1 / 78
序章
婚約者指名まであと一年
しおりを挟む
わたしは森華子。見た目も中身もバチバチの日本人。
なのにわけあって、今はハナコ・モッリとして公爵令嬢なんかをしている。
(――まずい、山田だ)
人もまばらな放課後の図書館で、吟味していた本をそっと棚に戻した。
周囲には人影なし。ここで見つかったらやっかいだ。奥に進み、じっと身をひそめた。
少しずつ靴音が近づいてくる。カツカツとやけに大きく響かせながら、山田はわたしのいる本棚の横を通り過ぎた。
(そのまま去れ、去れ! 悪霊退散……!)
強く念じ、本棚の影で息をひそめる。足音が止み、ふいに図書館に静寂が戻った。
「ここにいたのか、ハナコ」
「し、シュン王子っ」
てのひらに明かりの魔法を灯した山田が、つかつかと歩み寄ってくる。奥は袋小路。とっさに厚めの本を引き抜いて、ぎゅっと胸に抱きしめた。
「駄目ではないか、こんな奥まった場所にひとりいて。不埒な輩に襲われたりでもしたらどうする気だ?」
「おほほほ、王子こそ護衛もつけずに出歩くだなんて、とっても危のうございますわよ?」
ひきつった笑顔を返す。てか、探してくれと頼んだ覚えはこれっぽちもない。
「案ずるな。この国でわたし以上に魔力を持つ者などいないからな」
追い詰められて、壁ドンされる。明かりの魔法が目に刺さり、思わず本で顔を隠した。
いざとなったらこの角で山田の頭をカチ割るしかない。どうせやるのなら、容赦なく全振りする心づもりだ。
「照れているのか? ふっ、可愛いやつだ」
(お前の瓶底眼鏡に光が反射して、ただ単にまぶしいんだよ!)
出かかった言葉をなんとか飲み込んだ。山田が王子でなければ、あのときみたいにこっぴどく振ってしまえるのに。
「王子、少々光量が……」
「ああ、すまない。ハナコの美しい顔をよく見たくてな」
すかさず顎クイされる。
「それに王子ではない。シュンと名で呼ぶようにと言っただろう?」
キメ顔で言われても、トキメキのトの字もなかった。王子だろうと山田は山田。しょせんサエナイ瓶底眼鏡だ。
「シュン様、わたくしそろそろ行かないと。迎えの馬車が来ておりますので」
「もう少しくらい良いではないか」
「駄目ですわ。父に時間厳守と厳しく言われておりますもの」
顔をそらしてどうにか顎が山田の手から逃れた。
あとは横につかれたこの腕の下をくぐり抜ければ、華麗に脱出成功だ。名付けて必殺・壁ドン破り、となるはずだったのに。
山田はムダに長い足を本棚にかけて、すり抜けをブロックしてきやがった。
土足で本棚に乗り上げるとは、本好きとしては許しがたい。
「王子のわたしが大丈夫だと言ってもか?」
「立場にものを言わせて無理に従わせるなど、王子としてお恥ずかしくはありませんの?」
不敬ギリギリを攻め込んだ。元から言いたいことは言いたい性分なので、これでも言い足りないくらいなんだけど。
「うむ、一理あるな。分かった、ハナコが自分から一緒にいたいと言い出すように、わたしもさらに努力をするとしよう」
くっ、この意味不明な自信を、瓶底眼鏡ごと上段回し蹴りでへし折ってやりたい。いや、耐えろ華子。破滅ルートはまっぴら御免だ。
「戯れはこれくらいにしてください。シュン様は王位を継がれる身。わたくしにばかりかまけていては周囲に示しがつきませんわ」
ここフランク学園は貴族の子女が通う王立の学園だ。
山田は王子でありながら、貴族と同じ机で肩を並べて勉学に励んでいる。座学やスポーツ、魔法学から人望に至るまで、何をとっても常に学年トップだ。
生徒会長を務めているのも、王位に立つ予行演習みたいな位置づけらしい。
「わたしにはハナコだけがいればいい」
懲りもせずに手を取って来た。ああ言えばこう言う山田にいい加減嫌気がさしてくる。いや、さいしょっから嫌ってるんだけどねっ。
「わたくしなど、シュン様のとなりに立てる器ではございませんわ」
「ハナコは公爵家の令嬢だ。王家に迎えるのに不足はない」
「いいえ、わたくしの魔力はあまりにも弱すぎます。たぐいまれな魔力をお持ちのシュン様には……ユイナ・ハセガー男爵令嬢、彼女こそがふさわしいですわ!」
王子が学園に通ういちばんの理由は、未来の王妃となる相手を見定めるためだ。卒業式に王子が結婚相手を指名することで、このゲームは晴れてエンディングを迎えることになる。
そう、何を隠そうここは乙女ゲームの世界。しかもわたしは悪役令嬢のポジションときた。ハイ、王道の異世界転生いただきました!
