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第3話 異世界生活
しおりを挟む「ここが異世界か?」
孤児院の自室のベッドから〝天界〟に呼び出された時と同じくアルテナに光の渦こと──〝空間転移の魔法〟で、今度は〝異世界〟へと送って貰い、無事に俺は〝異世界〟に着いたのだが〝空間転移の魔法〟から出て辺りを見渡すと……そこは山のド真ん中であった。
──まさかの山スタートである。
でも、その山をよく見渡してみると……
改めて〝異世界なんだな〟と染々と思う。
辺りにある川も川と言っても、穏やかな流れの川では無く流れも早く水深も深い大きな大河だ。辺りに生えてる木も元いた世界には無い種類だろう。
空を見上げれば恐竜みたいな鳥が飛んでるよ。
もう、山スタートは仕方ないとして……
(──凄いな、これが魔力ってやつか?)
俺はそれこそ〝目には見えない力〟みたいなのが、身体の芯から溢れてくるが感覚ある。
アルテナが言うには〝魔力〟や〝魔法〟のある〝異世界〟だと──どれぐらいかはハッキリとは分からないが〝元いた世界〟より身体能力も上がるし〝魔力〟がある分『〝元いた世界〟よりも身体の体感も違うと思いますよ』と聞いてたが……こんなにも違うとはな。
次に俺は手に〝魔力〟を集中する感じで〝魔力〟を使い試してみる。取り敢えず、近くの高さ40mぐらいある木に軽く〝魔力〟を込めた右手を〝手刀〟のようにして、斜めに軽く振りかざすと──
──シュッ!
ズルリッ! ガサガザガザ!!
と、これが面白いように切れ、
木は、ザザッ……と音を立てゆっくりと倒れていく。
次に俺はアルテナに『レベルやスキルを見たい時は、魔力を込めて意識を集中して指をスライドして見てください♪』と言われていたので。
言われた通りに〝魔力〟を使い意識を集中しながら指を「こんな感じか?」と指を縦にスライドしてみると──パッ! っと目の前にゲームみたいな〝ステータス画面〟が現れる。
(これか? 本当にゲームみたいだな。てか、俺にはこれはゲームの〝ステータス画面〟にしか見えない。まあ、俺的にはこの方が分かりやすくていいけどさ)
出てきた〝ステータス画面〟を見てみると……
―ステータス―
【名前】 稗月倖真
【種族】 人間
【年齢】 16
【性別】 男
【レベル】100↑
【スキル】
〝状態異常耐性(極)〟〝アイテムストレージ(大) 〝天眼〟〝料理師〟
【ユニークスキル】
〝異能〟〝不明〟
レベルは100↑でカンストしていた。
アルテナの説明によるとステータスのレベル表示は100までしか数字的には、表示されないとの事なので事実上はレベル100以上と言うことか?
てことは、異世界に来て最初から俺は自分の具体的なレベルも分からないってわけか……
スキルの方を見るとスキルも色々ある。
──てか、料理スキルまであるじゃねぇか!
思わぬスキルに思わず突っ込んでしまう。
(つーか、何だ〝料理師〟って? 調理師なら聞いた事あるけど。それともまた違うのか?)
俺の両親は行列ができるぐらいの人気のお菓子屋で理沙と一緒に色々と手伝ったりとかもしてたが……
でも、それとこれは恐らく関係ないだろう。
次に俺はおかしなスキルを発見する。
【ユニークスキル】
──〝不明〟──
《 特定の条件下に置いて使用可能です。
使用条件を満たし使用してください。 》
ユニークスキル〝不明〟?
それに使用条件? ……なんだこりゃ?
これはアルテナに聞いとけばよかったな。
(仕方ない。これは少しずつ情報を集めていくか)
他のスキルもざっくりと確認すると。話に聞いていたスキルの〝アイテムストレージ(大)〟もある。
〝アイテムストレージ(大)〟?
(大)と言うことは(中)や(小)もあるということか? 分類的には〝空間系スキル〟みたいだから収量量の差だろうか?
んで……編集?
俺は〝ステータス画面〟に編集の項目があるのを見つけ、それを興味本意に押してみると……
―ステータス―
【名前】 稗月倖真 [編集]
【種族】 人間
【年齢】 16
【性別】 男
【レベル】100↑[表示or非表示]
【スキル】 [表示or非表示]
〝状態異常耐性(極)〟〝天眼〟
〝アイテムストレージ(大)〟〝料理師〟
【ユニークスキル】[表示or非表示]
〝異能〟〝不明〟
の画面が表示され──
名前の欄には編集の項目があり、他の所にはいくつか〝表示と非表示〟を選択できるらしい項目がある。
(編集? まさかゲームみたいにHNでも付けられるのか?)
俺は名前の編集を選択して試しに──〝花蓮理沙〟と元の世界の子児院で一緒だった幼馴染みである理沙の名前を入力してみるが……
《入力エラー 正しい名前を入力してください!》
──エラー画面が出る。
どうやら嘘やHNの類いは入力できないらしい。
次に稗月倖真の名前の部分の倖真のみで
──〝ユキマサ〟にして更新してみると……
《ステータスが更新されました──!》
どうやら嘘でなければ名前のみでも良いみたいだ。
次に俺は出きる限り〝表示〟を〝非表示〟にする。
-ステータス-
【名前】 ユキマサ
【種族】 人間
【レベル】100↑[非表示]
【年齢】 16
【性別】 男
【スキル】[非表示]
〝状態異常耐性(極)〟〝アイテムストレージ(大)〟〝天眼〟〝料理師〟
【ユニークスキル】[非表示]
〝不明〟〝異能〟
これは異世界に来てばかりで、誰が敵か味方もわからない状況であまり情報をさらすのは出きる限り避けたいと考えての行動だ。
この編集により相手に見られるのは……
―ステータス―
【名前】 ユキマサ
【種族】 人間
【性別】 男
【年齢】 16
──の4項目だけになる。
(まあ、大分少なくなったが……別にいいだろう)
次に俺は〝アイテムストレージ〟を使ってみる。
そして〝天界〟でアルテナに貰った〝金貨10枚〟と〝銀貨20枚〟と〝銅貨30枚〟と、壊してもあれなので最後に貰った〝アルテナのお守り〟を収納する。
(……後、これは言われなかったが着替えか?)
転移した場所には他に袋が送られており。
──その中には着替えと手紙が入っていた。
手紙には
[ ―倖真へ―
お話した支度品と支度金と、そして勝手ながら着替えとこちらの手紙を送らせてもらいました。
いつかまた会える日を心待ちにしながら、異世界での活躍と息災をお祈り申しあげております。
―女神アルテナより― ]
と、書いてあった。
着替えには、全身をカッパみたいに多い隠せるような黒っぽい〝フード付きのマント〟みたいな物と、これまた黒い、着流しの〝和服〟が入っていた。
それと和服に合いそうな足袋とわらじだ。
まさか異世界に来て和服を貰うとは思わなかったが、黒い服も和服も好きなので、このプレゼントは嬉しく思う。フード付きマントも使い道はありそうだ。
異世界で和服なのはどうかは知らないが……日本の服を異世界で着ていても、どうせ浮くだろうしな。
〝どうせ浮くなら好きな服を着てた方が良い〟
と、考えた俺はアルテナに貰った黒い和服に着替え、足袋とわらじを履く。足袋以外真っ黒だな俺。
てか、寝た時のままの服だったな俺……
しかも和風の寝巻き──どのみち和服だったな?
つーか、アルテナの支度品が無ければ、俺は寝巻き……しかも寝たままの裸足で異世界に放り出されてたのか? このアルテナの支度品には改めて感謝だな。
着替えた和服はサイズも丁度良いし、私的にも好みなデザインだった。俺はアルテナに更に感謝をする。
そしてアルテナの手紙と、今までの服とフード付きマントも〝アイテムストレージ〟に収納しておく。
(……本当に便利だな。これ)
「準備も終わったし。まずは人のいる町を探すか」
と、まず俺は異世界の人間と町を探す事にする。
異世界初日から野宿ってのもあれだしな──
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