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第197話 大聖女の治療

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「お前、マジで言ってんのか?」

 クレハの家に自分も泊まると言うノアに俺は聞き返す。

「うん、私、冗談とかあまり言わないし」
「まあ、決定権は俺にはないしな。クレハ達に聞け」

「まあ、いいですけど……」

 何故か少し不機嫌なクレハ。

「どうした?」
「別に……ユキマサ君、モテるもんね」

「何でそんな話しになるんだよ?」
「うんうん、私もクレハさんと同意見だよ」

「誉められてるのか?」

 パクりと白菜の漬物を口に運びながら問う。

「メロン切れたよ、お婆ちゃんも一緒に食べよ」
「なら、御相伴に預かろうかね、大聖女様もゆっくりしていらしてくださいね」

「はい、お世話になります。こぶしの拳聖さん♪」
「マリアでいいですよ、そんな呼び名は私には大逸れてますから」

「あ、クレハ、ごはんおかわりいいか?」
「あ、うん、少し待ってね」

 パタパタとクレハはおかわりを持ちに行ってくれる。

 いやぁ、それにしても漬物があると米が進むぜ。

「あ、メロン、美味しい♪ 高級品のメロメロンだね」
「ミリアの家で取れたのを貰ったんだ」

「そっか、あの湖の」
「知ってるのか?」

「うん、行ったこともあるよ」

 と、そこに、

「はい、大盛♪」

 まるで日本昔話に出てくるような装い方でクレハが、ごはんのおかわりを持ってきてくれた。

 その後、俺はさらに二回おかわりをし、大満足の食事を終える。

「ごちそうさま」
「はい、お粗末さまでした」

「クレハさん、シャワー借りてもいいかな?」
「あ、はい、どうぞ」

「図々しくてごめんね、じゃあ、お言葉に甘えます」

 と、ノアはシャワー室へと消えていく。

「ふぅ、何か家に大聖女様がいるなんてビックリだよ」
「緊張してるのか?」

「流石にちょっとね」

 その後、俺とクレハも順番にシャワーを浴びる。

「つーか、ノア、俺の怪我を診てくれるんじゃないのか?」
「うん、そうだよ、改めて聞くけど、今日は泊まってくね♪ いいかな? クレハさん」

「え、あ、えと、構わないですけど……」
「じゃあ、お言葉に甘えるね」

「ちょっと待て、泊まるのは分かったが、俺の怪我を診るのと何か関係あるのか?」
「うん、寝ながら診るよ、それなりに時間かかるしね」

 楽しげにノアは笑う。

「ユキマサ君、一緒に寝よ♪」

 *

 (どうしてこうなった……)

 今俺はクレハの部屋のベッドで横になっている。
 そして左右にはクレハとノアが抱きつくようにし寝ている。

「むむむむむむ……」

 唸るクレハ。

「ふふ♪ 何かイケないことしてるみたい♪」
「あのなぁ、ドキドキしてるのはこっちだっての」

「と、治療始めようか。傷口見せて貰うね」
「ああ」

 ズキンっと、痛みが走る。

「やっぱり呪いカースも貰ってるね」
「変な痛みだなと思ってたが、理由はそれか」

「そうだね、痛む?」
「正直な」

「すぐ取りかかるね」

 するとノアはボワリと白く光る回復魔法を使う。

 う、これは……
 気持ちいいな。

「どう?」
「効くぜ、流石だ」

 その後もノアの治療は続いていく。
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