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まあ話は戻るとして恐れ多くもラフィーナファンクラブメンバーは行動力がすごかったようだ。
「ラーダ殿下!王太子には貴方がなるべきです!」
「あんな人に国を任せたら国が滅びます!」
時に手紙で、時に親を使って、時に社交界の場で……ラーダ殿下と陛下、王妃に多くの陳情がユーザ殿下の知らぬところで届き、逆にラーダ殿下を擁護する声が増えたとか。
さらにそれに比例して……
「ラーダ殿下にはラフィーナ様がお似合いかと!」
「寧ろラフィーナ様なしにこの国は成り立ちません!」
と私の株もうなぎ登り~……気持ちは嬉しいし、国のために頑張りたい気持ちはある。とはいえ、ここまでのことをしてもらえるほどのことを私はした記憶がない。
結局のところユーザ殿下がだめすぎて私がよく見えるだけじゃないかと……。そんなことを思いながら話される続き。
それはそんな陳情が届く中、ある日リアンヌとユーザ殿下が男女の仲であることが発覚し、それはもう抗議がすごかったらしい。
「不貞だ!」
「あんなのが王子などこの国の恥だ!」
「ラフィーナ様じゃなくあんな女を選ぶなど女を見る目すらない!」
「ああ……っ私の娘がすみません、すみません……この際心中を……!」
とリアンヌの父親さんが混ざって謝罪し自殺をしようとして一悶着あったようだがなんとか説得し、そんな中ユーザ殿下が卒業パーティーの場で私と婚約破棄しようと企んでいることを知り、今回の計画に出たのだとか。
警戒心ゆるゆるすぎないだろうか、ユーザ殿下。ブラは隠し通せていたみたいなのに。
とにかく踏みとどまれば王太子の座はどちらにしろラーダ殿下に渡す予定だったらしいが、王族ではいられたらしい。
つまりそういうことだ。
「ユーザ殿下は王族ですらなくなると……?」
「そうだな、何故ああなったのかはわからんが……。権威の使い方を間違えた自業自得だ。処刑という話も出ている」
「そんな……処刑まで?」
「元々あの子はあのリアンヌと共にラフィーナ嬢をはめて処刑にしようと考えていましたからね。それが自分になるだけの話ですわ」
王妃様の言う処刑……それって確か乙女ゲームでもレア的なバッドエンドだったはず。だから最悪国外追放とばかり考えていたけど、まさかそっちの方だったなんて……。今更ながらに悔しさとは別の恐怖で震えが来る。
「ラフィーナ嬢……今はもう大丈夫だよ」
「は、はい……」
ラーダ殿下がそっと肩に手を置いてくれ、安心させるように言ってくれる言葉にほっと息を吐く。
そして少し冷静になると疑問がひとつ。目的はてっきり猫様たちのことかと私は思っていたから。あの時の王妃の言葉からして。
『では、決定ですね。今日からざらめ様を部隊長とし猫部隊の結成を認めます。部隊の名はにゃんこ隊!異議はありますか?』
その後に目的を達成したからとユーザ殿下たちを捕縛するように指示をした。やっぱりおかしいよね?
「まあ、後は猫たちのことですね。これはちょうどいい機会だったというのもありますが、成功すればそれは息子が死ぬか平民、もしくは奴隷落ちが決まるというものが前提で採用したものです」
「聞かせていただいても……?」
「ええ、もちろん」
そうしてまた話が始まる。猫様たちが活躍に至った話を……。
「ラーダ殿下!王太子には貴方がなるべきです!」
「あんな人に国を任せたら国が滅びます!」
時に手紙で、時に親を使って、時に社交界の場で……ラーダ殿下と陛下、王妃に多くの陳情がユーザ殿下の知らぬところで届き、逆にラーダ殿下を擁護する声が増えたとか。
さらにそれに比例して……
「ラーダ殿下にはラフィーナ様がお似合いかと!」
「寧ろラフィーナ様なしにこの国は成り立ちません!」
と私の株もうなぎ登り~……気持ちは嬉しいし、国のために頑張りたい気持ちはある。とはいえ、ここまでのことをしてもらえるほどのことを私はした記憶がない。
結局のところユーザ殿下がだめすぎて私がよく見えるだけじゃないかと……。そんなことを思いながら話される続き。
それはそんな陳情が届く中、ある日リアンヌとユーザ殿下が男女の仲であることが発覚し、それはもう抗議がすごかったらしい。
「不貞だ!」
「あんなのが王子などこの国の恥だ!」
「ラフィーナ様じゃなくあんな女を選ぶなど女を見る目すらない!」
「ああ……っ私の娘がすみません、すみません……この際心中を……!」
とリアンヌの父親さんが混ざって謝罪し自殺をしようとして一悶着あったようだがなんとか説得し、そんな中ユーザ殿下が卒業パーティーの場で私と婚約破棄しようと企んでいることを知り、今回の計画に出たのだとか。
警戒心ゆるゆるすぎないだろうか、ユーザ殿下。ブラは隠し通せていたみたいなのに。
とにかく踏みとどまれば王太子の座はどちらにしろラーダ殿下に渡す予定だったらしいが、王族ではいられたらしい。
つまりそういうことだ。
「ユーザ殿下は王族ですらなくなると……?」
「そうだな、何故ああなったのかはわからんが……。権威の使い方を間違えた自業自得だ。処刑という話も出ている」
「そんな……処刑まで?」
「元々あの子はあのリアンヌと共にラフィーナ嬢をはめて処刑にしようと考えていましたからね。それが自分になるだけの話ですわ」
王妃様の言う処刑……それって確か乙女ゲームでもレア的なバッドエンドだったはず。だから最悪国外追放とばかり考えていたけど、まさかそっちの方だったなんて……。今更ながらに悔しさとは別の恐怖で震えが来る。
「ラフィーナ嬢……今はもう大丈夫だよ」
「は、はい……」
ラーダ殿下がそっと肩に手を置いてくれ、安心させるように言ってくれる言葉にほっと息を吐く。
そして少し冷静になると疑問がひとつ。目的はてっきり猫様たちのことかと私は思っていたから。あの時の王妃の言葉からして。
『では、決定ですね。今日からざらめ様を部隊長とし猫部隊の結成を認めます。部隊の名はにゃんこ隊!異議はありますか?』
その後に目的を達成したからとユーザ殿下たちを捕縛するように指示をした。やっぱりおかしいよね?
「まあ、後は猫たちのことですね。これはちょうどいい機会だったというのもありますが、成功すればそれは息子が死ぬか平民、もしくは奴隷落ちが決まるというものが前提で採用したものです」
「聞かせていただいても……?」
「ええ、もちろん」
そうしてまた話が始まる。猫様たちが活躍に至った話を……。
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