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2章

ランクアップと新たな拠点

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素材採集、魔物討伐を必要一定数後、ランクアップ条件依頼をクリアすれば報告後次のランクの立ち入りが許可された場所に行ける。

ランクがあがるごとに難しくなるし、依頼は採集や討伐以外にも増えていくらしい。ギルドについてから一時間ほどで僕と言うハンデがありながら神様のランクはEに。一番最初なので、比較的簡単なようだけど、昨日の今日では今までの最短記録だと受け付けの人は驚いていた。

まあそれもそうだろう。移動だけならず、神様は魔物をすぐ見つけては一撃で襲いかかる間もなくやっつけ、あまりの衝撃に怯えた魔物達が神様に必要な素材などを持ってくれば後は楽なもの。素材のお礼に必要以上殺さないのが神様の優しさらしい。

ちなみに素材はもらう度に消え、ギルドにつくと現れる。聞けば、神の創造で作られた手のひらサイズの収納袋に、神の時間操作、神の領域を使って、収納袋の中は時間の経たない、広い空間になっているらしい。

素材に神の奪取を使えば、触れずにして自動的にその収納袋に収まるようだ。昨日スライムの素材をいつの間にか持っていたのはそういうことらしい。

出す時は収納袋に手を突っ込めば神様が望むものが勝手に手に来るらしい。小さい収納袋からたくさんの必要以上の素材が出てきたことにギルドの受け付けのお姉さんはこれにも驚いていた。

スライムは色に合わせた絵の具が素材、でも絵の具は小指程度に小さく、あの時神様は宿屋に必要になる金額程度にしかスライムの素材を売ってないので、収納袋の見た目的に収納されてもおかしくない量だった。なんで全部売らなかったのかと聞いてみれば、俺がお絵描きしたいとき用らしい。

絵なんてあまり描いたことないんだけどなぁ。

俺?俺は神様に抱っこされてるだけ。神様は常に俺を抱えて蹴りだけでいけるみたいだ。まあ攻撃力測定不能だから・・・。

ちなみにそんな神様がランクひとつあがった程度で苦戦するはずもない。寧ろこの世界で神様が苦戦することなど想像できない。

つまり初心者の森から、今は初心者の洞窟にいるけど、森の時と状況は変わらない。今の依頼はゴロゴロという丸い岩みたいなモンスター。本来は魔法で倒すようだけど、神様のステータスは異常だから物理で十分。

魔法見てみたいけど・・・あ、神の創造って魔法なのかな?

「スキルだから違うよ?」

「にゃにゃにゃあ!」

「あ、先越されたなあ」

にゃあちゃんの鳴き声と共に近くにいた魔物たちが氷漬けに。なるほど、これが魔法。にゃあちゃんすごい。ちなみににゃあちゃんはギルドに戻る時にはいなくなっていて、こういった魔物のいるエリアでしか実在できないらしい。

神様が言うにはにゃあちゃん自体が魔物で、村の結界に入ってしまえば結界自体を破壊し、混乱を招くことを理解しているからこそ、村の中までついてこないのだと。

可愛い姿をして、結界の破壊自体は簡単なようだ。それに、神様の速さについていけないわけでもないと神様自身も言っていたので、普通の魔物とは格が違うみたい。

どうなるかわかって結界を破壊しない時点でにゃあちゃんは賢い。ちなみにあの時結界ギリギリの村の入り口から近い場所で俺たちが来るのを待ち続けたみたいだ。他人が近づかないよう、姿を消して。神様が走って依頼場所に行くのを感じてついてきては、依頼場の入り口でにゃあと一言、当たり前のようにいる、それがにゃあちゃん。

ついでに言うと、姿を消すのはにゃあちゃん自体の透明化スキルらしい。魔法は万能ではないから臭いや気配を隠すための足音の遮断等の魔法はあっても姿を消す魔法はないみたいだ。急に現れたにゃあちゃんに驚いた俺に神様が説明してくれたことは以上。

「ちなみに僕も魔法使ってるからね?」

「?」

「洞窟、明るいでしょ」

「にゃ」

なるほど、来た時から明るかったから洞窟なのに不思議に感じていたけど神様が魔法で明るくしていたのか。

「そういうこと。あ、ゴロゴロの素材いっぱいだ。にゃあ、すごいね」

「にゃん!」

にゃあちゃんのどや顔・・・だろうか。可愛い。

でも氷漬けどころか洞窟の奥にまで氷の道が。にゃあちゃんどこまで氷を張ったんだろう。

結局、洞窟の奥深くまで張られていて、進む度に落ちている魔物の素材。ギルドに戻り依頼を達成して、その依頼を見れば既に入手済みの素材のため、依頼を受けてすぐ達成。にゃあちゃんのおかげもあり、ランクEでは順序よく行き、これまた今日のうちにDランク。

この調子ならもっと行けるだろうな。

「一日で2ランクも・・・こんなこと初めてです。ギルドカード更新しましたが、その・・・このランクでレベル1のままも初めてですね。神様という職業はそれだけすごいと言うことでしょうか・・・。この調子ならパーティの勧誘もたくさんされることでしょうね。」

「パーティねぇ・・・僕はユージンだけでいいんだけど」

「ユージン様もレベルは1のままですね・・・専用職業も今までにない職業ですからね。」

俺のは何もしてないからだけど。

「ユージンは僕の傍にいたら十分」

「レベルアップすればスキルが増えたり、ステータスが増えますので、よりいいと思いますが、仮登録者は基本的に登録者の補助ですからレベルアップが難しいんですよね」

常に意味のない神様を回復している俺は補助すらできてないような・・・。抱っこばかりで筋肉すら衰えそう。

「なに、か、方法・・・」

「気にしなくていいのに。筋肉が衰えてきても僕がなんでもしてあげるから」

早急に頑張る必要がある!

「なんで!?」

「今なら方法があります。カミサマ様がDランクになりましたので、仮登録者独占パートナー登録が可能になりました。」

「仮登録、者、独占・・・パートナー、登録?」

長い・・・。

「そのままの意味なんですが、Dランク以上の登録者は1人パーティとは別に仮登録者を専属でつけられます。それが、仮登録者独占パートナー。親子だったり、兄弟によく使われる制度です。親しい人でないと登録者からすれば、デメリットにもなりますので。まあ、カミサマ様みたいにユージン様以外をご希望にならないのであれば、メリットにもなりますね」

「どう、いう・・・こと?」

「仮登録者独占パートナーは仮登録者を1人選んで専属にすると、他の仮登録者を使うことはできません。逆も同じく、仮登録者は他の登録者の依頼についていくことはできません。ただし、パーティの際、パートナーとなった登録者と一緒であれば参加は可能ですし、パーティに対しての補助も可能です。このときのデメリットはパートナーの仮登録者がそのとき必要な職業でなくても変えられないことです。パーティであれば、その辺りは関係ありませんが、パーティからするとランクがあがるごとに仮登録者は足手まといになることもあるので歓迎されないことが多いです。仮登録者と登録者ではまず同じレベルでもステータス値が違いますから。それに一度行うと解除はできても、二度と仮登録者独占パートナーは扱えません。ちなみに登録者になれる年となり自動解除された場合は新たに仮登録者独占パートナーが登録可能です。」

「仮登録者を足手まといと考えるパーティが弱いに過ぎないね。ユージンが足手まといとかありえない」

今の時点で足手まといにしか俺自身思えない。

(ユージンがいる、それだけで僕は頑張れるのに?)

神様なら頑張らなくても楽勝だよね。

(頑張らなくていいならお金も家も、何もかも創造しちゃえば、まず何もしなくていいわけだけど)

・・・頑張ってください。家はともかく、お金の偽造はだめ。異世界だとしても犯罪のはず。神様だからってだめだ。

(冗談だよ、冗談)

本当かな・・・?

(友達、信じようよ!)

「次にですが、登録者が魔物を倒すことで、経験値が仮登録者にも反映されます。登録者と半分ずつに分けられるため、登録者からすればレベルがあげにくくなるのもデメリットですね。パーティとなればさらに分割されてしまうので、もしパーティを作るなら人数はあまり多くつくるべきではないのもまたデメリットです。あくまで人とあまり関わりたくない人が特定の人を補助人とするためや幼い身内が登録者になったときのためにされるものです。仮登録者のレベルは登録者でも反映され、登録者になった時点で、一気にステータスもあがりますから。それに戦い慣れで初心者としてスムーズにいけるので仮登録者にはメリットが大きいです。」

「登録、者・・・メリット、ない?」

「カミサマ様みたいに特殊職業や美形の方にはメリットになりますね。パーティ勧誘以外にも強者や美形の方は仮登録者からしても強くなりたい、恋人にしたいなど理由は様々ですが、自分のものにしたいわけで、隙やきっかけがないかと狙っています。仮登録者独占パートナーが既にいれば、仮登録者から私を使ってアピールは少ないでしょう。解除はできるわけですから、解除して私を!や仮登録者としては無理でも恋人や愛人には・・・しつこい人はいるかもしれませんが」

「面倒だね・・・」

確かに神様、強いし、イケメンだから大変そう。

「その、気を悪くしないでほしいのですが、ユージン様を仮登録者独占パートナーにすると、仮登録者の中の自分の娘に自信のある方々に狙われやすくなるかもしれません。中にはギルドを婚約の場として娘を仮登録者にする貴族もいますので・・・」

あ、仮登録者は未成年。自分から登録者を誘惑しようなんて子供いるわけないか・・・いや、成人前ならあるのかな。

「ようはユージンを見下す連中だね。許せないな。すぐに仮登録者独占パートナーにユージンを指名するからして。」

「わかりました。不快なパーティ勧誘もあるかもしれませんが、あまりに酷い場合はギルドでも対処しますので。後、Dランク以上の依頼場所は村から離れてますので、Dランクの依頼場所に近いミハコ街に拠点を置き直すといいかもしれません。ここは初心者が集いやすい分、貴族の下調べ、仮登録者が多く集まりやすいですから」

「アドバイスありがとう」

場所はどこでも神様は構わないだろうけど、この村に飽きたのだろう。俺を仮登録者独占パートナーとして登録した後、瞬時にミハコ街へ来たものの、神様はため息をついた。

村とは違い日本でいう都会。田舎から都会に出たようなきらびやかな街だった。人も登録者とわかるような武装した人もいれば、村では見なかった上品な服を着た明らかな貴族が街のいたるところにいる。

どう見ても村より貴族が多い。

「あの受け付け嘘に聞こえなかったんだけど神様に嘘を吐けるって、どういうこと?」

怒ってるというより、困惑しているようだ。

「神様、貴族、少ない、とは・・・言って、ない」

「はめられた!神の僕が!」

確かに受け付けのお姉さん嘘は言っていない。貴族の下調べ、仮登録者が集まりやすいと言っただけだ。別に村に戻るのも神様は簡単だけど、ミハコ街に簡単に誘導させられ、悔しさが滲み出ている。

こんなところ、神様の職業とランク、レベルを知られたら、釣り合ってないランクとレベルから、特殊職業に興味を持たれて勧誘だらけになる未来しか見えない。まあ見なくても神様なんて職業興味しか持てないけど。

「いや・・・ユージンを見下すような奴等を探す手間が省けるか」

なんか神様、ミリグラムさんの時と同じ表情をしてる。一体何をする気だろう?
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