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「ウーラ!?」

なるほどヒロインはウーラと言うんですね。あっさりと身を翻したウーラに王子様目を見開けて嘘だろう?とばかりに驚かれてます。まあ、私も驚きましたし、裏切られた本人は特にそうでしょう。

「いや、その、よく考えたら私みたいな身分で殿下と結婚は烏滸がましいかなと!」

「身分!?ウーラは身分など関係ない世にしたいと言っていたではないか!ゴリラの怒りを受けたくないだけだろう!」

「い、いや………そんなことは……」

ウーラ、目が泳ぎすぎて肯定と変わりないですよ?全く、そんなに人間と婚約したいんですかね?殿下は。

「まあまあ、殿下、これは真実の愛とやらではなかったと思って諦めましょう」

「だからゴリラと結婚しろと!?冗談じゃない!」

「ウホ……」

「ああ、可哀想なゴリラダ……ですが、殿下の言うことですから聞いてみましょう。殿下はモテるみたいですからゴリラダの怒りを受け止められる女性がいるか……ね。それこそ殿下の運命の相手でしょうから」

「だ、誰か私と結婚したいものはいないか!」

誰でもだなんて見境のない人ね。

「ウホッ」

「お前じゃない!人間でだ!」

そう言いながらもゴリラダ以外に申し出るはいない。

「やはり殿下の運命のお相手はゴリラダなんですわ」

「い、いやだ!無理だ!ゴリラのせいで私は人間と結婚できないじゃないか!私は王太子だぞ!子作りはどうするつもりだ!?」

こんな人のいる場所で子作りだなんて大声で……子供みたいですね。それに、その対策はすでにしてあるに決まってるじゃありませんか。どうしてもゴリラダとの結婚の壁になりますしね。

「おほほ………ご冗談を。王太子は殿下ではなく殿下の弟であらせられるガーリ様ですわ。ちなみに私の婚約者です」

「な……!ガーリはまだ6歳だぞ!?」

「年の差があるから私もどうかと思ったのですが、ガーリ様になつかれたようでして」

これに関しては私も謎なくらい、ガーリ様は私に異常になついている。

「そこじゃない!何故王太子がガーリに!父上、それこそ冗談ですよね!」

「え、冗談じゃないが。だってキザは全然勉強しないし、できないし……それに比べてガーリはすごいぞ?既に私の書類仕事もしてくれている」

「6歳ですよね!?」

「あー、キザはガーリに嫌われておるからの~……知らないのも無理はないか」

確か何故嫌うのかと聞いたら……

『バカがうつってもこまるので』

と言っていたわね。年が半分以上離れてる弟にバカにされてましたよ?殿下。まあ、ガーリ様は些か天才が過ぎますけど。

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