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第33話 夕飯

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 ──〝大都市エルクステン〟
       ギルド・ギルドマスター室──

「フォルタニアさん! 一体どういう事ですか!!」

 〝大都市エルクステン〟のギルドのギルドマスターである──ロキ・ラピスラズリは、珍しく本気で悔しがっていた。

「そ……そう言われましても……」

 珍しいロキの子供のようななげきに、困惑しているのは、副ギルドマスターのフォルタニアだ。

「な、何故、私も呼んでくれなかったのですか!? 私もユキマサさんとは、じっくり話をしてみたかったのですよ……!!」

 ロキはガックリと肩を落とす。

(どうやら、わたくしが思っているよりも、ギルドマスターは、ユキマサさんを気に入っていたみたいですね……)

 ──事の発端は、フォルタニアが午前中、ロキの不在中に、例のヒュドラの〝変異種ヴァルタリス〟を倒した例の少年と、第8隊の子達と一緒にお茶をしながら、少し話し込んでいた事を、どこからか耳にしたらしいロキが、ギルドに帰ってくるや否や……『ズルいです! 私もお話したかった!』とね始めたのだ。

「ギルドマスターは〝アーデルハイト王国〟の王女様の、護衛と出迎えという、重要なお仕事があったでしょう……」
「……そう言われますと、返す言葉もありませんが。それで、どうでしたか? 彼は?」

「そうですね……一言で言いますと、とても不思議な方でした──でも、少なくとも悪い方でもありません。ましてや〝魔王信仰〟の者でも無いですね。ただ……」

 フォルタニアは少し考え込む仕草をする。

「ただ……?」
「いえ、何でもありません」

(でも、本当に、あの知識の無さは何なのだろうか? 〝魔王〟〝天聖〟〝八柱の大結界〟〝魔王信仰〟──この世界で生きていれば、嫌でも、それなりの知識として知る事ばかりだ。それこそ、山奥の村の、小さな子供でも普通に知っているような話だ……)

 でも、彼は本当にその常識を知らなかった。

 フォルタニアは、失礼と分かっていながらも、話している間は、常に、相手の話している事が嘘かどうか分かる自身の持つスキル──〝審判ジャッジ〟を使用していたが、彼に嘘の気配は無かった。

  第8隊を壊滅させる程の、ヒュドラの〝変異種ヴァルタリス〟を単独で討伐し……そして人類でもトップクラスの実力者である、の1人〝剣斎けんさい〟──エルルカ・アーレヤストが、その実力を認める少年。

 何故、そんな人物が、今まで名も知れず……
 にすらならなかったのか? 

 考えれば考えるほど『本当に謎である』と、フォルタニアは頭を悩ます。

 ただ、確実なのは、彼は悪い人間では無かった。
 
 ──フォルタニアは自身のスキル〝審判ジャッジ〟にて、幼い頃から、嫌と言う程に、人類の汚い部分の多くを、その目で見て来た。

 世界には居るのだ。平気で嘘を付き、騙し、裏切り、自身の欲望を満たす為に、何の罪もない人を傷つけ、汚すような、そんな薄汚い人間達が……

 だが、少なくとも彼は、気持ちの悪い薄ら笑いを浮かべ、聞こえだけは良い言葉を列のように並べ、あわよくば、甘い汁をすすろうとするような、下卑た輩では無い。

「──どうしました? もしかして、彼に惚れたりでもしましたか?」

 ロキはニヤリと笑い……本気で言っているのか、冗談なのか、分かりづらい表情で聞いてくる。

「……何を言い出すかと思えば……私が誰かに惚れたとしても、だけです。仮にもし結ばれたとしても、その相手に迷惑がかかるだけですからね」
「エルフの国も、本当に困ったものですね……」

「ロキ。私は、こう見えて、貴方には本当に感謝しています。このギルドに来てから、素敵な友人達もできましたから──っと、そろそろ、お腹も空いてきましたので、私は失礼いたしますね」

 最後には、取って付けたような理由で、部屋を去るフォルタニアをロキは無言で見送る。

(……さて。お茶を頼みたかったのですが、頼みそびれてしまいましたね。仕方ありません、今日は自分で煎れますか)

 フォルタニアが去り、ギルドマスター室で1人になったロキは『ふぅ』と息を吐きながら立ち上がり、よそよそと、今日は自分でお茶を煎れるのだった──。



「──お待たせしました! と~っても美味しそうですよ!」

 ジュ~ッ! と音をさせ、熱々の鉄板に乗った〝大猪おおしし肉のステーキ〟を、アトラと亜人のウェイトレスが、元気良く運んでくる。

「あ、こちらはミリアさんの2キロです!」

 と、ミリアの前には2キロの肉が運ばれてくる。

(あ……ミリアの『いつもの』って言ってた時の〝Vサイン〟のの意味は『2つください』って意味じゃなくて『2キロください』って意味だったのか?)

