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宗善の第一章 物心が着いた瞬間、人生はある程度決まる

賢者は歴史を学び、愚者は経験を学ぶ

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学校へ行き、勉強して遊び、帰り
学校へ行き、勉強して遊び、帰る。
学校へ行き、そして


◆◇◆◇◆◇


       「夏休みだ!」

     「人生初の夏休みだ!」

        しかし!

机の上を眺めて、ふと我に帰る。

「なんだ!この宿題の量は!」

視界いっぱいに広がる、白い紙
出題されている、問題集
数学、国語、自由研究、日記

「なんだこれは!」

「拷問か!」

「世界地図か!」

「道に迷ったのか!」

「机の上がお花畑になってるじゃないか!」

「いや、これはそんな可愛いものじゃない!」

「吐瀉物だ!」

「学校から僕に押し付けられた不純物だ!」

「やりたくねーー!」

「ダメよ‼︎‼︎」

背後から、母が頭を殴りながら僕の声をかき
消すような、大声で怒鳴った。

「いて‼︎」

丸一日かけて、自由研究と日記以外は全部終わらせた。

夏休みには学校の授業で、水泳がある。

僕は泳ぐという事も得意ではないが、水の中で体を動かす感覚は、そんなに嫌なことではなかった。

水泳は、1週間に3回ある。
まず最初に、水の中で、息を止めるところから始める。

その次に、息を吸い、体に蓄えて、水面に浮かぶ。

そして、クロールを一番最初に習う。
僕は、1ヶ月かけても、習得できなかったが...
最後に、貝の形をしたゴムを水中に投げて、参加している生徒が一斉に取り合うゲームが楽しかった。

それだけの為に行っていたのかもしれない。

でも、なんか引っかかる。

何かが足りない。なんだろう?

「あ‼︎‼︎」

「小鳥遊が一回もプールに来ていない‼︎」

「なんでだろう?水が嫌いなのかな?水着姿になりたくないのかな?」

水着姿の小鳥遊を想像する

「見てみたかったな~w」

休みの日は、近所に住んでいるクラスメイトと近くにある、公園で遊ぶ。

ブランコに乗り、滑り台で滑りセミを捕まえて、観察する。

外に出たくない時は、エアコンが効いている家でゴロゴロしながら、ポ○モンの映画を観る。


◆◇◆◇◆◇


「平和だ、退屈だ」

夏休み最後の1週間を過ごしていると、重要なイベントが突如開催された。

「え‼︎‼︎」

小鳥遊が公園に来たのだ!

「なんで?なんでここに?」

花火が爆発したかのように心臓が弾む。

何しろ、僕はまだ、彼女と遊んだことが、

一度もないからだ!

今日、初めてプライベートで会ったのだ!

「遊ぼ!」

「うん!」

即答だ、反応速度は0.1秒切ってたはずだ!

「何する?」

僕は聞いた。

「なんでも良いよ」

彼女はそう答えた。

「それじゃあ」

僕が提案したのは、

まず1人がブランコに揺れて、もう1人がぶつからないように、前を通り過ぎるという、シンプルなゲームだ。

実はこれ、やってみると、結構怖い。特に、

僕みたいな、《臆病者には》

体のどこかに当たったら、交代をする。

しかし、大体の人は気づくだろう。この遊び、失敗したら、怪我をする。

ところが、子供というのは、一度失敗をしないと学ばない生き物なのである。

《この遊びは交代したことが一度もない》

僕の足が、彼女の顔に当たってしまった!

「な‼︎‼︎」

彼女は顔を手で覆い、水場の方へ走って行き顔を洗う。

僕は、体の内側から、感じたことのない恐怖と絶望を感じた。

ブランコから動けないまま、ぼーっと眺めていた。

彼女は、ポケットからハンカチを手にとり、顔を拭く。

その後、彼女はなんでもないような笑顔で僕のとこに戻ってきた。

「良かった~」

どうやら、顔を蹴ってしまったのは、僕の勘違いで、ギリギリで避けたらしい。

その日は雨が降った後なので、靴の裏に付いていた、泥が彼女の顔に、かかっただけみたいだ。

それでも、目に入らなかったのは幸いだ。

彼女がハンカチを差し出した。

(どうゆう事だろう。怒っているのか!、まぁそうだろうな~。そりゃそうだ!。早く謝ろ!)

だが、声がうまく出せなかった。それどころか、息が詰まっているのだろうか。

うまく呼吸ができない。なんで僕が苦しいんだ?

そう思った瞬間!

《彼女がハンカチで、僕の頬を拭いた》
























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