62 / 78
第七章 いざ、最終決戦
ラスボスは山田
しおりを挟む
「やっぱりひとりじゃ上手くいかないわね……」
目の前には散乱したティッシュのボール。
魔法の自主練って言っても、初歩の参考書程度じゃどうにもならなくて。
これで才能が開花するくらいなら、とっくに芽が出ていただろうし。ここは魔法学の先生に相談するのが得策かしら?
ってなわけで、迎えた補習の日。
わたくし効率よく魔法を使えるようになりたいんです。そう相談したら、前のめりで協力してもらえることに。
補習は基礎をみっちりと、翌日の放課後からは出された課題をこなす毎日を送ってる。
おかげで魔力切れを起こさないコツがちょっとずつ分かってきたって感じ。魔法学の先生、厳しいけど教え方が上手いんだ。今まで毛嫌いしててごめんなさい。
「ではハナコ君、昨日出した課題の成果を見せてもらおうか」
「はい、先生」
机にはティッシュのボールがみっつ並んでる。
そこに神経を集中して、一気に魔力を解き放った。
「すばらしい!」
いち、に、さん、と、ボールは一直線にゴミ箱に飛び込んでいった。
しかも手をかざすことなく、頭でイメージするだけでできちゃったよ!
「先生、わたくし……」
「ああ、ハナコ君、良く努力したね。たった数日でこの進歩だ。君の才能はまだまだ伸びるに違いない」
よっしゃーっ、先生のお墨付きいただきました!
「わたくしそろそろティッシュ以外のものにも挑戦してみたいですわ」
「いや、焦らない方がいい。簡単な魔法で基礎を押さえておけば、のちのち応用が利くようになるからね」
「なるほどですわ、急がば回れですわね」
「では次の課題だ。精度はまずまずになってきたので今度は速度を増す訓練に移行しよう」
「はい、先生。ご指導のほどよろしくお願いいたしますわ」
ちょっとスポコンなノリになってきたけど、スパルタ授業も成果が出ればだんだん楽しくなってきちゃって。
今度は何ができるようになるんだろうって、寝る間も惜しんで課題をこなしてる。
「であるからして、この魔法の様式は……」
実践の前に魔法の理論の講義を受けていたんだけど。
あ、なんかくしゃみが出そう。
とっさにハンカチで口元を押さえたものの、淑女としてちょっと恥ずかしい感じのくしゃみが出ちゃったし。
「し、失礼いたしましたわっ……きゃあっ」
な、なんで?
ちゃんと座ってたハズのに、いきなり椅子から転げ落ちたんですけど。真横に倒れて、思いっきり肘を打ち付けちゃったじゃない。
「いたたですわ」
手を差し伸べてきた先生、なんだか信じられないモノをみる目つきでわたしを見てる。
そりゃいきなり椅子から落ちたら驚くだろうけどさ。大丈夫とかちょっとくらい怪我の確認してくれたって。
「ハナコ君……きみ、いま転移魔法を使ったね?」
「……はい?」
先生、いま転移魔法っておっしゃった?
え、だってこのわたしが、んなバカな。
「どんな感覚だったか言ってみるんだ。こういったものは時間とともに薄れていってしまうからね」
「えぇと……くしゃみをしたらいきなり体が椅子からずれて……」
そうよ、体がちょうど半分くらいはみ出して、それでバランス崩して真横に倒れちゃったんだよ。
ってか、おしり半分ぶんの転移魔法ってなにっ!?
「距離は短くとも転移魔法は転移魔法だ。訓練を続ければ移動距離も延ばせるかもしれない」
なんたること!
ハナコってば何気に大器晩成なんじゃ!?
