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公爵の暗殺に次ぐ判断ミス

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将来のために勉強や鍛練などしながらナイトと共に日々を過ごす昼頃に陛下からの呼び出しがあったため謁見の間に行けば既にその場には僕が知る人物がいた。

「あに、うえ………」

「エンド……殿下」

何故今では………ループ公爵家の長男がここに?

「よく来た。我が息子たち」

「……陛下、何故ここにループ公爵家のご子息が?」

僕の疑問はやはりナイトも感じたのか先んじて陛下に訪ねてくれた。父と言ってもらえなかったのが残念なのか少しばかり陛下がしょんぼりしたような気がしたけど……気のせいだろう、うん。

「お主から言うがよい」

「はい。改めてお久しぶりです、エンド殿下」

「……あ、に……うえ……」

ああ、情けない。思ったよりも動揺しているのかさっき以上に声が震え始めた。陛下の前だから変なことはしないだろうけど、何を言われるのだろうとつい身構えてしまう。

「まずは今までのことを許してほしいとは言いません。しかし、謝罪だけさせてください。今だけは兄として……辛い思いをさせてきて申し訳なかった」

「何を、何を……っ今更!」

まさかの謝罪に思わず大きな声が出る。しかし、覚悟していたとばかりに兄は頭を下げたままあげない。

「いくらでも怒ってくれても構わない。身分を振りかざして私を不敬罪として処分しようと私はエンドを恨まないよ」

「……っ」

ようやく顔をあげた兄に言葉が詰まる。あえて僕がそう罪に問いやすいような言葉遣いで話す兄にどうしていいかわからなくなった。自ら罪に問われようという覚悟にずるいとさえ思う。迷うのをわかっていてそう言ってるんじゃないかと。

「けど」

ほらやっぱり、どうせ怖くなったんだとなんとなく安堵したのも束の間。

「エンドのためにしにきたことだけ聞いてほしい」

何を言われたかわからなかった。兄は今なんと言ったのか。

僕のため………?

「先程陛下にエンドを暗殺しようとしていた父の証拠をまとめて渡した。それに使うお金が足りず不正に領民たちの税をあげている証拠もね。これでループ公爵家は潰れ、父は処刑確実だろう。エンドはもう何も心配しなくていいんだ」

急な情報量に訳がわからない。だって僕は知ってる。僕には冷たかった家族たちだけど家族の仲は遠目から見ても良好だった。なのにその中にいた兄が父を処刑台に立たすとわかっていながらの行動をしたと………何故か僕のために。

それこそ何故今更僕のために?やはり父は僕を殺すほど母のことを憎んで……ああもう頭がパンクしそうだ。

「エンド様!」

ナイトの言葉を最後にもはや何から考えていいかわからならなくなった僕は気を失った。
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