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3章

夫婦生活の恋の宿敵2

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「美世、さすがの僕もよくわからないな。何がしたいの?」

先に口を開いたのは結愛でなく、時雨。あの余裕の笑みが崩れているわよ?気づいているのかしら。

「私、あなたみたいに嫉妬とかしてみたいのよ。そうすれば恋がわかるかもしれないわ」

まあ、嘘をついても仕方ないので素直に話せば、納得いかないとばかりの不機嫌な顔。

「・・・この女の誘いを受けろとは言わないよね?」

「さすがにそこまでは言わないけど、ひっつく程度は私が許すわ。」

「僕は君以外に触られるのは気持ちが悪いだけなんだけど?」

随分と嫌がるわね。どれだけ女性に嫌悪を抱いているの?これじゃあ、嫉妬ひとつさせてもらえないわ。できるかもわからないけど。

「私を置いて話を進めないでくれるかしら!?」

ようやくご登場ね。私の宿敵様。別に忘れていた訳じゃないのよ?

「というわけで当て馬を頼みたいのだけど」

「どういうわけよ!時雨様も嫌がってるじゃない!私に二度振られろとおっしゃるの!?」

一度も二度も同じに感じるけど違うのかしら?にしても・・・

「振られるとわかっていて、今だ私たちの関係を反対しようと必死になる理由がわからないわ」

「う・・・っあ、当て馬になるとわかってて協力するバカがいるとお思いなの!?」

図星のようね。言葉に詰まりながらも言い返す姿は立派だわ。

「でも、妻がいながら時雨にひっついてもいいのよ?」

「嫌がられる身にもなりなさいよ!」

「婚約者だった時はしつこいくらいにひっついていたと聞いていたけど?」

あ、誰よりもひっついてきていただったかしら?まあどちらも同じよね。

「こんな素敵な人が、婚約者なんて浮かれても仕方ないじゃない!」

「それは・・・時雨相手ならそうなるのかしら?」

「君は浮かれてくれないね?」

「浮かれる気持ちがよくわからないのよ。」

「もう、貴女なんなのよ!」

「星影美世です。先程自己紹介したわよ?」

「そうじゃないわ!」

なんなのと聞かれたから答えただけなのに怒られたわ。さっきから苛立っているようだけど。

「これが愛で人が狂うというあれかしら?狂愛」

「違うと思うよ」

「人を狂人扱いしないでちょうだい!」

頭を凄い勢いでかきむしる女性に色気より狂気を感じる私がおかしいのかしら?愛って難しいわ。恋すらまだわからない私には難易度が高すぎるのね。

「当て馬なさらない?」

「誰が貴女の言うことなんて!もう帰りますわ!」

「結愛、何故怒ったのかしら?」

「僕も今回に限っては反対だからね?」

私の味方はいないようだ。瑠璃に相談したら味方になってくれるだろうか?ヤキモチを妬くまでの行程がこうも厳しいなんて思わなかったわ。

時雨にすら反対されるなんて。これをきっかけに恋ができるかもしれないのに。

まあ私がしたいのだから諦める気は更々ないけどね?こうして私と時雨と結愛の闘いは始まった。

けど、私が負けるはずないでしょ?私は私のやりたいように生きるのだから。

何が何でも結愛には当て馬、時雨にはそれに付き合っていただかなきゃ。ヤキモチが妬けたら結愛を振ってもらって終わり。きっとその瞬間恋が芽生えるんだわ。でも、よく考えたら中々の屑ね、私。まあ、私がよければすべてよし!その時には、結愛にちゃんとお礼くらいは言うことにしましょう。

時雨には・・・恋をした後考えることにするわ。

そしてその日から私は二人に説得をするための作戦を考え、実行するのだった。

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