――」
ゲイルアークさんが話すのを阻止するため、先輩を急かす。
「先輩、早く仕事しましょう!」
「お? いいねそのやる気。やる気がある子はお姉さん大好きよ」
そう言った先輩の目が輝く。
クレア先輩、仕事好きそうだからな。こういえば乗ってくると思ったんだ。
「すいませんゲイルアークさん。お時間取らせてしまって」
「ああ、別に構わんよ」
ふう、何とか本来の業務に戻れそうだ。
そう思ったのに……俺の考えは甘かったらしい。
「お話の続きは仕事の後にでも」
「え!?」
「構わんよ。今日はもう特に予定もないしの」
「俺達はまだこの後も予定が――」
「ないわよ? 今日はここでおしまい」
「でも、終わったら戻って報告を――」
「通信用魔道具で報告すればOKよ」
「しかし――」
まだ食い下がろうとする俺に、先輩は呆れた様な表情を向ける。
「なぁに? そんなに知られたくないの?」
「いえ、そう言うわけではないんですが……」
「ふふ、楽しみね♪」
先輩は満面の笑みでそう言ったのだった。
「お帰り~」
保安部へ戻った俺を出迎えてくれたのは、部長ではなくクレア先輩だった。
「あれ? 部長は? なんで先輩が? 仕事はどうしたんですか?」
「あはは、そんなにいっぺんに聞かれても答えられないよ。えっと、部長は会議に出るって出ていったよ。それで私は君を待ってたの。で、仕事はこれ」
そう言ってクレア先輩は俺に小さな紙を差し出した。
俺はそれを受け取りながら訪ねる。
「なんですか? これ」
「部長からの指示だよ」
クレア先輩の声に、俺はメモに視線を落とす。
『やあ、ライト君。申し訳ないが会議に出なければならないので、後は二課の課長であるクレア君に任せることにした。彼女から仕事の概要を聞いてくれたまえ。基本業務はどの課も担当部署が違うだけでやることは同じだから問題ないだろう』
はぁ、部長もなんかいい加減だなぁ。
ん? なんか見逃せない一文があったぞ。二課の……課長!?
「え!? クレア先輩! 課長なんですか!?」
「ん? 言ってなかったっけ? そう、私が保安部二課の課長の『クレア・ユンカース』よ」
そう言って先輩は胸を張る。
おおお! 何て立派な!
役職があると知っただけでオーラを感じるのは気のせいだろうか?
「じゃあ行こっか」
「はい課長」
俺は元気よく返事をすると、部屋から出ようとするクレア課長に追いつく。
しかし、彼女が急に立ち止まり、こちらに振り向いたので、危うくぶつかりそうになってしまう。
「うわ! 急に止まらないでくださいよ、クレア課長」
「あのね、ライト君。その課長ってやめてくれないかな?」
「え? 何故です? 素直に凄いと思ったので、そう呼んだんですけど」
「そう思ってくれるのは嬉しいんだけど、なんか慣れなくてね~。課のみんなにも『課長』じゃなくて『クレア』でいいからってお願いしてるのよ。だから……ね?」
ふむ。そう言うもんなかな?
まぁ、特に課長って呼ばなきゃいけない訳でもないし、本人が嫌がっているのに無理に呼ぶことも無いか。
「わかりました。じゃあクレア先輩のままでいいですか?」
「うん。それでいいよ。ありがと♪」
こうして俺はクレア先輩の指導のもと、基本業務の研修に行くことになった。
いつになったら四課の仕事ができるんだろうか? 先行き不安だ……
研修先への移動はここから近いということで、徒歩での移動だ。
仕事だけど、女性と二人きりだし、ちょっとしたデート気分だな。
そう思ってたんだけど……クレア先輩は仕事が大好きみたいで、会話はもっぱら仕事の事だった。
「じゃあまずは、異世界電気保安協会の業務の事から復習よ」
「はい」
「保安協会の仕事は、大きく分けて3つあるわ。調査と保安、それから広報よ」
「えっと、調査が訪問しての安全調査で、保安が電気設備の保守、広報は安全な電気の扱い方の説明……でしたっけ?」
「まぁそんな感じね。その中で、保安部がやるのが、調査と保守ってわけ。ちなみに広報は総務の広報課が担当よ」
「『異世界~電気保~安協~会♪』ってやつですよね?」
「そうそう。あれウチの職員が持ち回りでやってるのよ? その内ライト君にもお鉢が回るかもね♪」
「うへぁ、ちょっと勘弁してほしいですね」
「あはは、まぁちょっと照れるわよね~。でも手当が出るなら考えてもいいなぁ。私は」
そう言ってクレア先輩は、指を顎に当てて考えている。
まぁ先輩がやるなら人気でそうではあるな。美人だし。
「ん? なあに?」
「いえ、なんでも。調査って具体的にはどんなことを?」
「そうねぇ。基本は問診調査ね。『どこか不具合はありませんか~』って聞いて回るの。後は電気配線の安全確認かな。接地線がちゃんと繋がってるか~とか、コンセントが緩んでないか~とか」
「なるほど。保守っていうのはその不具合の修理ですか?」
「ん~それも含むけど、それだけじゃないわね。自然災害やモンスターの襲撃で壊れた設備を直したり、古くなった電気設備の交換をしたりとか、メイン業務だから、結構幅広いわよ」
「各課の違いは担当先の違いだけですよね?」
「まぁそうね。例外もあるけどね」
そう言って先輩は含みのある顔をする。
「例外って?」
「その前に順番に行きましょう」
なんかはぐらかされた……まぁいい。
「えと、一課が王族や貴族の邸宅、二課が一般住宅、三課が商業施設や工場、四課が危険区域~でしたよね?」
「正解。で、この中で特殊なのは、やっぱり四課よね?」
「そうですね。他は想像つきますから」
「四課は各地の遺跡や地下迷宮などが主要な担当部署ね。場所が場所だけに何日も戻ってこないし、怪我で引退なんてのも多い部署よ。危険な分手当は良いけどね」
「もしかして、俺がいきなり四課に配属されたのって……」
「そうね。戦闘能力はもちろん考慮されたでしょうけど、欠員が出たからってのもあるかもね」
そうか……実力だけって訳でもないのか……
「まぁまぁ、そんなにガッカリしないの! 実力あるのは間違いないんだし!」
そう言って先輩は俺の肩をバシバシと叩く。
まぁそうだよな。理由はどうあれ希望した部署に配属はされたんだし。
「ありがとうございます。先輩」
「うむ。いいってことよ♪」
そう言って笑う先輩だったが……叩かれたところが痛い……意外と力強いんだな。
その後は他愛のない話をしながら歩く。
ちょっとしたデート気分だな。役得役得♪
「さて、じゃあ実践と行こうか」
そう言われて先輩に連れて来られたのは、魔法学校の寄宿舎だった。
ラシークがここに住んでいたから、以前何度か来たことがある。
「ここは三課が担当じゃないんですか?」
「学校は三課だけどね。寄宿舎は普通の住宅扱いで二課が担当してるの」
先輩に連れられ、管理人室へ向かう。
ごついドワーフのおっさんが管理人だったと記憶しているんだけど……
ラシークに付き合わされた学生時代の記憶がよみがえる。
「あら、誰もいないわね」
そんな先輩の声に、すぐに現実に引き戻された。
「どうしたんですか?」
「約束していたんだけど、誰もいないのよ」
「おかしいですね。あのおっちゃん、こういうことはキッチリするタイプなのに」
「あら、知り合いなの?」
「知り合いと言うか、友人がここに住んでたので、その時に知り合ったと言うか……」
「なぁに、はっきりしないわね。あ」
ん? 先輩の視線が俺の後ろを見ている。視線が若干下だ……てことは。
「久しぶりじゃな、坊主」
その声に振り返ると、ずんぐりとした体形に豪奢な髭を生やしたドワーフが、オーバーオール姿で立っていた。
目つきは鋭く、背は低いが筋肉がパンパンになった男。
この男が、この寄宿舎の管理人『ゲイルアーク・ロンド』その人である。
「げ、ゲイルアークさん! どうも、ご無沙汰してます」
「今日はラシークはおらんのか?」
「ええ、今日は仕事で先輩と一緒に来てまして」
そう言って俺はクレア先輩の後ろに回り、肩を掴んで強引に前に押し出した。
ここは先輩に盾役になってもらおう。
「ちょっとライト君?」
「なんじゃ、保安協会の嬢ちゃんじゃないか」
「こんにちは。ゲイルアークさん。定期安全点検に来ました」
「ほう、嬢ちゃんと一緒と言うことは、お前さんも保安協会か?」
鋭い目で俺を睨む。学生時代にも良く浴びた視線だ。
久しぶりだけど、やっぱり威圧感が凄いな。
「ライト君は期待の新人なんですよ」
「ほ~、あのラシークと組んで、悪さばっかりしてた坊主がなぁ」
「そんなに悪かったんですか?」
「ああ、こいつの相棒にラシークと言うやつがおってな。そいつが――」
ゲイルアークさんが話すのを阻止するため、先輩を急かす。
「先輩、早く仕事しましょう!」
「お? いいねそのやる気。やる気がある子はお姉さん大好きよ」
そう言った先輩の目が輝く。
クレア先輩、仕事好きそうだからな。こういえば乗ってくると思ったんだ。
「すいませんゲイルアークさん。お時間取らせてしまって」
「ああ、別に構わんよ」
ふう、何とか本来の業務に戻れそうだ。
そう思ったのに……俺の考えは甘かったらしい。
「お話の続きは仕事の後にでも」
「え!?」
「構わんよ。今日はもう特に予定もないしの」
「俺達はまだこの後も予定が――」
「ないわよ? 今日はここでおしまい」
「でも、終わったら戻って報告を――」
「通信用魔道具で報告すればOKよ」
「しかし――」
まだ食い下がろうとする俺に、先輩は呆れた様な表情を向ける。
「なぁに? そんなに知られたくないの?」
「いえ、そう言うわけではないんですが……」
「ふふ、楽しみね♪」
先輩は満面の笑みでそう言ったのだった。
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