9 / 34
笑顔
しおりを挟む
嫌な予感とは当たるものだ。ナイトが専属従者になったとたん最初の朝からナイトは傷をつくり、それを機に毎日傷が増えていく。止めたところで素知らぬそぶりをされ、その場限りでしか止められない。
何しろ父すらも容認した様子だから余計にエスカレートするばかりだ。なんて情けない主人なのだろう、僕は。
それでも僕に笑いかけてくれるナイトはこれくらいで見放すものかと尽くしてくれるのだから泣きそうにすらなる。
月日が経つ度、ナイトが僕に尽くしてくれる度にナイトを離せそうになくなる自分が恐い。どちらにしろ契約のせいでナイトは僕を裏切れないのだけど。離れようと思った時点でそれは死を意味するだろう。
いつか僕に誓いをたてたことを後悔されでもしたら僕の方が耐えられなくなりそうだ。ナイトの傍はあまりにも心地いいから。
「エンド様、朝食です」
「ありがとう。毎日ごめんね」
「いえ、俺がやりたいことなので」
本当なら一人称を正したりするべきなのだろうが、僕はあえて好きなようにさせている。気安い感じがしてありのままのナイトを感じるから。ただひとりの僕の味方。
「でもいつも傷が増えてる。料理は放っておけば用意されるよ?」
「……俺の料理もしかしてまずいですか?」
「そんな!凄く美味しいよ!?」
これは本当だ。ナイトの料理はいつも温かくてできたてだから余計に美味しい。なんだか珍しい料理ばかりだけどまずかったことなど一度もないのだ。
スラムで暮らしていただろうにどこで料理を習ったのか疑問だけど、もしかして契約のギフト?なんて思ったりもする。早すぎる気はするけど、これだけ尽くしてくれるのだから神様に認められてもいい気がした。親ばかならぬ主人ばかだろうか?そう思われても全く構わないけれど。
「なら問題ないですね。俺はエンド様が俺の料理を食べてくれるだけで俺がエンド様の身体を作ってると思うと興奮するくらい嬉しいので気になさらないでください」
あえて従者の欠点というか残念なところを述べようとすれば時々変なことを言うくらいだろう。笑顔は爽やかなのに言ってることが変態っぽいというか、こう背筋がぞくっとするというか……いや、まあ月日もたって何回もその言動を経験すれば慣れたものだけどね。
「うん、まあ、ありがとう」
「エンド様のお礼をいただけるだけで俺はここの騎士20人倒せそうです!いや、倒してきます!」
なんだかんだそれでも大事な従者に代わりはないし、寂しさや孤独を感じないのも彼のおかげなのだから感謝しかない。本人がしたいと言うなら理由はともかく無理にやめさせる気も起きないし、とりあえずご飯の用意は任せるしかないようだ。
なんて考えてる間に彼は有言実行を始める。正直やっぱりギフト送られてない?と思ってしまうのは彼の身体能力が尋常ではないから。そんな彼を見て心配とは別に傷が増えているのわざとかな?と思ってしまう時がある僕はおかしいだろうか。
何しろ父すらも容認した様子だから余計にエスカレートするばかりだ。なんて情けない主人なのだろう、僕は。
それでも僕に笑いかけてくれるナイトはこれくらいで見放すものかと尽くしてくれるのだから泣きそうにすらなる。
月日が経つ度、ナイトが僕に尽くしてくれる度にナイトを離せそうになくなる自分が恐い。どちらにしろ契約のせいでナイトは僕を裏切れないのだけど。離れようと思った時点でそれは死を意味するだろう。
いつか僕に誓いをたてたことを後悔されでもしたら僕の方が耐えられなくなりそうだ。ナイトの傍はあまりにも心地いいから。
「エンド様、朝食です」
「ありがとう。毎日ごめんね」
「いえ、俺がやりたいことなので」
本当なら一人称を正したりするべきなのだろうが、僕はあえて好きなようにさせている。気安い感じがしてありのままのナイトを感じるから。ただひとりの僕の味方。
「でもいつも傷が増えてる。料理は放っておけば用意されるよ?」
「……俺の料理もしかしてまずいですか?」
「そんな!凄く美味しいよ!?」
これは本当だ。ナイトの料理はいつも温かくてできたてだから余計に美味しい。なんだか珍しい料理ばかりだけどまずかったことなど一度もないのだ。