「とはいえ焦りは禁物だ。いずれそこを目指すにしても、魔力切れをおこさないよう今は一歩一歩基礎を固めよう」
「はい、先生……!」
なんて驚愕の出来事があった週末。
リュシアン様にお呼ばれして、学園の理事長室にある転移サークル経由でお城にやってきた。
正面玄関から訪問すると、警備の関係上、奥に通されるまで半日がかりになっちゃうからね。茶飲み友達のよしみで、特別待遇してもらってる。
「リュシアン様、本日はお招きありがとうございます」
「うむ、待っておったぞ、ハナコ嬢」
とは言え、周りには近衛兵とかも控えてるから、普段みたいに気さくにはおしゃべりしたらマズイよね。
いくら仲良くしてもらってるからって、お城ではきちんと王族と公爵令嬢として接しないと。
「休日に呼び出してすまんの。最近はあまり保健室に来てくれなんだから、わしもさびしくてな」
「申し訳ございません。わたくし少々卒業があやうくて、無理を言って補習を受けさせて頂いているんですの」
「それならいっそ留年して、もう一年学生生活をたのしんだらよかろうに」
「もう、リュシアン様ったら。そんなわけには参りませんわ」
「かっかっか、いい考えだと思ったんだがのぅ。その方がわしもハナコ嬢と気軽に茶を飲めるというものじゃ」
気負ってたわたしとは正反対に、リュシアン様はいつもと変わらない笑顔を向けてくれて。おかげでちょっと緊張が解れてきたって感じ。
あ、そうだ。ちょうどいいから留学のこと、リュシアン様に相談してみようかな?
「リュシアン様、実はわたくしロレンツォ様に……」
卒業したらイタリーノ留学に誘われてることを話したら、リュシアン様、ちょっと考え込んで。
「ふむ、前例がないわけではないが、行ったのはみな男ばかりゆえな。しかしハナコ嬢が望むなら、わしが後ろ盾をしてやれぬこともない」
「本当ですの? わたくしうれしいですわ!」
リュシアン様の協力があれば、安心して行って来れそう。
「その前に冬休みに一度、イタリーノ国に遊びに来ないかと誘われておりまして」
「ならばわしもハナコ嬢について行くとするかな。国王時代に何度か訪問したことはあるが、公務ばかりで楽しむどころではなかったからのぅ」
「まぁ、ぜひ! わたくしもリュシアン様とご一緒したいですわ」
リュシアン様がいれば、ロレンツォもわたしに変なことはできないだろうし。
そのことだけネックに思ってたんだよね。来てくれるとホント助かるよ!
「ダメだ、ハナコ!」
「しゅ、シュン様!?」
ふぉっ、びっくりしたっ。急に背後にあらわれないでっ。
っていうか、なにがダメだってのよ?
「冬にイタリーノに行くなど許可できない。まして留学などもっての外だ」
「まぁ、なぜシュン様がそのようなことをおっしゃいますの?」
「ヤーマダ国の王子として言っている。いくらハナコでもそのようなことは認められない」
そんなこと言って、ハナコだからこそ許せないんじゃないの?
リュシアン様だって了承してくれてることなのに。
「権力でわたくしの行動を妨げるとおっしゃいますの?」
「国の情勢を見て当然の措置だ」
「ではシュン様はあの日にわたくしとした約束を反故になさると言うのですね?」
「そう思われても仕方がないが……それでも今回ばかりは、わたしは絶対に折れる気はない」
「分かりました。それではわたくし、今日をもってシュン様にお別れを申し上げますわ」
レッドカードで、ゲームオーバー。
無理強いしてくるなら、卒業を待たずに見限らせてもらうから。
キッと睨みつけても、山田ってば動揺ひとつ見せなくて。
なんか拍子抜け。ゆいなに好感度カンストしてるって言われたけど、案外そうでもなかったんじゃ?
「とにかくわたくしはイタリーノに行かせていただきます」
「ダメだと言った」
「リュシアン様には許可をいただきました。王子のお立場だからと言って、シュン様にわたくしを止める権利はないはずですわ」
つんと顔を逸らして背を向けると、山田は手首を取ってきた。
無理やり正面を向かされる。
勝手に触ってんじゃないわよ。もうお終いだって言ったでしょう?
「命令だ。絶対に出国はさせない」
「横暴ですわ。リュシアン様も何かおっしゃってくださいませ」
「うぅむ。確かにイタリーノ国とは現在微妙な関係にあるからのぅ」
「ですがここ百年、国家間は良好だと」
「少々問題が生じておってな。ゆえにわしも同行しようと思ったのじゃが……」
え、そうなの?
そんな話、健太からは聞いてないんだけど。
「とは言えハナコ嬢を止める理由としては、ちと足らぬのも事実じゃな」
「おじい様……!」
「まぁ聞け、シュン王子よ。お前の言いたいこともよく分かる。ゆえにここはひとつ、ふたりで勝負をしてはどうじゃろうか」
「勝負を?」
「ああ、シュンとハナコ嬢でガチンコ対決じゃ」
わたしが負けたら留学は無しってこと?
何でもこなせる山田相手だと、何気にわたしが不利じゃない?
「勝負内容はハナコ嬢が決めるといい。それで良いな、シュン」
「はい、わたしに異論はありません」
ちょっとリュシアン様、それもう決定事項なの?
いいわよ、この勝負受けて立ってやる。
何が何でも勝利をもぎ取って、イタリーノでイケメンゲットするんだから……!
「分かりました。では勝負方法は魔法対決でお願いいたしますわ」
「魔法で……? 本当にそれで良いのかの?」
「ええ、もちろん。少々ハンデはつけさせていただきますけれど」
余裕の笑顔を向けると、戸惑いながらもリュシアン様は了承してくれた。
決戦は冬休み直前の金曜日。
ラスボスとして相手に不足なし。
目にもの見せてあげるから、山田、首を洗って待ってなさいよ!
目の前には散乱したティッシュのボール。
魔法の自主練って言っても、初歩の参考書程度じゃどうにもならなくて。
これで才能が開花するくらいなら、とっくに芽が出ていただろうし。ここは魔法学の先生に相談するのが得策かしら?
ってなわけで、迎えた補習の日。
わたくし効率よく魔法を使えるようになりたいんです。そう相談したら、前のめりで協力してもらえることに。
補習は基礎をみっちりと、翌日の放課後からは出された課題をこなす毎日を送ってる。
おかげで魔力切れを起こさないコツがちょっとずつ分かってきたって感じ。魔法学の先生、厳しいけど教え方が上手いんだ。今まで毛嫌いしててごめんなさい。
「ではハナコ君、昨日出した課題の成果を見せてもらおうか」
「はい、先生」
机にはティッシュのボールがみっつ並んでる。
そこに神経を集中して、一気に魔力を解き放った。
「すばらしい!」
いち、に、さん、と、ボールは一直線にゴミ箱に飛び込んでいった。
しかも手をかざすことなく、頭でイメージするだけでできちゃったよ!
「先生、わたくし……」
「ああ、ハナコ君、良く努力したね。たった数日でこの進歩だ。君の才能はまだまだ伸びるに違いない」
よっしゃーっ、先生のお墨付きいただきました!
「わたくしそろそろティッシュ以外のものにも挑戦してみたいですわ」
「いや、焦らない方がいい。簡単な魔法で基礎を押さえておけば、のちのち応用が利くようになるからね」
「なるほどですわ、急がば回れですわね」
「では次の課題だ。精度はまずまずになってきたので今度は速度を増す訓練に移行しよう」
「はい、先生。ご指導のほどよろしくお願いいたしますわ」
ちょっとスポコンなノリになってきたけど、スパルタ授業も成果が出ればだんだん楽しくなってきちゃって。
今度は何ができるようになるんだろうって、寝る間も惜しんで課題をこなしてる。
「であるからして、この魔法の様式は……」
実践の前に魔法の理論の講義を受けていたんだけど。
あ、なんかくしゃみが出そう。
とっさにハンカチで口元を押さえたものの、淑女としてちょっと恥ずかしい感じのくしゃみが出ちゃったし。
「し、失礼いたしましたわっ……きゃあっ」
な、なんで?
ちゃんと座ってたハズのに、いきなり椅子から転げ落ちたんですけど。真横に倒れて、思いっきり肘を打ち付けちゃったじゃない。
「いたたですわ」
手を差し伸べてきた先生、なんだか信じられないモノをみる目つきでわたしを見てる。
そりゃいきなり椅子から落ちたら驚くだろうけどさ。大丈夫とかちょっとくらい怪我の確認してくれたって。
「ハナコ君……きみ、いま転移魔法を使ったね?」
「……はい?」
先生、いま転移魔法っておっしゃった?
え、だってこのわたしが、んなバカな。
「どんな感覚だったか言ってみるんだ。こういったものは時間とともに薄れていってしまうからね」
「えぇと……くしゃみをしたらいきなり体が椅子からずれて……」
そうよ、体がちょうど半分くらいはみ出して、それでバランス崩して真横に倒れちゃったんだよ。
ってか、おしり半分ぶんの転移魔法ってなにっ!?
「距離は短くとも転移魔法は転移魔法だ。訓練を続ければ移動距離も延ばせるかもしれない」
なんたること!
ハナコってば何気に大器晩成なんじゃ!?
「とはいえ焦りは禁物だ。いずれそこを目指すにしても、魔力切れをおこさないよう今は一歩一歩基礎を固めよう」
「はい、先生……!」
なんて驚愕の出来事があった週末。
リュシアン様にお呼ばれして、学園の理事長室にある転移サークル経由でお城にやってきた。
正面玄関から訪問すると、警備の関係上、奥に通されるまで半日がかりになっちゃうからね。茶飲み友達のよしみで、特別待遇してもらってる。
「リュシアン様、本日はお招きありがとうございます」
「うむ、待っておったぞ、ハナコ嬢」
とは言え、周りには近衛兵とかも控えてるから、普段みたいに気さくにはおしゃべりしたらマズイよね。
いくら仲良くしてもらってるからって、お城ではきちんと王族と公爵令嬢として接しないと。
「休日に呼び出してすまんの。最近はあまり保健室に来てくれなんだから、わしもさびしくてな」
「申し訳ございません。わたくし少々卒業があやうくて、無理を言って補習を受けさせて頂いているんですの」
「それならいっそ留年して、もう一年学生生活をたのしんだらよかろうに」
「もう、リュシアン様ったら。そんなわけには参りませんわ」
「かっかっか、いい考えだと思ったんだがのぅ。その方がわしもハナコ嬢と気軽に茶を飲めるというものじゃ」
気負ってたわたしとは正反対に、リュシアン様はいつもと変わらない笑顔を向けてくれて。おかげでちょっと緊張が解れてきたって感じ。
あ、そうだ。ちょうどいいから留学のこと、リュシアン様に相談してみようかな?
「リュシアン様、実はわたくしロレンツォ様に……」
卒業したらイタリーノ留学に誘われてることを話したら、リュシアン様、ちょっと考え込んで。
「ふむ、前例がないわけではないが、行ったのはみな男ばかりゆえな。しかしハナコ嬢が望むなら、わしが後ろ盾をしてやれぬこともない」
「本当ですの? わたくしうれしいですわ!」
リュシアン様の協力があれば、安心して行って来れそう。
「その前に冬休みに一度、イタリーノ国に遊びに来ないかと誘われておりまして」
「ならばわしもハナコ嬢について行くとするかな。国王時代に何度か訪問したことはあるが、公務ばかりで楽しむどころではなかったからのぅ」
「まぁ、ぜひ! わたくしもリュシアン様とご一緒したいですわ」
リュシアン様がいれば、ロレンツォもわたしに変なことはできないだろうし。
そのことだけネックに思ってたんだよね。来てくれるとホント助かるよ!
「ダメだ、ハナコ!」
「しゅ、シュン様!?」
ふぉっ、びっくりしたっ。急に背後にあらわれないでっ。
っていうか、なにがダメだってのよ?
「冬にイタリーノに行くなど許可できない。まして留学などもっての外だ」
「まぁ、なぜシュン様がそのようなことをおっしゃいますの?」
「ヤーマダ国の王子として言っている。いくらハナコでもそのようなことは認められない」
そんなこと言って、ハナコだからこそ許せないんじゃないの?
リュシアン様だって了承してくれてることなのに。
「権力でわたくしの行動を妨げるとおっしゃいますの?」
「国の情勢を見て当然の措置だ」
「ではシュン様はあの日にわたくしとした約束を反故になさると言うのですね?」
「そう思われても仕方がないが……それでも今回ばかりは、わたしは絶対に折れる気はない」
「分かりました。それではわたくし、今日をもってシュン様にお別れを申し上げますわ」
レッドカードで、ゲームオーバー。
無理強いしてくるなら、卒業を待たずに見限らせてもらうから。
キッと睨みつけても、山田ってば動揺ひとつ見せなくて。
なんか拍子抜け。ゆいなに好感度カンストしてるって言われたけど、案外そうでもなかったんじゃ?
「とにかくわたくしはイタリーノに行かせていただきます」
「ダメだと言った」
「リュシアン様には許可をいただきました。王子のお立場だからと言って、シュン様にわたくしを止める権利はないはずですわ」
つんと顔を逸らして背を向けると、山田は手首を取ってきた。
無理やり正面を向かされる。
勝手に触ってんじゃないわよ。もうお終いだって言ったでしょう?
「命令だ。絶対に出国はさせない」
「横暴ですわ。リュシアン様も何かおっしゃってくださいませ」
「うぅむ。確かにイタリーノ国とは現在微妙な関係にあるからのぅ」
「ですがここ百年、国家間は良好だと」
「少々問題が生じておってな。ゆえにわしも同行しようと思ったのじゃが……」
え、そうなの?
そんな話、健太からは聞いてないんだけど。
「とは言えハナコ嬢を止める理由としては、ちと足らぬのも事実じゃな」
「おじい様……!」
「まぁ聞け、シュン王子よ。お前の言いたいこともよく分かる。ゆえにここはひとつ、ふたりで勝負をしてはどうじゃろうか」
「勝負を?」
「ああ、シュンとハナコ嬢でガチンコ対決じゃ」
わたしが負けたら留学は無しってこと?
何でもこなせる山田相手だと、何気にわたしが不利じゃない?
「勝負内容はハナコ嬢が決めるといい。それで良いな、シュン」
「はい、わたしに異論はありません」
ちょっとリュシアン様、それもう決定事項なの?
いいわよ、この勝負受けて立ってやる。
何が何でも勝利をもぎ取って、イタリーノでイケメンゲットするんだから……!
「分かりました。では勝負方法は魔法対決でお願いいたしますわ」
「魔法で……? 本当にそれで良いのかの?」
「ええ、もちろん。少々ハンデはつけさせていただきますけれど」
余裕の笑顔を向けると、戸惑いながらもリュシアン様は了承してくれた。
決戦は冬休み直前の金曜日。
ラスボスとして相手に不足なし。
目にもの見せてあげるから、山田、首を洗って待ってなさいよ!
0
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
神の愛し子と呼ばれていますが、婚約者は聖女がお好きなようです
天宮花音
恋愛
ミュンバル公爵家の令嬢ローゼリカは神の愛子とされ、幼い頃よりアモーナ王国第一王子リュシアールの婚約者だった。
16歳になったローゼリカは王立学園に入学することとなった。
同じ学年には、第2王子で聖騎士に任命されたマリオンと
聖女となった元平民でメイナー子爵家の養女となった令嬢ナナリーも入学していた。
ローゼリカとナナリーは仲良くなり、リュシアール、マリオン含め4人で過ごすようになったのだが、
ある日からナナリーの様子がおかしくなり、それに続きリュシアールもローゼリカと距離を取るようになった。
なろうでも連載中です。
転生不憫令嬢は自重しない~愛を知らない令嬢の異世界生活
リョンコ
恋愛
シュタイザー侯爵家の長女『ストロベリー・ディ・シュタイザー』の人生は幼少期から波乱万丈であった。
銀髪&碧眼色の父、金髪&翠眼色の母、両親の色彩を受け継いだ、金髪&碧眼色の実兄。
そんな侯爵家に産まれた待望の長女は、ミルキーピンクの髪の毛にパープルゴールドの眼。
両親どちらにもない色彩だった為、母は不貞を疑われるのを恐れ、産まれたばかりの娘を敷地内の旧侯爵邸へ隔離し、下働きメイドの娘(ハニーブロンドヘア&ヘーゼルアイ)を実娘として育てる事にした。
一方、本当の実娘『ストロベリー』は、産まれたばかりなのに泣きもせず、暴れたりもせず、無表情で一点を見詰めたまま微動だにしなかった……。
そんな赤ん坊の胸中は(クッソババアだな。あれが実母とかやばくね?パパンは何処よ?家庭を顧みないダメ親父か?ヘイゴッド、転生先が悪魔の住処ってこれ如何に?私に恨みでもあるんですか!?)だった。
そして泣きもせず、暴れたりもせず、ずっと無表情だった『ストロベリー』の第一声は、「おぎゃー」でも「うにゃー」でもなく、「くっそはりゃへった……」だった。
その声は、空が茜色に染まってきた頃に薄暗い部屋の中で静かに木霊した……。
※この小説は剣と魔法の世界&乙女ゲームを模した世界なので、バトル有り恋愛有りのファンタジー小説になります。
※ギリギリR15を攻めます。
※残酷描写有りなので苦手な方は注意して下さい。
※主人公は気が強く喧嘩っ早いし口が悪いです。
※色々な加護持ちだけど、平凡なチートです。
※他転生者も登場します。
※毎日1話ずつ更新する予定です。ゆるゆると進みます。
皆様のお気に入り登録やエールをお待ちしております。
※なろう小説でも掲載しています☆
完 モブ専転生悪役令嬢は婚約を破棄したい!!
水鳥楓椛
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢、ベアトリス・ブラックウェルに転生したのは、なんと前世モブ専の女子高生だった!?
「イケメン断絶!!優男断絶!!キザなクソボケも断絶!!来い!平々凡々なモブ顔男!!」
天才で天災な破天荒主人公は、転生ヒロインと協力して、イケメン婚約者と婚約破棄を目指す!!
「さあこい!攻略対象!!婚約破棄してやるわー!!」
~~~これは、王子を誤って攻略してしまったことに気がついていない、モブ専転生悪役令嬢が、諦めて王子のものになるまでのお話であり、王子が最オシ転生ヒロインとモブ専悪役令嬢が一生懸命共同前線を張って見事に敗北する、そんなお話でもある。~~~
イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!
悪役令嬢の居場所。
葉叶
恋愛
私だけの居場所。
他の誰かの代わりとかじゃなく
私だけの場所
私はそんな居場所が欲しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※誤字脱字等あれば遠慮なく言ってください。
※感想はしっかりニヤニヤしながら読ませて頂いています。
※こんな話が見たいよ!等のリクエストも歓迎してます。
※完結しました!番外編執筆中です。
【完】チェンジリングなヒロインゲーム ~よくある悪役令嬢に転生したお話~
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
私は気がついてしまった……。ここがとある乙女ゲームの世界に似ていて、私がヒロインとライバル的な立場の侯爵令嬢だったことに。その上、ヒロインと取り違えられていたことが判明し、最終的には侯爵家を放逐されて元の家に戻される。但し、ヒロインの家は商業ギルドの元締めで新興であるけど大富豪なので、とりあえず私としては目指せ、放逐エンド! ……貴族より成金うはうはエンドだもんね。
(他サイトにも掲載しております。表示素材は忠藤いずる:三日月アルペジオ様より)
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい
鍋
恋愛
王太子の婚約者として、常に控えめに振る舞ってきたロッテルマリア。
尽くしていたにも関わらず、悪役令嬢として婚約者破棄、国外追放の憂き目に合う。
でも、実は転生者であるロッテルマリアはチートな魔法を武器に、ギルドに登録して旅に出掛けた。
新米冒険者として日々奮闘中。
のんびり冒険をしていたいのに、ヒロインは私を逃がしてくれない。
自身の目的のためにロッテルマリアを狙ってくる。
王太子はあげるから、私をほっといて~
(旧)悪役令嬢は年下Sランク冒険者の弟子になるを手直ししました。
26話で完結
後日談も書いてます。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
ヒロインに悪役令嬢呼ばわりされた聖女は、婚約破棄を喜ぶ ~婚約破棄後の人生、貴方に出会えて幸せです!~
飛鳥井 真理
恋愛
それは、第一王子ロバートとの正式な婚約式の前夜に行われた舞踏会でのこと。公爵令嬢アンドレアは、その華やかな祝いの場で王子から一方的に婚約を解消すると告げられてしまう……。しかし婚約破棄後の彼女には、思っても見なかった幸運が次々と訪れることになるのだった……。 『婚約破棄後の人生……貴方に出会て幸せです!』 ※溺愛要素は後半の、第62話目辺りからになります。
※ストックが無くなりましたので、不定期更新になります。
※連載中も随時、加筆・修正をしていきます。よろしくお願い致します。
※ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる