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「それに殿下も満更じゃなかったじゃないですか」
「何をデタラメなことを……」
「あれは確か高等部にあがる前のことでしたね」
「おい、勝手に回想を始めるな」
ぴーちくぱーちく煩い雑音は無視して私は王子様とゴリラダの出会いの日を語ります。ゴリラダに婚約を譲ればいいのだと考えたあの運命の日を。
あの日私は王妃修行をサボり、川で着衣水泳をしていました。
「悪役令嬢がなんで着衣水泳……?」
関係のない疑問は話が進まないので無視していきます。まあとにかく川で遊んでいた時、ドラミングをするゴリラと出会いました。それこそがゴリラダです。
ゴリラのドラミングは威嚇や怒りの表現の他にも構ってほしいときにすると言われていたので、私はいい方に解釈しました。構ってほしいんだなと。
「ポジティブすぎやしないか……」
頬をひきつらせて私を見る王子様ですが、結果的に間違いはなかったのだからポジティブいいじゃありませんか。まあ悪役令嬢がゴリラにより退場するとは思えなかっただけですけど。
「あくや……?今なんと言った?」
「ああ、お気になさらず」
では、続けます。そんなわけでゴリラダの心情を理解した私とゴリラダは川で仲良く遊んだあと、ゴリラダを私の家に招待しました。そこでゴリラダは運命の出会いを果たすのです。
何用か、その日呼んでもないのに王子様がいました。そこでゴリラダは王子様に一目惚れ、求愛行動に王子様へ糞を投げつけたのです。
「あ、あ、あ、あああああの時のっ!あの時のゴリラか!この私に、あんな汚いものを………!」
「ようやく思い出されましたか」
「思い出したくもなかったわ!」
「ゴリラダ、あまりの熱愛な求愛行動に王子様が照れてしまったようだわ」
「ウ、ウホホ……ッ」
「照れるか!ゴリラ!貴様も照れるな!怒り以外沸かないに決まっているだろう!寧ろあんな記憶、消したままでいたかった……!」
まあその後、あまりのことに気絶して王子様が次に目を覚ました時には、そのゴリラダの求愛行動のことは記憶から飛んでいました。その様子があまりに気の毒だったのでしょう。誰も王子様に真実を話しませんでした。だからゴリラダのことも学園にいた時の姿しか知らないのだと思います。
しかし私だけは今の今までのように忘れ去ったままいさせる気はありませんでした。こんないい気味……じゃなく、こんなに王子様を想うゴリラダがあまりに可哀想だと思ったからです。
「けど普通に教えても心に響かないと思いまして、サプライズ的なものでゴリラダに婚約を譲りました。記憶も戻って両想い。私とはもう婚約してませんし、心置きなくゴリラダと幸せになれます!」
「色々響いたとも!心の傷になぁ!」
あらあら王子様が嬉しさ余って涙目になってしまいました。顔を真っ赤にして照れるような丸わかりの態度は王子様としてどうかと思いますよ?
「何をデタラメなことを……」
「あれは確か高等部にあがる前のことでしたね」
「おい、勝手に回想を始めるな」
ぴーちくぱーちく煩い雑音は無視して私は王子様とゴリラダの出会いの日を語ります。ゴリラダに婚約を譲ればいいのだと考えたあの運命の日を。
あの日私は王妃修行をサボり、川で着衣水泳をしていました。
「悪役令嬢がなんで着衣水泳……?」
関係のない疑問は話が進まないので無視していきます。まあとにかく川で遊んでいた時、ドラミングをするゴリラと出会いました。それこそがゴリラダです。
ゴリラのドラミングは威嚇や怒りの表現の他にも構ってほしいときにすると言われていたので、私はいい方に解釈しました。構ってほしいんだなと。
「ポジティブすぎやしないか……」
頬をひきつらせて私を見る王子様ですが、結果的に間違いはなかったのだからポジティブいいじゃありませんか。まあ悪役令嬢がゴリラにより退場するとは思えなかっただけですけど。
「あくや……?今なんと言った?」
「ああ、お気になさらず」
では、続けます。そんなわけでゴリラダの心情を理解した私とゴリラダは川で仲良く遊んだあと、ゴリラダを私の家に招待しました。そこでゴリラダは運命の出会いを果たすのです。
何用か、その日呼んでもないのに王子様がいました。そこでゴリラダは王子様に一目惚れ、求愛行動に王子様へ糞を投げつけたのです。
「あ、あ、あ、あああああの時のっ!あの時のゴリラか!この私に、あんな汚いものを………!」
「ようやく思い出されましたか」
「思い出したくもなかったわ!」
「ゴリラダ、あまりの熱愛な求愛行動に王子様が照れてしまったようだわ」
「ウ、ウホホ……ッ」
「照れるか!ゴリラ!貴様も照れるな!怒り以外沸かないに決まっているだろう!寧ろあんな記憶、消したままでいたかった……!」
まあその後、あまりのことに気絶して王子様が次に目を覚ました時には、そのゴリラダの求愛行動のことは記憶から飛んでいました。その様子があまりに気の毒だったのでしょう。誰も王子様に真実を話しませんでした。だからゴリラダのことも学園にいた時の姿しか知らないのだと思います。
しかし私だけは今の今までのように忘れ去ったままいさせる気はありませんでした。こんないい気味……じゃなく、こんなに王子様を想うゴリラダがあまりに可哀想だと思ったからです。
「けど普通に教えても心に響かないと思いまして、サプライズ的なものでゴリラダに婚約を譲りました。記憶も戻って両想い。私とはもう婚約してませんし、心置きなくゴリラダと幸せになれます!」
「色々響いたとも!心の傷になぁ!」
あらあら王子様が嬉しさ余って涙目になってしまいました。顔を真っ赤にして照れるような丸わかりの態度は王子様としてどうかと思いますよ?
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