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デジャヴ?

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「これは100年以上大昔のことから始まります」

まさかの大昔。というかスモール家が100年も伝統のある家だったろうか?まだ存在すらしていなかったはず………。

「ああ、まだスモール村だったときですね」

宰相様が当然のようにその疑問を解消してくれた。村………なるほど貴族になる前はスモールの領地は小さな村だったと勉強した気がする。

「はい。今あるスモール家は村長として、村中をとっとっことっとっことまるで回し車を回るハムスターのように可愛らしい姿で村のために走り回っていた頃にございます」

まるで少し昔の子供を見てきたように言っているけれど100年前なら生きてない頃だよね………?それにハムスター…………って。

「それは………可愛いだろうな」

陛下、こちらを見て言うのは何故ですか…………?私は高位の貴族ではないにしろちゃんと令嬢として最低限のマナーは学んできたつもりですから淑女らしい姿勢でそれなりには歩けますよ?走り回ったりは……………しないはずですよ?とりあえずハムスターみたいな走りではない……はず!

「その頃、ある旅人がスモール村に入ったとたん飢え死にしかけて倒れたのです」

あ、もしかしてその旅人をスモール家が村長時代助けたとか………?それがトルンタ家の縁者…………にしては昔すぎてやっぱり他人のような………。

「その旅人を助けたのがスモール村長でして…………」

うん、やっぱりデジャヴ。他人レベルじゃないかな?スモール村の村人と結婚をしたとしてもトルンタ侯爵家とは離れてるし………宰相様と似たような感じな気がしてならない。

「それに感謝した旅人の親友がトルンタ家の先祖なのです」

「「「ん?」」」

その付け加えの一言に私と陛下とトールが首を傾げた。一気に関係ないところへ急カーブしたようなそんな感じの話だ。まだ旅人の子孫がトルンタ家である方がしっくりきただろう。

「旅人は飢え死にせず無事その親友ことトルンタ家のものに会え、話を聞いたトルンタ家は泣いて喜びスモール村に忠誠を………」

「あ、あの………スモール村のものにトルンタ家はお会いされたんでしょうか?」

さすがのトールもまさかと感じたのだろう。そんな問いかけをした。

「影ながら見守ったと記されてはいますが、お会いはされてないかと………絵姿は代々伝えられているようですが………」

そしてまさかのまさか、他人どころじゃない…………知り合いですらないのに忠誠を………?それが100年以上続いているのだから宰相様以上にスモール家への忠誠が謎でしかない。寧ろ恐怖では………?
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