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2章

夫婦生活の報告7

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まあ、それに続いて瑠璃に話したような時雨との夫婦生活を、時雨と共にどんな感じか話せば、聞いているのかいないのか、両親共に項垂れている。

威厳は何処へ。

「そんなわけでうまくやっていますし、監視は護衛、もしくは便利なものと思ってますから気にはなりませんし、私が何かをする度邪魔するわけでもないので別に構わないのです。」

「毎日美世の写真を堂々と撮れるのは夫の特権だね。いつかは美世を僕に惚れさせるから気にすることはないよ、父さん、母さん」

「そういうことでは・・・」

「あなた、二人が了承した上でなら私たちがいくら言っても無駄よ」

「そう、だな」

話を聞いていただけのはずのお二人が何故か疲労しきっている。時雨は相変わらずにこにこしているし、少し考えはしたけど、やっぱり気にしないことした。

「そういえば、孫とかはほしいものですか?」

「「ぶっ」」

これ以上夫婦生活について話す必要もないし、将来について思い付いた言葉を言えば、吹き出す夫婦。ちらりと隣を見やれば、時雨はにこりと・・・いや、笑みを浮かべながら固まっているわ。

夫婦なのだからいつかあってもおかしくないことを言っただけなのだけど。恋や愛はともかく、子供は作れないわけではないのだし。

「うん、子供、子供ね。僕は急がないよ。美世とはちゃんと愛し合いたいから」

「愛せなかったら?」

「それはそれで僕の実力不足だから、傍にいられるだけで満足だよ」

一番に復活したのは時雨。まだ目が泳いでいるくらいには動揺しているよう。にしても、夫婦とは傍にいるだけで成り立つものなのね。男は狼と瑠璃から聞いたことがあるけれど、時雨は違うみたい。

まるでそういうことには関与したことがないように見えるわ。時雨ほどの美形なら、いくら女性に嫌悪を覚えるようになったとはいえ、嫌悪を持つ以前に、所謂肉体関係があっても私はやっぱりと思う。

けど、もしかしてそういった経験がない?余裕なさげな時雨は始めて見るもの。いつもはにこにこと笑顔で余裕をかましているのに。

「時雨って童貞なの?」

「「ごほっげほっ」」

両親が揃って咳き込み始めた。本当に息の揃った夫婦ね。

「・・・女性に嫌悪感を抱いてた話はしましたよね?」

あら、久々の丁寧口調。明らかに動揺しているのが丸わかりだわ。

「嫌悪がいつからあったかは聞いてないもの。それ以前には、そういったこともしていたのとばかり思っていたわ。一緒に寝ることにも躊躇いもなかったわけだし」

「それは服を着ていたから・・・」

「ああ、お風呂が別なのは私の全裸を見るのが恥ずかしいから?」

「が、画面越しなら見れるよ!」

「ふ、ふふ・・・っあははっ」

もはや、何のアピールだろうとも思う。意外な時雨の態度を見て思わず笑ってしまった。本当に時雨は私を退屈させない。こんなに大笑いしたのは初めてじゃないだろうか?

ガードゲームとは全く違う楽しさなのが私にだってわかる。きっと私の感情をここまで動かせるのは時雨だけ。恋すらできる気もする。

恋をした時、私も時雨のようになるのかしら?

客間には私の笑い声が響いた。
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