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6章
夫婦生活は本物になる6~夫視点~
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「結婚の招待状?」
朝届いていた一枚の招待状には僕と美世、二人を結婚式に招待したいという内容だった。送られてきた人物なだけに、できるだけ早く出席か、欠席かを決めなくてはならない。
「うん、どうやら伊集院家の娘の結婚式へ招待したいらしい」
そう、相手は元婚約者の伊集院結愛。人のことは言えないけど、随分急な話だ。
「和解はしているとはいえ、元婚約者とその妻を誘うなんて中々やるわね。結愛本人はともかく、旦那様になる方は知っているのかしら?」
「さあ?でも行くんだよね?」
元婚約者の相手というより、美世の友人の相手として結婚相手がどんな人か気にならなくもない。不審人物なら結愛と友人の美世も危ないからね。
「行きたいわ!友人の結婚式だもの!でも、お付き合いしている方がいるなんて聞いていなかったんだけど・・・瑠璃には話してあるのかしら?それなら、少し寂しいわね」
「サプライズしたかったんじゃないかな?」
あれから大袈裟に変わるほどではなくても表情が随分豊かになった美世。しょんぼりとした姿を撮りそうになり、我慢する。両想いになってからストーカー行為は自重するようにしているからだ。
とはいえ、いつまでも美世を落ち込ませてはいけないとフォローは入れる。美世にはいつでも笑っていてほしいからね。
「サプライズ!確かに驚いたわ!お祝いは何にしようかしら?びっくり箱なんてどうかしら?」
「いいんじゃないかな?」
僕だったら美世が選んだもの、何でも嬉しいしね。
「着替えも結婚式に合わせたものにしないと・・・」
「コーディネイトは任せて」
「お願いするわ。準備してくるわね」
これは久々のデート。デートの理由をくれた招待状に感謝すべきだろう。とはいえ、どちらにしろ二人で過ごす予定ではあったけど。お礼に僕からもお祝い・・・とは思ったけど、さすがに個人的にはすべきではないだろう。
美世と僕からということでびっくり箱ひとつにすべきかな。美世が決めたんだからお祝いに文句は言わせないし、伊集院家だからお金は有り余るほどにある。宝石やらなんやら普通に高いだけのものより、美世の提案のお祝いの方がよっぽどいいだろう。
びっくり箱のオーダメイドはあるんだろうか?どうせなら美世を楽しませたい。美世の準備が整うまでに確認しとかないと。
この時の僕は気づいてなかった。紙は二重になっていて、実はシールのようにはがせることを。さらに、そのはがした先に嘘ですと書かれた偽の招待状の存在に。
まさか着々と僕たちの二度目の結婚式の準備が推し進められているとは思わず、僕らはお祝い探しと言う名のデートをするため、外にでかけるのだった。
朝届いていた一枚の招待状には僕と美世、二人を結婚式に招待したいという内容だった。送られてきた人物なだけに、できるだけ早く出席か、欠席かを決めなくてはならない。
「うん、どうやら伊集院家の娘の結婚式へ招待したいらしい」
そう、相手は元婚約者の伊集院結愛。人のことは言えないけど、随分急な話だ。
「和解はしているとはいえ、元婚約者とその妻を誘うなんて中々やるわね。結愛本人はともかく、旦那様になる方は知っているのかしら?」
「さあ?でも行くんだよね?」
元婚約者の相手というより、美世の友人の相手として結婚相手がどんな人か気にならなくもない。不審人物なら結愛と友人の美世も危ないからね。
「行きたいわ!友人の結婚式だもの!でも、お付き合いしている方がいるなんて聞いていなかったんだけど・・・瑠璃には話してあるのかしら?それなら、少し寂しいわね」
「サプライズしたかったんじゃないかな?」
あれから大袈裟に変わるほどではなくても表情が随分豊かになった美世。しょんぼりとした姿を撮りそうになり、我慢する。両想いになってからストーカー行為は自重するようにしているからだ。
とはいえ、いつまでも美世を落ち込ませてはいけないとフォローは入れる。美世にはいつでも笑っていてほしいからね。
「サプライズ!確かに驚いたわ!お祝いは何にしようかしら?びっくり箱なんてどうかしら?」
「いいんじゃないかな?」
僕だったら美世が選んだもの、何でも嬉しいしね。
「着替えも結婚式に合わせたものにしないと・・・」
「コーディネイトは任せて」
「お願いするわ。準備してくるわね」
これは久々のデート。デートの理由をくれた招待状に感謝すべきだろう。とはいえ、どちらにしろ二人で過ごす予定ではあったけど。お礼に僕からもお祝い・・・とは思ったけど、さすがに個人的にはすべきではないだろう。
美世と僕からということでびっくり箱ひとつにすべきかな。美世が決めたんだからお祝いに文句は言わせないし、伊集院家だからお金は有り余るほどにある。宝石やらなんやら普通に高いだけのものより、美世の提案のお祝いの方がよっぽどいいだろう。
びっくり箱のオーダメイドはあるんだろうか?どうせなら美世を楽しませたい。美世の準備が整うまでに確認しとかないと。
この時の僕は気づいてなかった。紙は二重になっていて、実はシールのようにはがせることを。さらに、そのはがした先に嘘ですと書かれた偽の招待状の存在に。
まさか着々と僕たちの二度目の結婚式の準備が推し進められているとは思わず、僕らはお祝い探しと言う名のデートをするため、外にでかけるのだった。
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