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君がいないと
お手紙
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「先輩この後暇ですか? もし暇なら……私のお家来ませんか?」
そういってコテンと首を傾げる香菜ちゃん。
「……どうかしたの?」
「いえ、その……だって先輩昨日からなんか悩み事があるみたいでしたからじっくり聞きたいと思いましたし……それにほら、うちのダイフクも喜びますし!」
「確かにダイフク君にはまた会いたいかも……あれ?」
何となくで会話をしながら下駄箱を開けると奥の方に何か入っているのを見つける。
取り出してみると可愛い花のついた便箋。あれ、これ……あれ?
「……え、先輩それなんですか? もしかして……先輩、私にも見せてください!」
そういって香菜ちゃんがぴょんぴょんジャンプして手紙をとろうとしてくるのを華麗に避けながら、便箋の封をぺりぺりはがす。
手紙の一番上に「黒田雅」という可愛い文字が書いてあった。
……
???????????????????????
「……ちょ、先輩どうしたんですか、急に下駄箱に頭ぶつけだしちゃって! みんな見てますよ……」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやなんでもない、何でもない、ナンデもない、何でもない! 大丈夫だよ、大丈夫だよ、ダイジョウブ! ちょっと動揺しちゃっただけ! ふー、ふー……あ、そうだごめん、ちょっと香菜ちゃん僕急用できちゃったから今日はおうち行くことが出来ないよ、ごめんね!」
ナンデ? ナンデ? 黒田さん? え、これ本当に黒田さん? え、本物、どっきりじゃないよね、本物だよね!? え、ナンデ、どうした、ナンデナンデ?
「……あの先輩、失礼なんですけどその用事本当に大事なことなんですか? 私の方が先に約束しようとしたので私の方に……」
「大事だよ! めっちゃ大事なことだから! だから、ごめん今回はちょっと」
黒田さんからの手紙? え、ナンデ? わからん、理由がわからん!
一度トイレで手紙を読もうと思ってこの場を去ろうとすると服の袖をつかまれる。勢いで前につんのめりそうになる。
「先輩、私は……」
袖をつかんだままの香菜ちゃんは口をもごもごさせて、次の言葉を探している。
「……やっぱり何でもないです。だからその先輩は……その、頑張ってください……でも絶対帰ってきてくださいね」
「いやいやいやいや戦地に行くわけじゃないんだし!」
「いえ、そういうわけでは……取りあえずこれはもらってください。そのままの格好で行くのはさすがに相手の方に失礼ですので……」
そういって手渡してくれたのは可愛い模様の1枚の絆創膏。
おでこを触ると血が出ている、さっきのヘドバンのせいかしら。
「ありがとう」と言って立ち去ろうとすると今度は両手をがっしりつかまれる。
ちょっと急いでるんだけど……
「……あの先輩、その……やっぱり、その……」
「え?」
「……頑張ってください!」
そういって乱暴に手を離して逃げるように帰っていく。
最後まで応援してくれた後輩ちゃんに手を振って僕は急いで走りだした。
使われていない1階端っこのトイレのさらに奥の個室の中。
しっかりと息を整えてから手紙の内容を確認するためにドキドキしながらそれに目を通す。
[黒田雅です。
伊織君、突然ごめんなさい。
この手紙を読んだら華道部の部室に来てください、相談したいことがあります。
突然ごめんなさい、でもお願いします。]
なるほど、部室に行けばいいのね、うんなるほど……
え!!!!????
部室って2人っきり?
2人きりってなに、ちょっとこわい! うまく話せるか不安! でも久しぶりになんだか楽しい気分!
上気する息を抑えながら僕は部室へ向かった。
そういってコテンと首を傾げる香菜ちゃん。
「……どうかしたの?」
「いえ、その……だって先輩昨日からなんか悩み事があるみたいでしたからじっくり聞きたいと思いましたし……それにほら、うちのダイフクも喜びますし!」
「確かにダイフク君にはまた会いたいかも……あれ?」
何となくで会話をしながら下駄箱を開けると奥の方に何か入っているのを見つける。
取り出してみると可愛い花のついた便箋。あれ、これ……あれ?
「……え、先輩それなんですか? もしかして……先輩、私にも見せてください!」
そういって香菜ちゃんがぴょんぴょんジャンプして手紙をとろうとしてくるのを華麗に避けながら、便箋の封をぺりぺりはがす。
手紙の一番上に「黒田雅」という可愛い文字が書いてあった。
……
???????????????????????
「……ちょ、先輩どうしたんですか、急に下駄箱に頭ぶつけだしちゃって! みんな見てますよ……」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやなんでもない、何でもない、ナンデもない、何でもない! 大丈夫だよ、大丈夫だよ、ダイジョウブ! ちょっと動揺しちゃっただけ! ふー、ふー……あ、そうだごめん、ちょっと香菜ちゃん僕急用できちゃったから今日はおうち行くことが出来ないよ、ごめんね!」
ナンデ? ナンデ? 黒田さん? え、これ本当に黒田さん? え、本物、どっきりじゃないよね、本物だよね!? え、ナンデ、どうした、ナンデナンデ?
「……あの先輩、失礼なんですけどその用事本当に大事なことなんですか? 私の方が先に約束しようとしたので私の方に……」
「大事だよ! めっちゃ大事なことだから! だから、ごめん今回はちょっと」
黒田さんからの手紙? え、ナンデ? わからん、理由がわからん!
一度トイレで手紙を読もうと思ってこの場を去ろうとすると服の袖をつかまれる。勢いで前につんのめりそうになる。
「先輩、私は……」
袖をつかんだままの香菜ちゃんは口をもごもごさせて、次の言葉を探している。
「……やっぱり何でもないです。だからその先輩は……その、頑張ってください……でも絶対帰ってきてくださいね」
「いやいやいやいや戦地に行くわけじゃないんだし!」
「いえ、そういうわけでは……取りあえずこれはもらってください。そのままの格好で行くのはさすがに相手の方に失礼ですので……」
そういって手渡してくれたのは可愛い模様の1枚の絆創膏。
おでこを触ると血が出ている、さっきのヘドバンのせいかしら。
「ありがとう」と言って立ち去ろうとすると今度は両手をがっしりつかまれる。
ちょっと急いでるんだけど……
「……あの先輩、その……やっぱり、その……」
「え?」
「……頑張ってください!」
そういって乱暴に手を離して逃げるように帰っていく。
最後まで応援してくれた後輩ちゃんに手を振って僕は急いで走りだした。
使われていない1階端っこのトイレのさらに奥の個室の中。
しっかりと息を整えてから手紙の内容を確認するためにドキドキしながらそれに目を通す。
[黒田雅です。
伊織君、突然ごめんなさい。
この手紙を読んだら華道部の部室に来てください、相談したいことがあります。
突然ごめんなさい、でもお願いします。]
なるほど、部室に行けばいいのね、うんなるほど……
え!!!!????
部室って2人っきり?
2人きりってなに、ちょっとこわい! うまく話せるか不安! でも久しぶりになんだか楽しい気分!
上気する息を抑えながら僕は部室へ向かった。
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