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私はエレス帝国の東付近の領主を務める伯爵家の生まれソフィ・エンファント。家族構成としては父と母と兄がひとり。そんな私たちエンファント家は貴族の中では有名な部類に入っていた。

拾い物伯爵と。

犬や猫から始まり、にわとり、ねずみ、蛇、くま……あらゆるものを拾ってはペットにしてエンファント家は人間の家なのか、動物たちの館なのか区別がつかないほどに人が負けつつある。ちなみに今いる使用人のほとんども拾った人。

訳あり元商人に、行き場を失った孤児、平民落ちした貴族の娘だったり、中には元泥棒さんや元暗殺者さんといった犯罪者……うん、色んな人たちがいる。でもなんだかんだみんないい人です。もちろん動物たちもいい子たちですよ?

そんなわけで誰かしら連れてこられたら拾ったで済む家がエンファント家なわけです。

「なんか倒れてたから拾ったんだが」

「汚れてますね、誰か体を拭いて着替えさせてくれるかしら?その後は客室のベッドに」

そんなエンファント家によくある一貫としてある日、激しい嵐の去った翌日に拾われたのが私の未来の運命を左右することになるエレス帝国皇子ルシフェス様でした。

とこんな風に言ってますが、最初こそお披露目のされてない皇子の存在は知るはずもなくこんなに汚れて外にいたんだからスラムの子か、もしくは逃げてきた奴隷かもしれないなんてそんな失礼なことしか考えられなかったのです。

そして得意のお世話をして………最初こそすごく警戒されました。

「だ、誰だ……!ここはどこだ!」

というよりも混乱していたのが正しいかもしれません。

「誰だと思います?」

そんな様子が可愛らしくて思わず意地悪な言い方をした私は性格が意外と悪いかもしれないです。でもね?

「て、天使……?」

「人間です」

まさか人外扱いされるとは驚きですよ。まあ拾い物伯爵の娘で変人扱いは多々されてきましたが、天使扱いは初めてでした。まあ、私はどうも人離れした美貌を持っているらしく、影では残念美人と言われるくらいです。

決して奢ってるわけではなく事実を申しただけですよ?

「お、俺は死んだんじゃ……」

「私のお父様が貴方を拾ったの」

「拾った……?」

「気になさらないで?今日から貴方も私たちの家族ですから」

「え?」

拾ったものは責任を持って世話をする。それがエンファント家の習わし。だからこそこの家は人から動物まで拾われた人たちは皆家族として仲がいい。

大切な人が増えるって素敵なことでしょ?


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