「あ……う……ご、ごめんなさい……! 私、まだ全然役にも立たなくて……ちんちくりんなのに、昔からお腹だけは人一倍に空いちゃって……いつも私が一番……ごはん……いっぱい食べちゃうんです……ふみゅ……」

 顔を赤くし、下を向きながら、ミリアが謝る。

「そ、そんなこと気にしなくていいわよ!」
「そうだよ!? 私はいつもご飯を、美味そうにいっぱい食べてるミリアが大好きだよ!」
「そうだそ! いつもそんな事を考えていたのか? ミリア、私達に遠慮なんてしなくていいんだぞ!?」

 そんなミリアの声を聞き……エメレア、クレハ、システィアは、慌てながら、驚いたようにミリアの発言を全力で否定する。

「ハハハ。いいんじゃないか? 俺は食べれる時に、食べれるだけ食えばいいと思うぞ?」

 何を言い出すかと思えば……

 ミリアも色々と気にしすぎだな。

 ──俺はそんなミリアの姿を見て、小さい頃に家に来たばかりの理沙を思い出して、少し笑ってしまう。

「少なくとも俺は、少しの飯すら理由も無く残しちまうような奴よりも、残さず元気に、いっぱい食事を美味しく食べる奴のが俺は好きだぞ? ──ほら、飯が冷めちまう。早く食うぞ?」

 俺は、折角の熱い肉や、米が冷めてしまう前に早く食べるぞ? と、軽くミリアを急かす。

「は、はぁ、はぁい! いただきます!」

 お……『いただきます』は噛まずに言えたな?

「み、ミリアにまで……このキザッたらしは……まあ、でも、たまには良いこと言うじゃない! あ、やっぱダメ、今の無し。このキザ男の女たらし! それにミリアは私のミリアよ!」

「あ、ほら。エメレアちゃんも! 早く熱い内に食べよ、お肉! お肉だよ!」

 何やら、いつもの如く俺に対しぶつぶつと言うエメレアに、クレハが何やらテンション高めで話す。

「そうね。熱い内に食べましょ!」
「お前ホントにクレハの言うことは聞くな?」

「何よ? 私はちゃんと、システィアさんや、ミリアや、お婆ちゃんの言うことも聞くわよ!」

「そうかよ。いただきます──」

 ただ単に俺の言う事は聞かないだけだったな。

 それはそうと、本当に飯が冷めてしまうので、俺は『いただきます』を言い、そそくさと食べ始める。

「あ、ズルい! 私も、いただきます!」
「では、私も、いただきます」

 と、クレハ、システィアも肉を食べ始める。

「いただきます……もう少しぐらい構いなさいよ」

 何故かムクれるエメレア。

「そういや。もしかしてエメレアは、肉はあんまり好きじゃなかったりするのか?」
「何よそれ? クレハ達が好きな食べ物は、私も大好きよ!」
 
 そう言いながら、あむっとエメレアは肉を食べ始める。

「その理由はどうなんだよ……?」
「──ッ! 何これ! 凄く美味しいじゃない!」

 食べるや否や『ん~!』と、幸せそうなエメレア。

 ……ったく。いつも、その半分でいいから、そんな感じの顔でいてくれればいいのにな。

「本当に美味しいよね!」

 そんなエメレアを見て、クレハも嬉しそうだ。
 後、よく見ると、いつの間にかクレハは、上手に肉を全部、ナイフで一口サイズにカットしていた。

「そういや、クレハは肉が好物なのか? 昨日もやけにテンションが高かったが?」

「──ッ!? えっと、うん、大好物だよ! それにお米もお肉に凄く合って美味しいね!」
「そりゃ良かった。通りで美味そうに食うわけだな」

「クレハは顔に出やすいからな」
  
 と、軽く笑うシスティアの皿を見ると、もう半分ぐらい肉を食べ終えている──食うの早いな?

「か、顔に出やすいですか……? 私って……?」

(自覚無しか……)

 『嘘……色々と気を付けよう……』

 と、クレハは何やら反省している。

「クレハは素直だからな。それに、普段生活する時は、そのまんまでいいと私は思うぞ?」
「……け、検討します」

 少し悩むクレハだが、再び肉を食べ始めると『ん~』と可愛らしく頬が緩んでいる。

 そして、ふと、俺は視線を変えると、そこには……

(──ッ!? うお、眩しッ!)

 目をキラキラと輝かせて、お行儀よく、尚且つ上手に可愛らしく、両手でナイフとフォークを使い、夢中でリスみたいに頬を膨らませながら……

 もぐもぐ もぐもぐ もぐもぐ もぐもぐ

 と、肉と米を幸せそうに頬張るミリアがいた。

「えーと、どうだ、ミリア? 美味いか?」

 見れば分かるが、俺は一応聞いてみると……

 コクコク、コクコク、とミリアはたくさん頷きながら、一心不乱に、幸せそうに食事を続ける。

 もしミリアに、亜人のような尻尾があれば、ぶんぶんと、それはそれはご機嫌に尻尾を振っていたのではないだろうか?

「み、ミリアが今まで見たこと無い笑顔だわ! 待って、待って、可ッ愛い! ちょっと……じゃなくて、気が済むまで抱き締めてもいい!?」

 初めて見るらしいミリアの表情に、興奮を隠せないエメレアは『どうしよ、どうしよ』と食事中のミリアに抱きつくか否か、本気で悩んでいる。

(本当に美味い物を食べると、人は無口になるって言うけど……あれって、本当なんだな……)

「凄く美味しいです……!」

 お、今度は噛まずに言えたな?

「皆さん! お冷やのおかわりはいかがですか!」

 パタパタと、お冷やを持って来たアトラは、空になっていたり、残り少なくなっていたお冷やを、補充していく。

「──って、おわぁ! ミリアさん、凄く幸せそうな顔してますね! かわいいです! え? ちょっと、気が済むまで抱き締めていいですか?」

 ミリアのお冷やを補充したアトラは、今まだに頬をリスみたいに膨らませ、幸せいっぱい! といったミリアを見て、エメレアと同じく『気が済むまで抱き締めていいですか?』と言い始める。

 それはそうと〝気が済むまで抱き締めてもいい?〟と内容は二人とも同じ感じだが、エメレアとアトラでは、何故こんなに、ミリアへの危険度が、天と地ほど違うように見えるのだろうか?

 ちなみに先程のエメレアは「あ、こら。食事中だぞ」と言うナイスなシスティアのお叱りで、ガックリと肩を落としながら、凄くしぶしぶと、ミリア抱き締めるのを諦めたようだ。

 アトラに関しては、冗談と受け取ってるのかシスティアは特に何も言わなかった。アトラ自身も仕事中なので『気が済むまで抱き締めていいですか!?』とは言ってはいても、別に行動に移そうとはしていない。

「そういやアトラ? 今日は、お前の夕飯に〝大猪おおししの肉〟は並びそうなのか?」
「うぅ……そ、それが……かなり微妙なんですよ!」

 涙目のアトラが指差す店内を見ると……
 ──いつの間にか、店は満席になっていた。

「〝大猪おおししの肉〟をくれ! 大至急だ!!」
「あ、店員さん! 私にも貰えるかしら!」
「こっちにも大猪おおししをくれ! 昨日は食べ損なった!」
「おかわりー!!」

 と、大盛況のようだ……見ると身なりの綺麗な、如何いかにもお金持ちといった人間もちらほらといる。

店主おじさんは肉料理に関しては有名人ですからね。お金持ちのお客さんも多いんですよ、お店が盛況なのは私も嬉しいですが……でも、今回ばかりは、本当に私の晩ごはんに関わる大問題なので、凄く複雑です……」

 確かに肉の焼き加減も絶妙だったしな。料理中に靴を無くす店主らしいが、腕は確かなようだ。

 いや、ひょっとしたら。料理中に靴を無くすってのに、何か肉を美味しく焼く秘訣が──!?

