34 / 284
第33話 夕飯
しおりを挟む*
──〝大都市エルクステン〟
ギルド・ギルドマスター室──
「フォルタニアさん! 一体どういう事ですか!!」
〝大都市エルクステン〟のギルドのギルドマスターである──ロキ・ラピスラズリは、珍しく本気で悔しがっていた。
「そ……そう言われましても……」
珍しいロキの子供のような嘆きに、困惑しているのは、副ギルドマスターのフォルタニアだ。
「な、何故、私も呼んでくれなかったのですか!? 私もユキマサさんとは、じっくり話をしてみたかったのですよ……!!」
ロキはガックリと肩を落とす。
(どうやら、私が思っているよりも、ギルドマスターは、ユキマサさんを気に入っていたみたいですね……)
──事の発端は、フォルタニアが午前中、ロキの不在中に、例のヒュドラの〝変異種〟を倒した例の少年と、第8隊の子達と一緒にお茶をしながら、少し話し込んでいた事を、どこからか耳にしたらしいロキが、ギルドに帰ってくるや否や……『ズルいです! 私もお話したかった!』と拗ね始めたのだ。
「ギルドマスターは〝アーデルハイト王国〟の王女様の、護衛と出迎えという、重要なお仕事があったでしょう……」
「……そう言われますと、返す言葉もありませんが。それで、どうでしたか? 彼は?」
「そうですね……一言で言いますと、とても不思議な方でした──でも、少なくとも悪い方でもありません。ましてや〝魔王信仰〟の者でも無いですね。ただ……」
フォルタニアは少し考え込む仕草をする。
「ただ……?」
「いえ、何でもありません」
(でも、本当に、あの知識の無さは何なのだろうか? 〝魔王〟〝天聖〟〝八柱の大結界〟〝魔王信仰〟──この世界で生きていれば、嫌でも、それなりの知識として知る事ばかりだ。それこそ、山奥の村の、小さな子供でも普通に知っているような話だ……)
でも、彼は本当にその常識を知らなかった。
フォルタニアは、失礼と分かっていながらも、話している間は、常に、相手の話している事が嘘かどうか分かる自身の持つスキル──〝審判〟を使用していたが、彼に嘘の気配は無かった。
第8隊を壊滅させる程の、ヒュドラの〝変異種〟を単独で討伐し……そして人類でもトップクラスの実力者である、六魔導士の1人〝剣斎〟──エルルカ・アーレヤストが、その実力を認める少年。
何故、そんな人物が、今まで名も知れず……
風の噂にすらならなかったのか?
考えれば考えるほど『本当に謎である』と、フォルタニアは頭を悩ます。
ただ、確実なのは、彼は悪い人間では無かった。
──フォルタニアは自身のスキル〝審判〟にて、幼い頃から、嫌と言う程に、人類の汚い部分の多くを、その目で見て来た。
世界には居るのだ。平気で嘘を付き、騙し、裏切り、自身の欲望を満たす為に、何の罪もない人を傷つけ、汚すような、そんな薄汚い人間達が……
だが、少なくとも彼は、気持ちの悪い薄ら笑いを浮かべ、聞こえだけは良い言葉を列のように並べ、あわよくば、甘い汁を啜ろうとするような、下卑た輩では無い。
「──どうしました? もしかして、彼に惚れたりでもしましたか?」
ロキはニヤリと笑い……本気で言っているのか、冗談なのか、分かりづらい表情で聞いてくる。
「……何を言い出すかと思えば……私が誰かに惚れたとしても、辛くなるだけです。仮にもし結ばれたとしても、その相手に迷惑がかかるだけですからね」
「エルフの国も、本当に困ったものですね……」
「ロキ。私は、こう見えて、貴方には本当に感謝しています。このギルドに来てから、素敵な友人達もできましたから──っと、そろそろ、お腹も空いてきましたので、私は失礼いたしますね」
最後には、取って付けたような理由で、部屋を去るフォルタニアをロキは無言で見送る。
(……さて。お茶を頼みたかったのですが、頼みそびれてしまいましたね。仕方ありません、今日は自分で煎れますか)
フォルタニアが去り、ギルドマスター室で1人になったロキは『ふぅ』と息を吐きながら立ち上がり、よそよそと、今日は自分でお茶を煎れるのだった──。
*
「──お待たせしました! と~っても美味しそうですよ!」
ジュ~ッ! と音をさせ、熱々の鉄板に乗った〝大猪肉のステーキ〟を、アトラと亜人のウェイトレスが、元気良く運んでくる。
「あ、こちらはミリアさんの2キロです!」
と、ミリアの前には2キロの肉が運ばれてくる。
(あ……ミリアの『いつもの』って言ってた時の〝Vサイン〟のVの意味は『2つください』って意味じゃなくて『2キロください』って意味だったのか?)
「あ……う……ご、ごめんなさい……! 私、まだ全然役にも立たなくて……ちんちくりんなのに、昔からお腹だけは人一倍に空いちゃって……いつも私が一番……ごはん……いっぱい食べちゃうんです……ふみゅ……」
顔を赤くし、下を向きながら、ミリアが謝る。
「そ、そんなこと気にしなくていいわよ!」
「そうだよ!? 私はいつもご飯を、美味そうにいっぱい食べてるミリアが大好きだよ!」
「そうだそ! いつもそんな事を考えていたのか? ミリア、私達に遠慮なんてしなくていいんだぞ!?」
そんなミリアの声を聞き……エメレア、クレハ、システィアは、慌てながら、驚いたようにミリアの発言を全力で否定する。
「ハハハ。いいんじゃないか? 俺は食べれる時に、食べれるだけ食えばいいと思うぞ?」
何を言い出すかと思えば……
ミリアも色々と気にしすぎだな。
──俺はそんなミリアの姿を見て、小さい頃に家に来たばかりの理沙を思い出して、少し笑ってしまう。
「少なくとも俺は、少しの飯すら理由も無く残しちまうような奴よりも、残さず元気に、いっぱい食事を美味しく食べる奴のが俺は好きだぞ? ──ほら、飯が冷めちまう。早く食うぞ?」
俺は、折角の熱い肉や、米が冷めてしまう前に早く食べるぞ? と、軽くミリアを急かす。
「は、はぁ、はぁい! いただきます!」
お……『いただきます』は噛まずに言えたな?
「み、ミリアにまで……このキザッ誑しは……まあ、でも、たまには良いこと言うじゃない! あ、やっぱダメ、今の無し。このキザ男の女誑し! それにミリアは私のミリアよ!」
「あ、ほら。エメレアちゃんも! 早く熱い内に食べよ、お肉! お肉だよ!」
何やら、いつもの如く俺に対しぶつぶつと言うエメレアに、クレハが何やらテンション高めで話す。
「そうね。熱い内に食べましょ!」
「お前ホントにクレハの言うことは聞くな?」
「何よ? 私はちゃんと、システィアさんや、ミリアや、お婆ちゃんの言うことも聞くわよ!」
「そうかよ。いただきます──」
ただ単に俺の言う事は聞かないだけだったな。
それはそうと、本当に飯が冷めてしまうので、俺は『いただきます』を言い、そそくさと食べ始める。
「あ、ズルい! 私も、いただきます!」
「では、私も、いただきます」
と、クレハ、システィアも肉を食べ始める。
「いただきます……もう少しぐらい構いなさいよ」
何故かムクれるエメレア。
「そういや。もしかしてエメレアは、肉はあんまり好きじゃなかったりするのか?」
「何よそれ? クレハ達が好きな食べ物は、私も大好きよ!」
そう言いながら、あむっとエメレアは肉を食べ始める。
「その理由はどうなんだよ……?」
「──ッ! 何これ! 凄く美味しいじゃない!」
食べるや否や『ん~!』と、幸せそうなエメレア。
……ったく。いつも、その半分でいいから、そんな感じの顔でいてくれればいいのにな。
「本当に美味しいよね!」
そんなエメレアを見て、クレハも嬉しそうだ。
後、よく見ると、いつの間にかクレハは、上手に肉を全部、ナイフで一口サイズにカットしていた。
「そういや、クレハは肉が好物なのか? 昨日もやけにテンションが高かったが?」
「──ッ!? えっと、うん、大好物だよ! それにお米もお肉に凄く合って美味しいね!」
「そりゃ良かった。通りで美味そうに食うわけだな」
「クレハは顔に出やすいからな」
と、軽く笑うシスティアの皿を見ると、もう半分ぐらい肉を食べ終えている──食うの早いな?
「か、顔に出やすいですか……? 私って……?」
(自覚無しか……)
『嘘……色々と気を付けよう……』
と、クレハは何やら反省している。
「クレハは素直だからな。それに、普段生活する時は、そのまんまでいいと私は思うぞ?」
「……け、検討します」
少し悩むクレハだが、再び肉を食べ始めると『ん~』と可愛らしく頬が緩んでいる。
そして、ふと、俺は視線を変えると、そこには……
(──ッ!? うお、眩しッ!)
目をキラキラと輝かせて、お行儀よく、尚且つ上手に可愛らしく、両手でナイフとフォークを使い、夢中でリスみたいに頬を膨らませながら……
もぐもぐ もぐもぐ もぐもぐ もぐもぐ
と、肉と米を幸せそうに頬張るミリアがいた。
「えーと、どうだ、ミリア? 美味いか?」
見れば分かるが、俺は一応聞いてみると……
コクコク、コクコク、とミリアはたくさん頷きながら、一心不乱に、幸せそうに食事を続ける。
もしミリアに、亜人のような尻尾があれば、ぶんぶんと、それはそれはご機嫌に尻尾を振っていたのではないだろうか?
「み、ミリアが今まで見たこと無い笑顔だわ! 待って、待って、可ッ愛い! ちょっと……じゃなくて、気が済むまで抱き締めてもいい!?」
初めて見るらしいミリアの表情に、興奮を隠せないエメレアは『どうしよ、どうしよ』と食事中のミリアに抱きつくか否か、本気で悩んでいる。
(本当に美味い物を食べると、人は無口になるって言うけど……あれって、本当なんだな……)
「凄く美味しいです……!」
お、今度は噛まずに言えたな?
「皆さん! お冷やのおかわりはいかがですか!」
パタパタと、お冷やを持って来たアトラは、空になっていたり、残り少なくなっていたお冷やを、補充していく。
「──って、おわぁ! ミリアさん、凄く幸せそうな顔してますね! かわいいです! え? ちょっと、気が済むまで抱き締めていいですか?」
ミリアのお冷やを補充したアトラは、今まだに頬をリスみたいに膨らませ、幸せいっぱい! といったミリアを見て、エメレアと同じく『気が済むまで抱き締めていいですか?』と言い始める。
それはそうと〝気が済むまで抱き締めてもいい?〟と内容は二人とも同じ感じだが、エメレアとアトラでは、何故こんなに、ミリアへの危険度が、天と地ほど違うように見えるのだろうか?
ちなみに先程のエメレアは「あ、こら。食事中だぞ」と言うナイスなシスティアのお叱りで、ガックリと肩を落としながら、凄くしぶしぶと、ミリア抱き締めるのを諦めたようだ。
アトラに関しては、冗談と受け取ってるのかシスティアは特に何も言わなかった。アトラ自身も仕事中なので『気が済むまで抱き締めていいですか!?』とは言ってはいても、別に行動に移そうとはしていない。
「そういやアトラ? 今日は、お前の夕飯に〝大猪の肉〟は並びそうなのか?」
「うぅ……そ、それが……かなり微妙なんですよ!」
涙目のアトラが指差す店内を見ると……
──いつの間にか、店は満席になっていた。
「〝大猪の肉〟をくれ! 大至急だ!!」
「あ、店員さん! 私にも貰えるかしら!」
「こっちにも大猪をくれ! 昨日は食べ損なった!」
「おかわりー!!」
と、大盛況のようだ……見ると身なりの綺麗な、如何にもお金持ちといった人間もちらほらといる。
「店主は肉料理に関しては有名人ですからね。お金持ちのお客さんも多いんですよ、お店が盛況なのは私も嬉しいですが……でも、今回ばかりは、本当に私の晩ごはんに関わる大問題なので、凄く複雑です……」
確かに肉の焼き加減も絶妙だったしな。料理中に靴を無くす店主らしいが、腕は確かなようだ。
いや、ひょっとしたら。料理中に靴を無くすってのに、何か肉を美味しく焼く秘訣が──!?
……あるわけ無いか。
そんなバカな事を考えながら、俺はアトラに、
「あー、何だ、アトラ? 一口いるか?」
と、肉を刺したフォークを突き出してみると……
「い、いいんですか! 食べます! 絶対に食べます! いえ、食べさせてください!」
目をキラキラと輝かせて、即答するアトラは『あーん』と髪をかきあげて、女の子らしく上品に口を開けてくる。
「あ、待って、それユキマサ君のフォーク……」
──ヒュン! パッ! パクッ!
と、隣に座っていたクレハが〝空間移動〟し、アトラにあげる予定のだった〝大猪〟のステーキを食べる。
「ふみゃあッ! クレハさん! ひ……ひどいですよ……私のステーキに何て事を……!」
まさかのクレハの行動に、ガックリ肩を落とし、涙目のアトラ。その目からは、今にも涙が溢れてしまいそうだ。
「す、すいません! 変わりに私のステーキを一口あげるので!(こ、これって……ユキマサ君と……か……間接キスだよねッ……///)」
「……ほ、ほんとですか!?」
わりと本気で泣いていたアトラは『ひっく、ひっく』と手で涙を拭っている。
「……はい。本当にごめんなさい。どうぞ」
今度は、クレハが、自身のフォークで、ステーキをアトラに食べさせようとする。
あーん
シュッ!
ぱくり
もぐもぐ
「いや、何でエメレアが食ってんだよ?」
いつの間にか、颯爽と現れたエメレアが、アトラが食べようとしていたステーキを食べてしまう。
「クレハと間接キ……じゃなくて……ついよ……つい」
もぐもぐと、ステーキを幸せそうに食べるエメレアは、満足気な様子だ。
「み、皆さん……私のことからかってますよね!? 酷いです……酷いですよ……! 私そろそろ本気でグレますよ……?」
しくしくと、泣きながら怒るアトラ。
「ご、ごめんなさい。大丈夫よ! まだ私のお肉が残ってるから! それ食べていいですから……ね?」
流石のエメレアも、これには本当に申し訳なさそうな感じだ……
「……わ、分かりました……信じます……」
エメレアは自身の座っていた席にアトラを座らせ『一口と言わず三口ぐらいどうぞ?』と言っている。
「あ、ありがとうございます! いただきます!!」
手を合わせたアトラは〝いざ、実食!〟と言った感じで、肉を食べようとナイフとフォークを握る。
「ア ト ラ ? この忙しいのに、何をサボってるのかしら?」
するりと、音もなく現れ〝凄まじい殺気〟を放ちながらアトラの頭に、そっと手を乗せる女将さん。
「──ひぃッ!!!!!!!!」
この世の終わりを迎えたのでは無いか?
と、そう思う程に、アトラは絶望的な表情をする。
「を、を、を、おびゃびしゃん! 何故ここに!」
ぷるぷるぷるぷるぷる! ──と、まるで、生まれたての小鹿のように震えるアトラが、発した言葉は、ミリアを越えるくらいの凄まじい噛みっぷりだ。
可哀想に……よほど、怖かったのだろう。
「そ れ はこちらの台詞よね?」
「そ、そうでしたぁぁぁぁぁ!!」
「早く仕事に戻りなさい!」
ピシャリと言い放つ女将さん。
「待ってください! せめて、せめて、一口だけ、一口だけ食べさせてください! じゃないと私グレますよ! それはもう〝魔王か!〟ってぐらいにグレちゃいますよ!」
女将さんに首の襟を捕まれて、ホールへと引きずられるアトラが、必死の抵抗をする。
「ほう……? それじゃ私は身内からグレる子が出る前に、しっかりと教育してあげなくちゃいけないわね? ──それも、家族としての私の義務よ?」
ギロリと睨まれたアトラは、再び『ひぃぃぃ!』と怯えながら、女将さんに、ズルズルと引きずられて行く最中──『や、やめます! 私、グレるのやめますから! 女将さん、許してください~~!』とアトラの断末魔が聞こえる。
この世界の魔王がどうなのかは知らないが……
別に、魔王はグレてるわけじゃ無いと思うぞ?
81
お気に入りに追加
495
あなたにおすすめの小説
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
追放幼女の領地開拓記~シナリオ開始前に追放された悪役令嬢が民のためにやりたい放題した結果がこちらです~
一色孝太郎
ファンタジー
【小説家になろう日間1位!】
悪役令嬢オリヴィア。それはスマホ向け乙女ゲーム「魔法学園のイケメン王子様」のラスボスにして冥界の神をその身に降臨させ、アンデッドを操って世界を滅ぼそうとした屍(かばね)の女王。そんなオリヴィアに転生したのは生まれついての重い病気でずっと入院生活を送り、必死に生きたものの天国へと旅立った高校生の少女だった。念願の「健康で丈夫な体」に生まれ変わった彼女だったが、黒目黒髪という自分自身ではどうしようもないことで父親に疎まれ、八歳のときに魔の森の中にある見放された開拓村へと追放されてしまう。だが彼女はへこたれず、領民たちのために闇の神聖魔法を駆使してスケルトンを作り、領地を発展させていく。そんな彼女のスケルトンは産業革命とも称されるようになり、その評判は内外に轟いていく。だが、一方で彼女を追放した実家は徐々にその評判を落とし……?
小説家になろう様にて日間ハイファンタジーランキング1位!
更新予定:毎日二回(12:00、18:00)
※本作品は他サイトでも連載中です。
異世界転生令嬢、出奔する
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化しました(2巻発売中です)
アリア・エランダル辺境伯令嬢(十才)は家族に疎まれ、使用人以下の暮らしに追いやられていた。
高熱を出して粗末な部屋で寝込んでいた時、唐突に思い出す。
自分が異世界に転生した、元日本人OLであったことを。
魂の管理人から授かったスキルを使い、思い入れも全くない、むしろ憎しみしか覚えない実家を出奔することを固く心に誓った。
この最強の『無限収納EX』スキルを使って、元々は私のものだった財産を根こそぎ奪ってやる!
外見だけは可憐な少女は逞しく異世界をサバイバルする。
【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される
鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。
レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。
社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。
そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。
レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。
R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。
ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。
聖ロマニス帝国物語
桜枝 頌
恋愛
北大陸にある聖ロマニス帝国と、南大陸にあるヴェルタ王国は、歴史上何度も戦争をしていた。
激戦地となるのは決まって二つの大陸を繋ぐような地形で存在するフロリジア公国。この公国は北の聖ロマニス帝国に帰属している。
現代、フロリジア公国は爵位と国の継承問題で揺れている。前公妃の娘で第一公女ジュエリアは継承順位第一位ではなく第二位。継承順位第一位は後妻であるセルマ公妃の娘で、ジュエリアの妹のミア公女になっていた。
ミアの婚約者はヴェルタ王国の王族、ジュエリア公女の婚約者は帝国近衛士官のシベリウス。公室の現状に、国民の誰もが近い将来戦争が再び起こることを覚悟した。
そしてなぜか完全な政略結婚で決められたはずのシベリウスが、初対面からジュエリアを溺愛し執着している……。
※タイトル一部削除変更しました🙇🏻♀️
もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ
中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。
※ 作品
「男装バレてイケメンに~」
「灼熱の砂丘」
「イケメンはずんどうぽっちゃり…」
こちらの作品を先にお読みください。
各、作品のファン様へ。
こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。
故に、本作品のイメージが崩れた!とか。
あのキャラにこんなことさせないで!とか。
その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる