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なんだかもう最後は静かになるまで他人事のように聞いていた。とりあえず私はいつ第二王子殿下から離されるのかなって思いながら。

「あの……殿下?」

「ああ、私のことはフドウと呼べばいい。貴女は私の妻なのだから」

「いや、あの……ええ……っ?」

結婚した覚えはもちろんない。だって私はつい先程婚約破棄をされたのだから。あ、いや、殿下たちの様子から婚約は解消に済みそうだけど……第二王子殿下を見る限り私はどちらにしても次の婚約相手を見つけるのが非常に難しい気がしている。

「弟よ、邪魔して悪いけど結婚式はいつあげるんだい?」

「構わない。明日……と言いたいが、さすがに準備があるからな。一週間後で」

「ふむ……それは準備が大変だね。私に任せるといいよ。これと一緒にね」

「ウエディングドレスはもうできている」

「ふふ、さすがだね。後は任せて。衛兵ゴミは汚物入れにね」

「「はっ」」

なんだろう。気がつけばもう決まりごとのように拒否権すら与えられることなく進んでいた。え、私結婚するの?ウエディングドレスサイズ合うの?合ったら合ったで怖い……。

「で、殿下、その、離してくださいますか?」

「ああ……フドウでいいというのに……あなた、でも構わないが。しかし、結婚指輪もよく似合っている」

「………え!?」

ようやく離され、ほっとすれば第二王子殿下の言葉に困り果てながら最後の言葉に驚いて指を見る。……ダメンズとの質素な婚約指輪が、ダイヤモンドの輝きが煌めく指輪に早変わりしていた。

慌てて抜こうとしてしまったが何故か抜けない。

「それは王家に伝わる秘術を編み込んだ指輪だ。生涯抜けず、君が逃げようと同じ指輪を共にする私はいつでも君の場所、声がこの指輪からわかるようになっている。一方通行なのが難点だが、私は不貞を働かないから安心してほしい」

いや、色々な意味で安心できないんですが!?と思うももはや私は逃げきれるなんて思ってもいないので諦めた。指輪のサイズからしてウエディングドレスもサイズが合ってしまうんだろうなと思いながら。

「あの殿下……」

「そうか、まずは私のことを夫と認識してもらうところから始めないとね。そう言うわけで父上、私も退場しても?」

「構わん。事情は理解した」

「え、あ、え……!?」

いつの間にかいた殿下たちの父であり、この国の頂点であるコークミン・ノストーカー陛下に驚けば、周りも今気がついたとばかりにざわざわとした。

い、いつからいたの?いつから見て……?混乱したままに私は陛下から許可をもらった第二王子殿下に手を引かれてその場を去ることになったのだった。






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大変お待たせいたしました。只今から更新再開です。
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