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君がいないと
君が私の太陽で
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「みーちゃんみーちゃん……!」
「もう泣かないであーちゃん、またいつか会えるよ……ほら指切りしよ?」
「……うん」
『指切りげーんまん嘘ついたらはりせんぼんのーます! 指切った!』
「これでずっと、お友達だよ」
私の太陽はずっと世界を照らしてくれて、だから離れていてもその光が永遠だと思っていた。
でも、その太陽がいつの間にか陰って、それと同時に私は翼をもがれた鳥みたいに地面にたたきつけられた。
地面に落ちた鳥にみんなは優しくなくて。
「おい、あいつの顔どうなってんだ!」
「モンスターじゃん、怪獣じゃん!」
「ダメダメ、星月ちゃんに近づいたらあんな顔になっちゃうよ」
「あんな顔でよく生きてる……ほんとモンスターになったのかしら」
「怪獣退治だ、いえーーい! 俺ヒーロー!」
「やっちゃえ、やっちゃえ!」
「怪獣がこんないい飯食っちゃダメでしょ! 怪獣らしく床で虫でも食べてろー!」
「ははは、さっすがサンちゃんいっかす―――!」
みんなみんな私を虐めて。
「先生! だからうちの娘が……!」
「そうはいっても子供のじゃれつきに……」
「……ッ!!!」
誰も味方がいなくて。
私は自分の世界に引きこもった。
「あの、星月さん……」
「あ、え、あ……ごめんなさい」
「ちょっと待って……!」
「星月、小学校であったことは知ってる。でもな、ここはもう中学校で当時の子たちもいないんだ。だからな……わかるだろ?」
「……いいんです、私はそういうのは」
「……全くお前は! エリートの私の経歴に泥塗るつもりなの!? あなたみたいな学生が……」
中学でも状況は変わらなくて。
「はーい、という事で星月さんと仲良くなろうの会をしまーす!」
「せんせーい、そんなデブスのこと気にかけないで俺の表彰をもっとやってよー!」
「ははは、絶対そっちの方が楽しいし! 私もそんなのより亮のが見たいでーす!」
「ちょっとあなたたちそういうのは……」
「……いいんです、私は良いですから」
「……チッ。わかりました、今日は表彰やりましょう!」
「さっすが先生話わかる―!」
「おい、デブスちゃん……おい、聞いてんのか!?」
「……はい、何ですか?」
「えっとねー、なんでそんなに君は気持ち悪いの~? そんな顔と体で人間名乗っていいと思ってるわけ~?」
「……皆さんがそういうなら名乗りませんけど」
「……チッ、お前いじっても面白くねえんだよ! もっとさ、反応しろよ、俺たちががいじってやってんだからよ!」
「……すいません」
「……チッ、もういいわ。お前もういいわ。顔もブサイクで、デブで、臭くて、使えなくて……お前死んだ方がいいんじゃないの?」
「……」
「なんか言えよ、この野郎!」
「ッ……」
「ははは、この怪物には亮の事なんてわかんないのよ、絡むだけ無駄。だからね、早く死んでね、怪物ちゃん♪ よし、亮行こ!」
「おう……くそ、あの女のせいで足が痛いぜ」
「あは、いしゃりょー取る? いしゃりょー!」
「……」
結局私は何も変わらなくて。
ずっとずっと一人の世界で、人と関わらず。
「あかり、引っ越すわよ」
「……やだ」
「……今度は大丈夫だから。前いた街……雅ちゃんがいるから」
「……じゃあなおさらヤダ。もう会いたくない」
「そんなこと言わないで。雅ちゃんも会いたいと思うし」
「……絶対そんなことないし」
みーちゃんには絶対に会いたくなかった。
あんなキラキラした人に私なんか絶対ダメだから。
絶対に私では無理だから。
けど、お母さんは強引に私のためを思ってそこに連れて行ってくれて。
「……あ、雅ちゃんいたよ! ほらあかり、早くいってきなさい!」
「……やだ、やだ、絶対ヤダ……こんなの、絶対……」
「大丈夫だって! ソーレ!!!」
「キャッ!」
「あ、誰かこけた……あのー大丈夫……あれ? あーちゃん!?」
「……違います、人違いです」
「ウソ、絶対あーちゃんだ! 絶対そうだもん、ほらお顔見せて!」
「……違う、違いますから……だから、その……」
「もう! そんなに言うなら強引に……えい!」
「……やめて、やめて……!」
必死に顔を隠して。
バレない様に、失望させないように、必死に必死に。
「……やっぱりあーちゃんじゃん! あーちゃん久しぶり! 元気だった?」
「……え?」
「あ、もしかして私の顔忘れちゃった? ごめん、私黒田雅。みーちゃんだよ!」
「……あ、あ、あ……」
「あーちゃん本当久しぶりだね! 見ない間にちょっと丸くなっちゃた? ……ふふふ、ほっぺもお腹もぷにぷにで可愛い! イメチェンってやつ?」
「……みーちゃん、みーちゃん、みーちゃん、みーちゃん!!!!!!」
……嬉しかった!