スラムで暮らしていただろうにどこで料理を習ったのか疑問だけど、もしかして契約のギフト?なんて思ったりもする。早すぎる気はするけど、これだけ尽くしてくれるのだから神様に認められてもいい気がした。親ばかならぬ主人ばかだろうか?そう思われても全く構わないけれど。
「なら問題ないですね。俺はエンド様が俺の料理を食べてくれるだけで俺がエンド様の身体を作ってると思うと興奮するくらい嬉しいので気になさらないでください」
あえて従者の欠点というか残念なところを述べようとすれば時々変なことを言うくらいだろう。笑顔は爽やかなのに言ってることが変態っぽいというか、こう背筋がぞくっとするというか……いや、まあ月日もたって何回もその言動を経験すれば慣れたものだけどね。
「うん、まあ、ありがとう」
「エンド様のお礼をいただけるだけで俺はここの騎士20人倒せそうです!いや、倒してきます!」
なんだかんだそれでも大事な従者に代わりはないし、寂しさや孤独を感じないのも彼のおかげなのだから感謝しかない。本人がしたいと言うなら理由はともかく無理にやめさせる気も起きないし、とりあえずご飯の用意は任せるしかないようだ。
なんて考えてる間に彼は有言実行を始める。正直やっぱりギフト送られてない?と思ってしまうのは彼の身体能力が尋常ではないから。そんな彼を見て心配とは別に傷が増えているのわざとかな?と思ってしまう時がある僕はおかしいだろうか。
2
お気に入りに追加
1,397
あなたにおすすめの小説
大親友に監禁される話
だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。
目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。
R描写はありません。
トイレでないところで小用をするシーンがあります。
※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
周りが幼馴染をヤンデレという(どこが?)
ヨミ
BL
幼馴染 隙杉 天利 (すきすぎ あまり)はヤンデレだが主人公 花畑 水華(はなばた すいか)は全く気づかない所か溺愛されていることにも気付かずに
ただ友達だとしか思われていないと思い込んで悩んでいる超天然鈍感男子
天利に恋愛として好きになって欲しいと頑張るが全然効いていないと思っている。
可愛い(綺麗?)系男子でモテるが天利が男女問わず牽制してるためモテない所か自分が普通以下の顔だと思っている
天利は時折アピールする水華に対して好きすぎて理性の糸が切れそうになるが、なんとか保ち普段から好きすぎで悶え苦しんでいる。
水華はアピールしてるつもりでも普段の天然の部分でそれ以上のことをしているので何しても天然故の行動だと思われてる。
イケメンで物凄くモテるが水華に初めては全て捧げると内心勝手に誓っているが水華としかやりたいと思わないので、どんなに迫られようと見向きもしない、少し女嫌いで女子や興味、どうでもいい人物に対してはすごく冷たい、水華命の水華LOVEで水華のお願いなら何でも叶えようとする
好きになって貰えるよう努力すると同時に好き好きアピールしているが気づかれず何年も続けている内に気づくとヤンデレとかしていた
自分でもヤンデレだと気づいているが治すつもりは微塵も無い
そんな2人の両片思い、もう付き合ってんじゃないのと思うような、じれ焦れイチャラブな恋物語
【報告】こちらサイコパスで狂った天使に犯され続けているので休暇申請を提出する!
しろみ
BL
西暦8031年、天使と人間が共存する世界。飛行指導官として働く男がいた。彼の見た目は普通だ。どちらかといえばブサ...いや、なんでもない。彼は不器用ながらも優しい男だ。そんな男は大輪の花が咲くような麗しい天使にえらく気に入られている。今日も今日とて、其の美しい天使に攫われた。なにやらお熱くやってるらしい。私は眉間に手を当てながら報告書を読んで[承認]の印を押した。
※天使×人間。嫉妬深い天使に病まれたり求愛されたり、イチャイチャする話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる