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2章

神の友達の意味

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朝起きると寝る前は別だったはずの神様に抱き締められていた。さすがにお風呂まで一緒は恥ずかしいし、寝るのまで一緒は友達とは違う気がして断ったのだけど。

まあ寝るくらいはいいか、神様気持ちいいし。なんだろ、適度な体温というべき?

「神の領域を少し使っている。僕の周りは常に人間に合わせた適度な体温だよ。暑くも、寒くもないね」

使い方は色々あって便利だなぁ神様のスキル。

「ねる、の、べつ・・・なんで、いるの」

「神に寝る必要はない。疲れをとるのはユージンの傍が一番だ。ふざけたスキル名だが、実際ユージンが僕に触れていれば常に回復するようだし。」

神様回復必要に思えないけど。

「必要はないが、居心地がいい。」

「今日、なに、する?」

まあ神様は友達だし、神様のために一緒に寝るくらいはいいかな・・・。友達ってこんなに近い者なんだなぁ。

「結局依頼を受けてないから今日は一気に受けてランクアップして稼ぎを増やそうか」

「いっぱい、受け、れる?」

「情報的に依頼は1人3個までパーティ3人以上なら5個だね。仮登録者をいれると無理させない名目で2個になるかな」

「ごめ、ん」

「問題ないよ。僕行くのも帰るのも早いし?」

確かに・・・。神様、すごい。

「今更?僕と友達の君はもっとすごいよ」

「そ、なの?」

「僕、ユージンが初めての友達だからね。神様が友達なんて普通ないから!」

「か、み・・・さま、ありが、とう」

「いや・・・元々僕が・・・。まあ、僕も今楽しいし、人を眺めても、関わる機会は君みたいな特例以外になかったから、お礼とか別にいらないよ。その、僕と友達になること、願ってくれて・・・その、ありがとう。僕、神様だから、対等になる友達は願ってもらわなきゃなれないから・・・」

「たい、とう・・・」

「うん、対等だよ。だから僕は君に力を使ってあげられる。神様の中で友達というのは同等の存在以上の価値になるわけで、簡単にはなれない。同等の存在はすなわち、神の力を代償なく使えるってことだから。」

でも僕、神様みたいに何か作り出したり、領域をつくったりとかできないんだけどな・・・。

「説明の仕方が悪かったね。言ってしまえば、君は僕を好きに使えるんだよ。ふざけたスキル名は僕のためにもあるけど、僕自身を召喚できるスキルはユージンのためのスキルなんだ。」

「とも、だち・・・利用、よくない」

「そうだね。君ならそう言うと思って話した。離れるつもりはないけど、万が一、離れざる終えなくなって危険と感じたら僕を召喚して。君が死ねば転生はさせられるけど、友達でいられても傍にはいられなくなるかもしれないから」

「なん、で」

「神の力は万能じゃない。願いの効力は消えなくても、人が転生で転生以前の記憶を持ち続けるのは不可能に近い。今回は前世の本来生きるはずだった時間を忘却代わりに使うことで僕と友達であることを覚えていられるんだよ。」

「忘れたら、神様、傍に、いて、くれない、の」

「神が現世に留まるには強い力が必要だ。僕がここにいられるのは、ユージンが僕と離れたくないと願い、今もそう思ってくれている。スキルなんてなくても既に君は僕をこの現世に召喚しているんだよ。もちろん、僕自身もそれを許したからユージンに負担はない。僕が拒否しても君は僕を連れ歩けるけど、きっと負担に耐えかねて早死にしてしまう。時には精神を破壊して自我が保てなくなる可能性だってある。特別の特別、それは君に召喚されることを僕が許したことにある。」

「お、れが、望め、ば・・・神様、ずっと、一緒?」

「そうだね。記憶がなくなっても君が忘れて転生した時に、何かのきっかけで、神様にお願いをすれば僕はそれに答えて傍にいられる可能性もある。願いによっては傍にいなくても叶えられるものもあるから内容によるけどね。人を生き返らせる以外なら神様である僕が、永遠に君の望みを友達として叶える。でもそれには君が神様に願う必要があるんだけどね。友達なのに僕からは君に何もできないんだ」

「じゅ、ぶん・・・忘れて、も・・・とも、だち、だから」

「うん、ずっと友達だ。君に人の友達ができても、僕以上に君を知る人はいない。まあ、今は今だけの人生を楽しもうね。僕を最初から認識している転生人生は今だけだから。絶対に寿命以外で死なないで。死なせないけど。」

「うん」

「寿命縮めるんじゃなかったな・・・もう10歳だもんね」

「気に、しない」

赤ちゃんのままは俺が嫌だ。日常生活ですらも神様にさせてしまうわけだし。神様は友達であって、親じゃない。

「君の世話なら苦ではないけどね」

俺が色々とやりきれない。

「今でもお風呂もトイレも食事も着替えも、僕がしてあげてもいいよ?友達として」

「い、いいっ」

横に首を振ってさすがに断る。友達歴が神様しかない俺にだってわかる。友達はそこまでしないって。・・・しないよね?

「ふふ・・・さて、起きようか」

笑う神様を見て思う。俺からかわれた?

「少しね。でも嘘じゃない。ほら、抱っこするからおいで」

「まだ、きが、えてな、い」

「着替えくらいしてあげるって」

「から、かった・・・きが、え、自分、で、する」

「怒らせた?ごめんって。抱っこはさせて。」

どちらにしろ、着替えなきゃ、抱っこされながらは着替えにくい。

「なら、着替えるのは待つから・・・あまり、ユージンを離したくないんだ」

「・・・うん」

大して離れてないと思うけど、俺にくっついてる以外は離れてることになるんだろうか?

「かなり離れてる」

「・・・」

目の前で着替えを間近で見ながら前世のクラスメイトもここまで近くはなかったように思う。立ち読みでも友達についての本探して読んどくんだったな。

でも人間と神様の友達の認識は違うみたいだし、意味なかったかな?

「着替えたら、ご飯食べてギルド行こうね」

「うん」

「よし、着替えたね!ご飯はスキルでもうできてるよ!食べたいのあったら言って!」

着替えた瞬間、すばやく抱っこされ、神様の言葉に返事を返しつつ、最後ズボンを履くことで神様から目をそらしている間に、神様の服が既に昨日お風呂出た後の寝間着から代わっていたけど気にしないことにした。

神様は走るだけでなく、着替えるのも早い。俺が神様が近いと気にかけた時にはまだ寝間着だった。ご飯は神の創造だろう。ほんと、なんでもありだ。

案の定ご飯は神様の膝の上に座って食べ。食べ終えたお皿は消えていった。洗い物も必要ないみたいだ。

少し食休めした後、神様に抱っこされて、一瞬でギルドに着く俺たちだった。

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