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11~弟視点~
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最初は自殺する考えではなかった。寝不足でふらふらする頭で考えるのは兄さんのことばかりでふと考え付いたものは兄さんの周囲から女を消すこと。女が居なくなれば未来がどうのこうのなんて言わなくなるだろうから。
現実的ではないから妄想するだけに終わったけど。寝不足で隈を作ろうが兄さんの写メばかり見ていようが今一番恨めしい女子たちはどんな時も集まってきてうるさい。
女のせいで兄さんは僕に女子との幸せを見ようとするし、離れるし、余計なことをして余計に兄さんが僕から離れていくし……殺意を抱かずにはいられない。殺人なんて犯したらそれこそ兄さんに軽蔑されるだろうかと思えば理性こそは保てたけど。
そんな中煩わしい女子たちからなんとか離れ隠れていた時にひとり、他とは違う変わった女子が話しかけてきた。変わったというよりもただ僕を他の女と違い恋愛的に見ていないというだけだけど。毎日毎日無駄にモテれば自ずとわかること。これは決して自惚れじゃなく事実でしかない。迷惑な現実。
「ふふ、やぁっと二人になれた。ねぇ、立川くんってお兄さん恋愛的な意味で好きだよね?」
バレた焦りなどは全くない。寧ろようやく話のわかる女子が現れたかとすら思った。それでも女というだけで憎たらしいが。兄さんと付き合え、兄さんから兄離れさせられる原因である限りこればかりはどうしようもない。
「好きだよ……誰よりも、何よりも。兄さんのためならなんだってできる」
「そう、そうよね!わかる、わかるわ!私もね、お姉ちゃんがいて恋愛的に好きなんだけど最近彼氏を作っちゃってね。結婚の約束までしちゃってるの」
「結婚……」
もし、もしも兄さんが僕の知らないところで結婚したら………僕は………。
「だからいっそお姉ちゃん殺して私も死のうかなって」
「なんで僕に?」
女なんていちいち覚えていないけど確か初対面だったはずだと記憶していたからこその疑問。高校に入って長いようで短い学校生活じゃ、積極的に行動しない限り初対面がまだまだいてもおかしくはない。
「私と同じ気がしたから……私お姉ちゃんしかいないの」
「………僕も兄さんしかいない」
周りに人がいくら集まろうと僕には兄さんだけ。兄さんしか見えていない。彼女の問いに不思議とそんな返事を返したのはどこかで同じ何かを彼女と同じく感じたからだろう。
「最後に立川くんと話せたのは運命の巡り合わせかな」
「それは君にとって?僕にとって?」
「さあ?それは私と立川くんの考え方次第じゃないかな」
そう言って去っていく彼女を僕は引き止めはしなかった。彼女の言葉の意味の理解と本気であることを感じとりながらも。
翌日、ひとりの女子高生が急に理由も告げず、挨拶もなしに転校したと僕の周りに集まる女が言った。名前こそ知らなかったが思い浮かぶのは昨日の彼女で事実が事実だけに伏せられたのだろうと勝手に理解し僕は誰にもそれを告げたりはしなかった。
しかしそれは後日僕に自殺するという決断をさせてくれることとなる。彼女と出会ったことは僕にとって運命の巡り合わせであったと今なら言えたほどに。
現実的ではないから妄想するだけに終わったけど。寝不足で隈を作ろうが兄さんの写メばかり見ていようが今一番恨めしい女子たちはどんな時も集まってきてうるさい。
女のせいで兄さんは僕に女子との幸せを見ようとするし、離れるし、余計なことをして余計に兄さんが僕から離れていくし……殺意を抱かずにはいられない。殺人なんて犯したらそれこそ兄さんに軽蔑されるだろうかと思えば理性こそは保てたけど。
そんな中煩わしい女子たちからなんとか離れ隠れていた時にひとり、他とは違う変わった女子が話しかけてきた。変わったというよりもただ僕を他の女と違い恋愛的に見ていないというだけだけど。毎日毎日無駄にモテれば自ずとわかること。これは決して自惚れじゃなく事実でしかない。迷惑な現実。
「ふふ、やぁっと二人になれた。ねぇ、立川くんってお兄さん恋愛的な意味で好きだよね?」
バレた焦りなどは全くない。寧ろようやく話のわかる女子が現れたかとすら思った。それでも女というだけで憎たらしいが。兄さんと付き合え、兄さんから兄離れさせられる原因である限りこればかりはどうしようもない。
「好きだよ……誰よりも、何よりも。兄さんのためならなんだってできる」
「そう、そうよね!わかる、わかるわ!私もね、お姉ちゃんがいて恋愛的に好きなんだけど最近彼氏を作っちゃってね。結婚の約束までしちゃってるの」
「結婚……」
もし、もしも兄さんが僕の知らないところで結婚したら………僕は………。
「だからいっそお姉ちゃん殺して私も死のうかなって」
「なんで僕に?」
女なんていちいち覚えていないけど確か初対面だったはずだと記憶していたからこその疑問。高校に入って長いようで短い学校生活じゃ、積極的に行動しない限り初対面がまだまだいてもおかしくはない。
「私と同じ気がしたから……私お姉ちゃんしかいないの」
「………僕も兄さんしかいない」
周りに人がいくら集まろうと僕には兄さんだけ。兄さんしか見えていない。彼女の問いに不思議とそんな返事を返したのはどこかで同じ何かを彼女と同じく感じたからだろう。
「最後に立川くんと話せたのは運命の巡り合わせかな」
「それは君にとって?僕にとって?」
「さあ?それは私と立川くんの考え方次第じゃないかな」
そう言って去っていく彼女を僕は引き止めはしなかった。彼女の言葉の意味の理解と本気であることを感じとりながらも。
翌日、ひとりの女子高生が急に理由も告げず、挨拶もなしに転校したと僕の周りに集まる女が言った。名前こそ知らなかったが思い浮かぶのは昨日の彼女で事実が事実だけに伏せられたのだろうと勝手に理解し僕は誰にもそれを告げたりはしなかった。
しかしそれは後日僕に自殺するという決断をさせてくれることとなる。彼女と出会ったことは僕にとって運命の巡り合わせであったと今なら言えたほどに。
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