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4章

いざ、王都へ

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「もう行くのか」

決闘から2ヶ月も経ってないが、俺と神様は次の街王都へと旅立つ日となった。

あれから暗殺者は現れず、アーカと共にギルド依頼を受けることで、最初こそ神様がアーカの護衛をと思うものは多かったが、平民ながらに親しげにする様子から友人同士と見られ、アカノ家に手を出せばアーカの友人である子連れの悪魔に殺されるという噂が出回った。

実際アーカの修行として誰もが怯える魔物相手に、神様がアーカひとりでやらせ、アーカが死にかけた瞬間に一撃で魔物を殺す瞬間をたまたま見た者が恐怖して噂が変化を遂げ、神様の細工もあり、そうなったようだ。

さらには、噂が広まるまでひたすら依頼をこなし、神様はSランクに上り詰めた。アーカに付き添い、修行も行っただけに予定より時間はかかったみたいだけど、アーカ曰くSランクは最短でも1年やそこらでもなれるものじゃないので十分早いらしい。お兄さんも苦笑いしつつ頷いていたので本当なのだろう。

ちなみにアーカは先にAランクだったため、神様と俺とで一緒に依頼をしているうちにSランク、さらに上もいけたが、辞退した。神様がいる上での依頼完了なため、自分一人ではまだまだだからという判断からみたいだ。俺は仮登録者だから関係ない。

まあそんな2ヶ月で俺や神様、アーカの仲は深まり、アーカに指摘され呼び捨てにすらする仲に。神様は元々だけど。

つまりはやることできたので次へ進もうというのが神様。せっかくできた二番目の友達との別れは辛い。アーカも悲しそうな顔だ。俺と同じなんだなと嬉しくもなる。

「この街ではアカノ家の力が及ぶので、ないに等しかったですが、子連れの悪魔、王都でも有名になりつつあるそうです。まあ、大丈夫でしょうが、王都には国を支配する王族がいます。王族には逆らえないだろうとカミサマ様を手元に置こうと色々してくる可能性がありますので、お気をつけください。」

ちなみに今はギルドだ。アカノ家には挨拶を済ませ、せっかくなので、お兄さんにもとギルドへ向かえば、アカノ家で見かけなかったアーカがいた。そんな状況。

「私もついていきたたいが、アカノ家次期当主としてここに留まらなければいけない。カミサマ、修行ありがとうございました。ユージンもまた会ったらたくさん話そう」

「心配ありがとう。アーカも修行を怠らないように。まあ死にかけても助けられないからほどほどにね。」

「あ、ありがとう!離れても、友達?」

「当たり前だ・・・あだりまえだろ・・・っうう」

「あー、か・・・っ」

「・・・仕方ないね。ほら、ユージン」

友達との別れは初めてだ。アーカも我慢してたのか、涙が溢れ出す。最初友達になってほしいと泣き出したあの日のように。俺も釣られて泣く。珍しく神様が降ろしてくれたのでアーカに抱きつく。アーカも泣きながら抱き締めてくれる。

「うぐ・・・っごごと、ぢがっで、王都は身分に、うるざい・・・っづらぐなったら、いづでも、ごい」

「うん・・・っうん・・・っ」

「またアーカは一人になってしまいますね・・・やはり、ここで暮らしては?アカノ家なら喜んで資金提供をして住居を購入してくれるでしょう」

「ユージンのためならここが一番住みやすいかもしれない。けど、僕は神全ての神様だからね。ひとつだけ僕が片付けないといけない案件があるんだ。それが片付いた時にはお願いするよ」

「そうですか。その時は歓迎しますよ」

「ありがとう」

それぞれで会話をして別れの挨拶は済んだ。ここにいたかったけど、神様が片付けないといけない案件ができたのだから仕方ない。それさえ終われば戻るつもりらしいので俺ももちろんついていく。

やらなければいけないことは神様は言えないと言うので聞いていない。王都に行けば解決するのか、と思うも王都も目的地のひとつであり、後二箇所行く必要があるみたいだ。

それを話していた時の神様は真剣な表情で、俺は何か胸がざわつくような、そんな不安な気持ちになった。

神様のスピードで涙が乾く頃には王都。こんなにも不安になるのはなんでだろう?


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