 ……あるわけ無いか。
 
 そんなバカな事を考えながら、俺はアトラに、

「あー、何だ、アトラ? 一口いるか?」
 と、肉を刺したフォークを突き出してみると……
「い、いいんですか! 食べます! 絶対に食べます! いえ、食べさせてください!」

 目をキラキラと輝かせて、即答するアトラは『あーん』と髪をかきあげて、女の子らしく上品に口を開けてくる。

「あ、待って、それユキマサ君のフォーク……」

 ──ヒュン! パッ! パクッ!

 と、隣に座っていたクレハが〝空間移動〟し、アトラにあげる予定のだった〝大猪おおしし〟のステーキを食べる。

「ふみゃあッ! クレハさん! ひ……ひどいですよ……私のステーキに何て事を……!」

 まさかのクレハの行動に、ガックリ肩を落とし、涙目のアトラ。その目からは、今にも涙がこぼれてしまいそうだ。

「す、すいません! 変わりに私のステーキを一口あげるので!(こ、これって……ユキマサ君と……か……間接キスだよねッ……///)」

「……ほ、ほんとですか!?」

 わりと本気で泣いていたアトラは『ひっく、ひっく』と手で涙を拭っている。

「……はい。本当にごめんなさい。どうぞ」

 今度は、クレハが、自身のフォークで、ステーキをアトラに食べさせようとする。

 あーん

 シュッ!

 ぱくり

 もぐもぐ

「いや、何でエメレアが食ってんだよ?」

 いつの間にか、颯爽さっそうと現れたエメレアが、アトラが食べようとしていたステーキを食べてしまう。

「クレハと間接キ……じゃなくて……ついよ……つい」
 
 もぐもぐと、ステーキを幸せそうに食べるエメレアは、満足気な様子だ。

「み、皆さん……私のことからかってますよね!? 酷いです……酷いですよ……! 私そろそろ本気でグレますよ……?」

 しくしくと、泣きながら怒るアトラ。

「ご、ごめんなさい。大丈夫よ! まだ私のお肉が残ってるから! それ食べていいですから……ね?」

 流石のエメレアも、これには本当に申し訳なさそうな感じだ……

「……わ、分かりました……信じます……」
 
 エメレアは自身の座っていた席にアトラを座らせ『一口と言わず三口ぐらいどうぞ?』と言っている。

「あ、ありがとうございます! いただきます!!」

 手を合わせたアトラは〝いざ、実食!〟と言った感じで、肉を食べようとナイフとフォークを握る。

「ア ト ラ ? この忙しいのに、何をサボってるのかしら?」

 するりと、音もなく現れ〝凄まじい殺気〟を放ちながらアトラの頭に、そっと手を乗せる女将さん。

「──ひぃッ!!!!!!!!」

 この世の終わりを迎えたのでは無いか?
 と、そう思う程に、アトラは絶望的な表情をする。

「を、を、を、おびゃびしゃん! 何故ここに!」

 ぷるぷるぷるぷるぷる! ──と、まるで、生まれたての小鹿のように震えるアトラが、発した言葉は、ミリアを越えるくらいのすさまじい噛みっぷりだ。

 可哀想に……よほど、怖かったのだろう。

「そ れ はこちらの台詞よね?」

「そ、そうでしたぁぁぁぁぁ!!」
「早く仕事に戻りなさい!」

 ピシャリと言い放つ女将さん。

「待ってください! せめて、せめて、一口だけ、一口だけ食べさせてください! じゃないと私グレますよ! それはもう〝魔王か!〟ってぐらいにグレちゃいますよ!」

 女将さんに首の襟を捕まれて、ホールへと引きずられるアトラが、必死の抵抗をする。

「ほう……? それじゃ私は身内からグレる子が出る前に、しっかりと教育してあげなくちゃいけないわね? ──それも、家族としての私の義務よ?」

 ギロリと睨まれたアトラは、再び『ひぃぃぃ!』と怯えながら、女将さんに、ズルズルと引きずられて行く最中──『や、やめます! 私、グレるのやめますから! 女将おばさん、許してください~~!』とアトラの断末魔が聞こえる。

 この世界の魔王がどうなのかは知らないが……
 別に、魔王はグレてるわけじゃ無いと思うぞ?
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