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忠誠心を継いできた理由
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「な、何故そこまで忠誠を誓えるんですか……?」
トールもさすがに引いている様子で、尋ねた。まあ100年以上もいくら親友を助けられたからと言って子孫に受け継がれていくような忠誠ではないだろうし………。
「トルンタ家はトルンタ家独自の正義を掲げてその想いをもって優秀な騎士を育ててきました」
「トルンタ家はどんな軟弱者も必ず優秀な騎士となるというのは有名ですね。鍛練も一際厳しいのに脱落者は出ないとか………トルンタ家以外で真似したところもあるようですが、脱落者が相次ぐほどの厳しい鍛練なんですよ」
宰相様が、侯爵夫人の言葉に補足?を付け加えてくれる。鍛練か………脱落者がトルンタ家の騎士にいない理由は、侯爵夫人みたいな怪力な人が多かったりするのかな?でも軟弱者もって言うぐらいだし………。
っていやいや、そうじゃなくてそれが忠誠心とどう関係あるのかって話だよね。
「厳しい鍛練に脱落者が出ない理由こそトルンタ家の掲げる正義たる想いにあります。それこそがスモール家に対する忠誠心を代々受け継いできた真髄になります。」
トルンタ家の掲げる正義かあ……。スモール家との関係性が全く浮かばないなあ。
「トルンタ侯爵含めて、騎士たちが正義の騎士と言われるのは俺も知っているが、掲げるもなにも正義は正義じゃないのか。」
陛下が何を言ってるんだ?とばかりに侯爵夫人を見て言いのけた。まあ、正義は正義……だよね?トルンタ家には正義により基準みたいなのがある、とか?
「人によって正義は違います。トルンタ家はいくら正義の騎士が集う場所と言われようと、人間なので間違うこともあります。しかし、ただひとつ………誰もが共通する正義があるです」
「共通する正義……ですか?」
私もわからないけれど、首を傾げたトールもわからなかったようで聞き返す。陛下や宰相様もわかっていない様子だ。
そんな中で侯爵夫人は
「共通する正義………それはかわいいは正義ということですわ!」
恐れ入ったかと言うばかりに自信満々に言いのけた。
「かわいいは……正義……なるほどな」
何故か陛下が納得したように私を見る。何を納得してるんですか……?
「かわいいは正義……!つまりスモール家は正義と!」
そして宰相様は何を言ってるんだろうか。何故そうなる……?
「そのとおり!つまりかわいいを汚すものには正義の鉄槌を……何逃げとんじゃあああ!とりゃあっ」
「ぐふっ」
いつの間にかボロボロの姿で這いずってこの場から逃げようとしていたらしい伯爵に、侯爵夫人はいち早く気づいてかかと落としを決めた。
「侯爵夫人は騎士なんでしょうか………」
「あら、私はか弱い淑女であって騎士ではないわ……おほほ」
か弱いとは………?
恐らくこの場で誰もが思っただろう疑問にしばらく場はしーんと静まり返るのだった。
トールもさすがに引いている様子で、尋ねた。まあ100年以上もいくら親友を助けられたからと言って子孫に受け継がれていくような忠誠ではないだろうし………。
「トルンタ家はトルンタ家独自の正義を掲げてその想いをもって優秀な騎士を育ててきました」
「トルンタ家はどんな軟弱者も必ず優秀な騎士となるというのは有名ですね。鍛練も一際厳しいのに脱落者は出ないとか………トルンタ家以外で真似したところもあるようですが、脱落者が相次ぐほどの厳しい鍛練なんですよ」
宰相様が、侯爵夫人の言葉に補足?を付け加えてくれる。鍛練か………脱落者がトルンタ家の騎士にいない理由は、侯爵夫人みたいな怪力な人が多かったりするのかな?でも軟弱者もって言うぐらいだし………。
っていやいや、そうじゃなくてそれが忠誠心とどう関係あるのかって話だよね。
「厳しい鍛練に脱落者が出ない理由こそトルンタ家の掲げる正義たる想いにあります。それこそがスモール家に対する忠誠心を代々受け継いできた真髄になります。」
トルンタ家の掲げる正義かあ……。スモール家との関係性が全く浮かばないなあ。
「トルンタ侯爵含めて、騎士たちが正義の騎士と言われるのは俺も知っているが、掲げるもなにも正義は正義じゃないのか。」
陛下が何を言ってるんだ?とばかりに侯爵夫人を見て言いのけた。まあ、正義は正義……だよね?トルンタ家には正義により基準みたいなのがある、とか?
「人によって正義は違います。トルンタ家はいくら正義の騎士が集う場所と言われようと、人間なので間違うこともあります。しかし、ただひとつ………誰もが共通する正義があるです」
「共通する正義……ですか?」
私もわからないけれど、首を傾げたトールもわからなかったようで聞き返す。陛下や宰相様もわかっていない様子だ。
そんな中で侯爵夫人は
「共通する正義………それはかわいいは正義ということですわ!」
恐れ入ったかと言うばかりに自信満々に言いのけた。
「かわいいは……正義……なるほどな」
何故か陛下が納得したように私を見る。何を納得してるんですか……?
「かわいいは正義……!つまりスモール家は正義と!」
そして宰相様は何を言ってるんだろうか。何故そうなる……?
「そのとおり!つまりかわいいを汚すものには正義の鉄槌を……何逃げとんじゃあああ!とりゃあっ」
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いつの間にかボロボロの姿で這いずってこの場から逃げようとしていたらしい伯爵に、侯爵夫人はいち早く気づいてかかと落としを決めた。
「侯爵夫人は騎士なんでしょうか………」
「あら、私はか弱い淑女であって騎士ではないわ……おほほ」
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