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6.5章実は泣いていたミーアと裏話を知りましょう

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これはミーアの誕生日秘話・・・。

「「「ミーア(様)誕生日おめでとう」」」

「え、あ、え・・・っ!」

ミーアが朝起きると狙ったかのような重なった声、そして部屋の中はいつもと違い飾り立てられ、魔王、大天使、ネコが立っていた。

そう、今日はミーアの7歳の誕生日。三にんはミーアを朝から祝おうと待ち構えていたのだ。

「ミーア、まずは着替えないとな」

主役を寝間着のままいさせられないと魔王は驚きで戸惑うミーアを抱き上げては立たせ、パチンと指を鳴らして女の子らしくほんのりとした落ち着いたピンク色のドレスへと服装を替える。

「髪も整えねばなりませんね」

大天使は祈るように手を組めば、鈴の音がどこかから聞こえ、とたんにミーアの髪がドレスに合わせたように整えられる。髪飾りもつけられ、その姿は童話にでも出てきそうな可愛らしいお姫様である。

「可愛すぎて狙われそうだわ。このハリセンを持って完成ね」

「やめろ、いらん」

余計なことをするネコの頭をパシンと叩いて、ミーアを抱き上げることで阻止する魔王。

「乙女の頭を叩くにゃんて酷いわね、魔王」

「お前が乙女?笑わせる。ミーアを見てから言うんだな」

「くっ反論できないわ」

「あ、反論しないんですね」

「あにゃた、ミーアを見て言えるとでも?」

「無理ですね。ネコじゃ・・・いたっ」

どこからともなく出した二刀流のハリセンで大天使を叩くネコ。

「にゃんか腹が立ったわ」

「ふ、ふふ・・・っ」

「あら?」

そんなネコたちの様子を見て笑い出すミーアは一気に注目される的に。

「みんな、ありがとう」

「まだお礼を言うのは早い」

「うん・・・っほん、と、ありが、と・・・ふえぇっ」

「まだにゃくには早いわよ」

「ネコと違いミーア様は繊細ですから・・・うぐっ」

「一言多いのよ」

「ふっへへ・・・ぐずっ」

二度目のハリセン叩き。泣いているのか笑っているのか、もう訳がわからないミーアだが、それでも寂しくて泣いているわけでも、悲しくて泣いているわけでもない。

嬉しくて泣いているのだ。

まだ部屋を飾り付けを見て、言葉をもらい、漫才もどきを見せられ、可愛いドレスに着替えさせられ、髪もおしゃれにしてもらっただけ。

それでもそれだけでミーアにとっては胸がいっぱいになるくらいに純粋に嬉しかった。

「ミーア、今から今日が終わる日まで俺たちはミーアの奴隷にだってなろう。何がしたい?何がほしい?今日はミーアの日だ」

「魔王と協力する日が来るなんて思いもしませんでしたが、ミーア様が望むならなんだっていたしますよ」

「使用人たちもミーアを祝いたいとはりきっているのよ。ミーア、今からにゃいてたらキリがにゃいわよ?」

「う、ん!」

その日、ミーアは使用人たちに朝食時から豪華な料理で出迎え、やり過ぎたと魔王が呆れたり、ミーアにお願いされて魔王、大天使が協力して天候を変え、雪を降らせつもらせて遊んだり、乙女ゲームでは見られなかった現実による幻想的な景色が見える場所まで飛んで連れていってもらったり、と空を飛ぶ貴重な体験などミーアに印象深い誕生日となった。

昼食は朝食と違い、ネコも手伝ったちょっとしたものだったが、朝食が豪華で量も多かったのでちょうどよかったようだ。

「えんそく、みたい」

「そうね」

「えんそく?」

そんな会話をしながらも楽しい一時。

夜は夜で朝食以上に豪華で、何よりウエディングケーキの間違いではないかというバースデーケーキが用意されていた。

「食べきれないだろ」

「みんなで食べよう?」

そういったミーアの一言により、朝食とは違って身分関係なく行われた使用人も含めた食事はわいわいとして、行儀がいいともマナーがよいとも言えないが、それでも誕生日パーティーに相応しくミーアにとって楽しい晩御飯となったのだった。

「ミーア、もう・・・」

「今日くらい夜更かしゆるしにゃさいよ」

ミーアの健康を気遣う魔王が夜9時に差し掛かる頃に言おうとしたが、ネコが今日くらいと引き止めることでミーアは結局眠くなる10時過ぎまで楽しい誕生日を過ごした。

「きょう、は、ありがとう・・・うれ、しかった」

感極まって泣きながらも限界が来て眠るミーアに、誰もが微笑んでミーアを見るも、すぐ風邪を引くと魔王がミーアを部屋に連れていくのだった。

きっとこれからは素敵な誕生日が当たり前の日々となることだろう。

魔王以外の大天使、ネコ、使用人たちは誕生日の余韻がまだ残っているのか、片付けをしながらも来年はもっとこうしようああしようと既にミーアの来年の誕生日について話し合っていることをミーアと魔王は知らない。


追記
更新停止と言いながらすみません。実は今日12月31日、作者の誕生日だったのでつい書きたくなったため特別投稿。

1月1日0章にて小話更新ありです。
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