私を覚えててくれて、私と話してくれて……私のありのままを受け入れてくれて。
だから嬉しくて、嬉しくて抱き着いて、涙がこぼれて。
暗かった世界にもう一度太陽がさしたみたいで。
これまで死んでいた自分がもう一度「星月あかり」として生まれ変わったみたいで。
「……もう、泣くことじゃないでしょ、あーちゃん。嬉しい時は笑わないと」
「うん、そうだね、うん、ありがとう、みーちゃん……」
「ふふふ、私も会えてうれしいよ、ありがとうあーちゃん」
そう言って私の頭を撫でてくれるあーちゃんの胸の中でずっと私は泣き続けていた。
「もう泣かないであーちゃん、またいつか会えるよ……ほら指切りしよ?」
「……うん」
『指切りげーんまん嘘ついたらはりせんぼんのーます! 指切った!』
「これでずっと、お友達だよ」
私の太陽はずっと世界を照らしてくれて、だから離れていてもその光が永遠だと思っていた。
でも、その太陽がいつの間にか陰って、それと同時に私は翼をもがれた鳥みたいに地面にたたきつけられた。
地面に落ちた鳥にみんなは優しくなくて。
「おい、あいつの顔どうなってんだ!」
「モンスターじゃん、怪獣じゃん!」
「ダメダメ、星月ちゃんに近づいたらあんな顔になっちゃうよ」
「あんな顔でよく生きてる……ほんとモンスターになったのかしら」
「怪獣退治だ、いえーーい! 俺ヒーロー!」
「やっちゃえ、やっちゃえ!」
「怪獣がこんないい飯食っちゃダメでしょ! 怪獣らしく床で虫でも食べてろー!」
「ははは、さっすがサンちゃんいっかす―――!」
みんなみんな私を虐めて。
「先生! だからうちの娘が……!」
「そうはいっても子供のじゃれつきに……」
「……ッ!!!」
誰も味方がいなくて。
私は自分の世界に引きこもった。
「あの、星月さん……」
「あ、え、あ……ごめんなさい」
「ちょっと待って……!」
「星月、小学校であったことは知ってる。でもな、ここはもう中学校で当時の子たちもいないんだ。だからな……わかるだろ?」
「……いいんです、私はそういうのは」
「……全くお前は! エリートの私の経歴に泥塗るつもりなの!? あなたみたいな学生が……」
中学でも状況は変わらなくて。
「はーい、という事で星月さんと仲良くなろうの会をしまーす!」
「せんせーい、そんなデブスのこと気にかけないで俺の表彰をもっとやってよー!」
「ははは、絶対そっちの方が楽しいし! 私もそんなのより亮のが見たいでーす!」
「ちょっとあなたたちそういうのは……」
「……いいんです、私は良いですから」
「……チッ。わかりました、今日は表彰やりましょう!」
「さっすが先生話わかる―!」
「おい、デブスちゃん……おい、聞いてんのか!?」
「……はい、何ですか?」
「えっとねー、なんでそんなに君は気持ち悪いの~? そんな顔と体で人間名乗っていいと思ってるわけ~?」
「……皆さんがそういうなら名乗りませんけど」
「……チッ、お前いじっても面白くねえんだよ! もっとさ、反応しろよ、俺たちががいじってやってんだからよ!」
「……すいません」
「……チッ、もういいわ。お前もういいわ。顔もブサイクで、デブで、臭くて、使えなくて……お前死んだ方がいいんじゃないの?」
「……」
「なんか言えよ、この野郎!」
「ッ……」
「ははは、この怪物には亮の事なんてわかんないのよ、絡むだけ無駄。だからね、早く死んでね、怪物ちゃん♪ よし、亮行こ!」
「おう……くそ、あの女のせいで足が痛いぜ」
「あは、いしゃりょー取る? いしゃりょー!」
「……」
結局私は何も変わらなくて。
ずっとずっと一人の世界で、人と関わらず。
「あかり、引っ越すわよ」
「……やだ」
「……今度は大丈夫だから。前いた街……雅ちゃんがいるから」
「……じゃあなおさらヤダ。もう会いたくない」
「そんなこと言わないで。雅ちゃんも会いたいと思うし」
「……絶対そんなことないし」
みーちゃんには絶対に会いたくなかった。
あんなキラキラした人に私なんか絶対ダメだから。
絶対に私では無理だから。
けど、お母さんは強引に私のためを思ってそこに連れて行ってくれて。
「……あ、雅ちゃんいたよ! ほらあかり、早くいってきなさい!」
「……やだ、やだ、絶対ヤダ……こんなの、絶対……」
「大丈夫だって! ソーレ!!!」
「キャッ!」
「あ、誰かこけた……あのー大丈夫……あれ? あーちゃん!?」
「……違います、人違いです」
「ウソ、絶対あーちゃんだ! 絶対そうだもん、ほらお顔見せて!」
「……違う、違いますから……だから、その……」
「もう! そんなに言うなら強引に……えい!」
「……やめて、やめて……!」
必死に顔を隠して。
バレない様に、失望させないように、必死に必死に。
「……やっぱりあーちゃんじゃん! あーちゃん久しぶり! 元気だった?」
「……え?」
「あ、もしかして私の顔忘れちゃった? ごめん、私黒田雅。みーちゃんだよ!」
「……あ、あ、あ……」
「あーちゃん本当久しぶりだね! 見ない間にちょっと丸くなっちゃた? ……ふふふ、ほっぺもお腹もぷにぷにで可愛い! イメチェンってやつ?」
「……みーちゃん、みーちゃん、みーちゃん、みーちゃん!!!!!!」
……嬉しかった!
私を覚えててくれて、私と話してくれて……私のありのままを受け入れてくれて。
だから嬉しくて、嬉しくて抱き着いて、涙がこぼれて。
暗かった世界にもう一度太陽がさしたみたいで。
これまで死んでいた自分がもう一度「星月あかり」として生まれ変わったみたいで。
「……もう、泣くことじゃないでしょ、あーちゃん。嬉しい時は笑わないと」
「うん、そうだね、うん、ありがとう、みーちゃん……」
「ふふふ、私も会えてうれしいよ、ありがとうあーちゃん」
そう言って私の頭を撫でてくれるあーちゃんの胸の中でずっと私は泣き続けていた。
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