ちなみに、ユイナ・ハセガーはこのゲームのヒロインだ。彼女が学園に入学する場面から始まって、ユイナと王子が苦難の果てに結ばれるゲーム運びとなっている。
それを邪魔するキャラがわたしってわけなんだけど。
このまま手をこまねいていると、わたしは断罪ざまぁで首が飛ぶ運命をたどってしまう。てか、誰が命をかけてまで山田の恋路なんぞを邪魔するか。
ホントふざけんなって叫びたくなるわたしの状況を、みな様よくご理解いただけまして?
「ふっ、ハナコはそんな心配をしていたのか。魔力はなくとも国を治めることはできる。魔法の行使など、下々の者に任せておけばいい」
「そういう問題ではありません。わたくしはもっと広い視野で物事を見ることが大事と申しているのです。多くの令嬢たちと時間を共にすることで、わたくし以外に適正のある方が見つかるはずですわ」
「ふむ、ハナコがそこまで言うのなら考慮しよう。手始めに、ハナコともっと時間を共にせねばな」
(だーかーらーっ、なんで王子のお前が悪役令嬢に迫って来るんだよ!)
ああ言えばこう言ってくる山田にブチ切れ寸前だ。いや待て華子、早まるな。本で撲殺するのは最終手段にしなくては。
「ハナコ様、お探ししましたわ。今日はふたりでパジャマパーティーを……あら、シュン王子もご一緒でしたの」
「ジュリエッタ!」
あーん、持つべきものは友! ナイスタイミングだ、親友よ。
駆け寄って、勢いでジュリエッタに抱きついた。さりげなく肘で押し返される。何そのリアクション。微妙にちょっと傷つくんだけど。
ゲーム内でジュリエッタはハナコの取り巻きモブ令嬢の役どころだ。
しかし現在、中の人はオムツをつけたころからの幼馴染の未希だったりする。このゲームをやり尽くした、バッドエンド回避のための心強い参謀だ。
「パ、パジャマパーティーだと?」
「ええ、今夜はハナコ様のお屋敷にご招待されておりますの。もちろん夜のベッドは同衾、夜更けまで濃密な時間を過ごす予定ですわ」
「どどど同衾!? ネグリジェ姿のハナコとひとつ夜具の中……!」
「きゃーっ、シュン王子!」
鼻を押さえた山田から、ボタボタと鮮血がしたたっている。ドン引いて、未希と一緒に軽く二メートルはあとずさった。
「はぁはぁ、す、すまない。つい過激な想像を……」
どんな想像したらそんななる!?
てか、わたしは子どものころから毛糸の腹巻必須、コットン100%のハイウエストパジャマひと筋じゃ。それに全国パジャマパーティー協会のみなさんに土下座で謝れ!
「と、とにかくわたくしたちは帰宅いたします。行きましょう、ジュリエッタ」
「ではご機嫌うるわしゅう、シュン王子」
血ぬれた床の上にたたずむ山田をひとり残し、そそくさと図書館を出た。
そんなこんなで卒業式の婚約指名まであと一年。わたしの苦難の道は始まったばかり。
てか、どうしてこうなった!?
なのにわけあって、今はハナコ・モッリとして公爵令嬢なんかをしている。
(――まずい、山田だ)
人もまばらな放課後の図書館で、吟味していた本をそっと棚に戻した。
周囲には人影なし。ここで見つかったらやっかいだ。奥に進み、じっと身をひそめた。
少しずつ靴音が近づいてくる。カツカツとやけに大きく響かせながら、山田はわたしのいる本棚の横を通り過ぎた。
(そのまま去れ、去れ! 悪霊退散……!)
強く念じ、本棚の影で息をひそめる。足音が止み、ふいに図書館に静寂が戻った。
「ここにいたのか、ハナコ」
「し、シュン王子っ」
てのひらに明かりの魔法を灯した山田が、つかつかと歩み寄ってくる。奥は袋小路。とっさに厚めの本を引き抜いて、ぎゅっと胸に抱きしめた。
「駄目ではないか、こんな奥まった場所にひとりいて。不埒な輩に襲われたりでもしたらどうする気だ?」
「おほほほ、王子こそ護衛もつけずに出歩くだなんて、とっても危のうございますわよ?」
ひきつった笑顔を返す。てか、探してくれと頼んだ覚えはこれっぽちもない。
「案ずるな。この国でわたし以上に魔力を持つ者などいないからな」
追い詰められて、壁ドンされる。明かりの魔法が目に刺さり、思わず本で顔を隠した。
いざとなったらこの角で山田の頭をカチ割るしかない。どうせやるのなら、容赦なく全振りする心づもりだ。
「照れているのか? ふっ、可愛いやつだ」
(お前の瓶底眼鏡に光が反射して、ただ単にまぶしいんだよ!)
出かかった言葉をなんとか飲み込んだ。山田が王子でなければ、あのときみたいにこっぴどく振ってしまえるのに。
「王子、少々光量が……」
「ああ、すまない。ハナコの美しい顔をよく見たくてな」
すかさず顎クイされる。
「それに王子ではない。シュンと名で呼ぶようにと言っただろう?」
キメ顔で言われても、トキメキのトの字もなかった。王子だろうと山田は山田。しょせんサエナイ瓶底眼鏡だ。
「シュン様、わたくしそろそろ行かないと。迎えの馬車が来ておりますので」
「もう少しくらい良いではないか」
「駄目ですわ。父に時間厳守と厳しく言われておりますもの」
顔をそらしてどうにか顎が山田の手から逃れた。
あとは横につかれたこの腕の下をくぐり抜ければ、華麗に脱出成功だ。名付けて必殺・壁ドン破り、となるはずだったのに。
山田はムダに長い足を本棚にかけて、すり抜けをブロックしてきやがった。
土足で本棚に乗り上げるとは、本好きとしては許しがたい。
「王子のわたしが大丈夫だと言ってもか?」
「立場にものを言わせて無理に従わせるなど、王子としてお恥ずかしくはありませんの?」
不敬ギリギリを攻め込んだ。元から言いたいことは言いたい性分なので、これでも言い足りないくらいなんだけど。
「うむ、一理あるな。分かった、ハナコが自分から一緒にいたいと言い出すように、わたしもさらに努力をするとしよう」
くっ、この意味不明な自信を、瓶底眼鏡ごと上段回し蹴りでへし折ってやりたい。いや、耐えろ華子。破滅ルートはまっぴら御免だ。
「戯れはこれくらいにしてください。シュン様は王位を継がれる身。わたくしにばかりかまけていては周囲に示しがつきませんわ」
ここフランク学園は貴族の子女が通う王立の学園だ。
山田は王子でありながら、貴族と同じ机で肩を並べて勉学に励んでいる。座学やスポーツ、魔法学から人望に至るまで、何をとっても常に学年トップだ。
生徒会長を務めているのも、王位に立つ予行演習みたいな位置づけらしい。
「わたしにはハナコだけがいればいい」
懲りもせずに手を取って来た。ああ言えばこう言う山田にいい加減嫌気がさしてくる。いや、さいしょっから嫌ってるんだけどねっ。
「わたくしなど、シュン様のとなりに立てる器ではございませんわ」
「ハナコは公爵家の令嬢だ。王家に迎えるのに不足はない」
「いいえ、わたくしの魔力はあまりにも弱すぎます。たぐいまれな魔力をお持ちのシュン様には……ユイナ・ハセガー男爵令嬢、彼女こそがふさわしいですわ!」
王子が学園に通ういちばんの理由は、未来の王妃となる相手を見定めるためだ。卒業式に王子が結婚相手を指名することで、このゲームは晴れてエンディングを迎えることになる。
そう、何を隠そうここは乙女ゲームの世界。しかもわたしは悪役令嬢のポジションときた。ハイ、王道の異世界転生いただきました!
ちなみに、ユイナ・ハセガーはこのゲームのヒロインだ。彼女が学園に入学する場面から始まって、ユイナと王子が苦難の果てに結ばれるゲーム運びとなっている。
それを邪魔するキャラがわたしってわけなんだけど。
このまま手をこまねいていると、わたしは断罪ざまぁで首が飛ぶ運命をたどってしまう。てか、誰が命をかけてまで山田の恋路なんぞを邪魔するか。
ホントふざけんなって叫びたくなるわたしの状況を、みな様よくご理解いただけまして?
「ふっ、ハナコはそんな心配をしていたのか。魔力はなくとも国を治めることはできる。魔法の行使など、下々の者に任せておけばいい」
「そういう問題ではありません。わたくしはもっと広い視野で物事を見ることが大事と申しているのです。多くの令嬢たちと時間を共にすることで、わたくし以外に適正のある方が見つかるはずですわ」
「ふむ、ハナコがそこまで言うのなら考慮しよう。手始めに、ハナコともっと時間を共にせねばな」
(だーかーらーっ、なんで王子のお前が悪役令嬢に迫って来るんだよ!)
ああ言えばこう言ってくる山田にブチ切れ寸前だ。いや待て華子、早まるな。本で撲殺するのは最終手段にしなくては。
「ハナコ様、お探ししましたわ。今日はふたりでパジャマパーティーを……あら、シュン王子もご一緒でしたの」
「ジュリエッタ!」
あーん、持つべきものは友! ナイスタイミングだ、親友よ。
駆け寄って、勢いでジュリエッタに抱きついた。さりげなく肘で押し返される。何そのリアクション。微妙にちょっと傷つくんだけど。
ゲーム内でジュリエッタはハナコの取り巻きモブ令嬢の役どころだ。
しかし現在、中の人はオムツをつけたころからの幼馴染の未希だったりする。このゲームをやり尽くした、バッドエンド回避のための心強い参謀だ。
「パ、パジャマパーティーだと?」
「ええ、今夜はハナコ様のお屋敷にご招待されておりますの。もちろん夜のベッドは同衾、夜更けまで濃密な時間を過ごす予定ですわ」
「どどど同衾!? ネグリジェ姿のハナコとひとつ夜具の中……!」
「きゃーっ、シュン王子!」
鼻を押さえた山田から、ボタボタと鮮血がしたたっている。ドン引いて、未希と一緒に軽く二メートルはあとずさった。
「はぁはぁ、す、すまない。つい過激な想像を……」
どんな想像したらそんななる!?
てか、わたしは子どものころから毛糸の腹巻必須、コットン100%のハイウエストパジャマひと筋じゃ。それに全国パジャマパーティー協会のみなさんに土下座で謝れ!
「と、とにかくわたくしたちは帰宅いたします。行きましょう、ジュリエッタ」
「ではご機嫌うるわしゅう、シュン王子」
血ぬれた床の上にたたずむ山田をひとり残し、そそくさと図書館を出た。
そんなこんなで卒業式の婚約指名まであと一年。わたしの苦難の道は始まったばかり。
てか、どうしてこうなった!?
0
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
神の愛し子と呼ばれていますが、婚約者は聖女がお好きなようです
天宮花音
恋愛
ミュンバル公爵家の令嬢ローゼリカは神の愛子とされ、幼い頃よりアモーナ王国第一王子リュシアールの婚約者だった。
16歳になったローゼリカは王立学園に入学することとなった。
同じ学年には、第2王子で聖騎士に任命されたマリオンと
聖女となった元平民でメイナー子爵家の養女となった令嬢ナナリーも入学していた。
ローゼリカとナナリーは仲良くなり、リュシアール、マリオン含め4人で過ごすようになったのだが、
ある日からナナリーの様子がおかしくなり、それに続きリュシアールもローゼリカと距離を取るようになった。
なろうでも連載中です。
転生不憫令嬢は自重しない~愛を知らない令嬢の異世界生活
リョンコ
恋愛
シュタイザー侯爵家の長女『ストロベリー・ディ・シュタイザー』の人生は幼少期から波乱万丈であった。
銀髪&碧眼色の父、金髪&翠眼色の母、両親の色彩を受け継いだ、金髪&碧眼色の実兄。
そんな侯爵家に産まれた待望の長女は、ミルキーピンクの髪の毛にパープルゴールドの眼。
両親どちらにもない色彩だった為、母は不貞を疑われるのを恐れ、産まれたばかりの娘を敷地内の旧侯爵邸へ隔離し、下働きメイドの娘(ハニーブロンドヘア&ヘーゼルアイ)を実娘として育てる事にした。
一方、本当の実娘『ストロベリー』は、産まれたばかりなのに泣きもせず、暴れたりもせず、無表情で一点を見詰めたまま微動だにしなかった……。
そんな赤ん坊の胸中は(クッソババアだな。あれが実母とかやばくね?パパンは何処よ?家庭を顧みないダメ親父か?ヘイゴッド、転生先が悪魔の住処ってこれ如何に?私に恨みでもあるんですか!?)だった。
そして泣きもせず、暴れたりもせず、ずっと無表情だった『ストロベリー』の第一声は、「おぎゃー」でも「うにゃー」でもなく、「くっそはりゃへった……」だった。
その声は、空が茜色に染まってきた頃に薄暗い部屋の中で静かに木霊した……。
※この小説は剣と魔法の世界&乙女ゲームを模した世界なので、バトル有り恋愛有りのファンタジー小説になります。
※ギリギリR15を攻めます。
※残酷描写有りなので苦手な方は注意して下さい。
※主人公は気が強く喧嘩っ早いし口が悪いです。
※色々な加護持ちだけど、平凡なチートです。
※他転生者も登場します。
※毎日1話ずつ更新する予定です。ゆるゆると進みます。
皆様のお気に入り登録やエールをお待ちしております。
※なろう小説でも掲載しています☆
完 モブ専転生悪役令嬢は婚約を破棄したい!!
水鳥楓椛
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢、ベアトリス・ブラックウェルに転生したのは、なんと前世モブ専の女子高生だった!?
「イケメン断絶!!優男断絶!!キザなクソボケも断絶!!来い!平々凡々なモブ顔男!!」
天才で天災な破天荒主人公は、転生ヒロインと協力して、イケメン婚約者と婚約破棄を目指す!!
「さあこい!攻略対象!!婚約破棄してやるわー!!」
~~~これは、王子を誤って攻略してしまったことに気がついていない、モブ専転生悪役令嬢が、諦めて王子のものになるまでのお話であり、王子が最オシ転生ヒロインとモブ専悪役令嬢が一生懸命共同前線を張って見事に敗北する、そんなお話でもある。~~~
イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!
悪役令嬢の居場所。
葉叶
恋愛
私だけの居場所。
他の誰かの代わりとかじゃなく
私だけの場所
私はそんな居場所が欲しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※誤字脱字等あれば遠慮なく言ってください。
※感想はしっかりニヤニヤしながら読ませて頂いています。
※こんな話が見たいよ!等のリクエストも歓迎してます。
※完結しました!番外編執筆中です。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
【完】チェンジリングなヒロインゲーム ~よくある悪役令嬢に転生したお話~
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
私は気がついてしまった……。ここがとある乙女ゲームの世界に似ていて、私がヒロインとライバル的な立場の侯爵令嬢だったことに。その上、ヒロインと取り違えられていたことが判明し、最終的には侯爵家を放逐されて元の家に戻される。但し、ヒロインの家は商業ギルドの元締めで新興であるけど大富豪なので、とりあえず私としては目指せ、放逐エンド! ……貴族より成金うはうはエンドだもんね。
(他サイトにも掲載しております。表示素材は忠藤いずる:三日月アルペジオ様より)
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい
鍋
恋愛
王太子の婚約者として、常に控えめに振る舞ってきたロッテルマリア。
尽くしていたにも関わらず、悪役令嬢として婚約者破棄、国外追放の憂き目に合う。
でも、実は転生者であるロッテルマリアはチートな魔法を武器に、ギルドに登録して旅に出掛けた。
新米冒険者として日々奮闘中。
のんびり冒険をしていたいのに、ヒロインは私を逃がしてくれない。
自身の目的のためにロッテルマリアを狙ってくる。
王太子はあげるから、私をほっといて~
(旧)悪役令嬢は年下Sランク冒険者の弟子になるを手直ししました。
26話で完結
後日談も書いてます。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる