3 / 20
宗善の第一章 物心が着いた瞬間、人生はある程度決まる
賢者は歴史を学び、愚者は経験を学ぶ
しおりを挟む
学校へ行き、勉強して遊び、帰り
学校へ行き、勉強して遊び、帰る。
学校へ行き、そして
◆◇◆◇◆◇
「夏休みだ!」
「人生初の夏休みだ!」
しかし!
机の上を眺めて、ふと我に帰る。
「なんだ!この宿題の量は!」
視界いっぱいに広がる、白い紙
出題されている、問題集
数学、国語、自由研究、日記
「なんだこれは!」
「拷問か!」
「世界地図か!」
「道に迷ったのか!」
「机の上がお花畑になってるじゃないか!」
「いや、これはそんな可愛いものじゃない!」
「吐瀉物だ!」
「学校から僕に押し付けられた不純物だ!」
「やりたくねーー!」
「ダメよ‼︎‼︎」
背後から、母が頭を殴りながら僕の声をかき
消すような、大声で怒鳴った。
「いて‼︎」
丸一日かけて、自由研究と日記以外は全部終わらせた。
夏休みには学校の授業で、水泳がある。
僕は泳ぐという事も得意ではないが、水の中で体を動かす感覚は、そんなに嫌なことではなかった。
水泳は、1週間に3回ある。
まず最初に、水の中で、息を止めるところから始める。
その次に、息を吸い、体に蓄えて、水面に浮かぶ。
そして、クロールを一番最初に習う。
僕は、1ヶ月かけても、習得できなかったが...
最後に、貝の形をしたゴムを水中に投げて、参加している生徒が一斉に取り合うゲームが楽しかった。
それだけの為に行っていたのかもしれない。
でも、なんか引っかかる。
何かが足りない。なんだろう?
「あ‼︎‼︎」
「小鳥遊が一回もプールに来ていない‼︎」
「なんでだろう?水が嫌いなのかな?水着姿になりたくないのかな?」
水着姿の小鳥遊を想像する
「見てみたかったな~w」
休みの日は、近所に住んでいるクラスメイトと近くにある、公園で遊ぶ。
ブランコに乗り、滑り台で滑りセミを捕まえて、観察する。
外に出たくない時は、エアコンが効いている家でゴロゴロしながら、ポ○モンの映画を観る。
◆◇◆◇◆◇
「平和だ、退屈だ」
夏休み最後の1週間を過ごしていると、重要なイベントが突如開催された。
「え‼︎‼︎」
小鳥遊が公園に来たのだ!
「なんで?なんでここに?」
花火が爆発したかのように心臓が弾む。
何しろ、僕はまだ、彼女と遊んだことが、
一度もないからだ!
今日、初めてプライベートで会ったのだ!
「遊ぼ!」
「うん!」
即答だ、反応速度は0.1秒切ってたはずだ!
「何する?」
僕は聞いた。
「なんでも良いよ」
彼女はそう答えた。
「それじゃあ」
僕が提案したのは、
まず1人がブランコに揺れて、もう1人がぶつからないように、前を通り過ぎるという、シンプルなゲームだ。
実はこれ、やってみると、結構怖い。特に、
僕みたいな、《臆病者には》
体のどこかに当たったら、交代をする。
しかし、大体の人は気づくだろう。この遊び、失敗したら、怪我をする。
ところが、子供というのは、一度失敗をしないと学ばない生き物なのである。
《この遊びは交代したことが一度もない》
僕の足が、彼女の顔に当たってしまった!
「な‼︎‼︎」
彼女は顔を手で覆い、水場の方へ走って行き顔を洗う。
僕は、体の内側から、感じたことのない恐怖と絶望を感じた。
ブランコから動けないまま、ぼーっと眺めていた。
彼女は、ポケットからハンカチを手にとり、顔を拭く。
その後、彼女はなんでもないような笑顔で僕のとこに戻ってきた。
「良かった~」
どうやら、顔を蹴ってしまったのは、僕の勘違いで、ギリギリで避けたらしい。
その日は雨が降った後なので、靴の裏に付いていた、泥が彼女の顔に、かかっただけみたいだ。
それでも、目に入らなかったのは幸いだ。
彼女がハンカチを差し出した。
(どうゆう事だろう。怒っているのか!、まぁそうだろうな~。そりゃそうだ!。早く謝ろ!)
だが、声がうまく出せなかった。それどころか、息が詰まっているのだろうか。
うまく呼吸ができない。なんで僕が苦しいんだ?
そう思った瞬間!
《彼女がハンカチで、僕の頬を拭いた》
学校へ行き、勉強して遊び、帰る。
学校へ行き、そして
◆◇◆◇◆◇
「夏休みだ!」
「人生初の夏休みだ!」
しかし!
机の上を眺めて、ふと我に帰る。
「なんだ!この宿題の量は!」
視界いっぱいに広がる、白い紙
出題されている、問題集
数学、国語、自由研究、日記
「なんだこれは!」
「拷問か!」
「世界地図か!」
「道に迷ったのか!」
「机の上がお花畑になってるじゃないか!」
「いや、これはそんな可愛いものじゃない!」
「吐瀉物だ!」
「学校から僕に押し付けられた不純物だ!」
「やりたくねーー!」
「ダメよ‼︎‼︎」
背後から、母が頭を殴りながら僕の声をかき
消すような、大声で怒鳴った。
「いて‼︎」
丸一日かけて、自由研究と日記以外は全部終わらせた。
夏休みには学校の授業で、水泳がある。
僕は泳ぐという事も得意ではないが、水の中で体を動かす感覚は、そんなに嫌なことではなかった。
水泳は、1週間に3回ある。
まず最初に、水の中で、息を止めるところから始める。
その次に、息を吸い、体に蓄えて、水面に浮かぶ。
そして、クロールを一番最初に習う。
僕は、1ヶ月かけても、習得できなかったが...
最後に、貝の形をしたゴムを水中に投げて、参加している生徒が一斉に取り合うゲームが楽しかった。
それだけの為に行っていたのかもしれない。
でも、なんか引っかかる。
何かが足りない。なんだろう?
「あ‼︎‼︎」
「小鳥遊が一回もプールに来ていない‼︎」
「なんでだろう?水が嫌いなのかな?水着姿になりたくないのかな?」
水着姿の小鳥遊を想像する
「見てみたかったな~w」
休みの日は、近所に住んでいるクラスメイトと近くにある、公園で遊ぶ。
ブランコに乗り、滑り台で滑りセミを捕まえて、観察する。
外に出たくない時は、エアコンが効いている家でゴロゴロしながら、ポ○モンの映画を観る。
◆◇◆◇◆◇
「平和だ、退屈だ」
夏休み最後の1週間を過ごしていると、重要なイベントが突如開催された。
「え‼︎‼︎」
小鳥遊が公園に来たのだ!
「なんで?なんでここに?」
花火が爆発したかのように心臓が弾む。
何しろ、僕はまだ、彼女と遊んだことが、
一度もないからだ!
今日、初めてプライベートで会ったのだ!
「遊ぼ!」
「うん!」
即答だ、反応速度は0.1秒切ってたはずだ!
「何する?」
僕は聞いた。
「なんでも良いよ」
彼女はそう答えた。
「それじゃあ」
僕が提案したのは、
まず1人がブランコに揺れて、もう1人がぶつからないように、前を通り過ぎるという、シンプルなゲームだ。
実はこれ、やってみると、結構怖い。特に、
僕みたいな、《臆病者には》
体のどこかに当たったら、交代をする。
しかし、大体の人は気づくだろう。この遊び、失敗したら、怪我をする。
ところが、子供というのは、一度失敗をしないと学ばない生き物なのである。
《この遊びは交代したことが一度もない》
僕の足が、彼女の顔に当たってしまった!
「な‼︎‼︎」
彼女は顔を手で覆い、水場の方へ走って行き顔を洗う。
僕は、体の内側から、感じたことのない恐怖と絶望を感じた。
ブランコから動けないまま、ぼーっと眺めていた。
彼女は、ポケットからハンカチを手にとり、顔を拭く。
その後、彼女はなんでもないような笑顔で僕のとこに戻ってきた。
「良かった~」
どうやら、顔を蹴ってしまったのは、僕の勘違いで、ギリギリで避けたらしい。
その日は雨が降った後なので、靴の裏に付いていた、泥が彼女の顔に、かかっただけみたいだ。
それでも、目に入らなかったのは幸いだ。
彼女がハンカチを差し出した。
(どうゆう事だろう。怒っているのか!、まぁそうだろうな~。そりゃそうだ!。早く謝ろ!)
だが、声がうまく出せなかった。それどころか、息が詰まっているのだろうか。
うまく呼吸ができない。なんで僕が苦しいんだ?
そう思った瞬間!
《彼女がハンカチで、僕の頬を拭いた》
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる