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7~リの人視点~

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なんで、なんでなんでなんで!私がこんな目に合っているの?

「暴れるな、罪人め」

「私は罪人なんかじゃ……!」

ただ自分の婚約者を自分で選ぼうとしただけで、そのためにあの地味な女が邪魔だっただけ。なのに何なの?この茶番は……っ!

何で私が捕まってるの?なんでみんながみんな私をそんな目で見ているの?気絶なんてしてないでダメンズ様も早く私を助けてよ!

そんな気持ちでいっぱいになりながら簡単に捕まるものかと抵抗するが、敵うはずもなく、ふと目の合った第一王子殿下はどこか冷めた瞳で私を見ていて背筋が冷えるようにぞわりとした。

「ねぇ、うるさいよ。私はね、エミリーの声ならどんな声だって聞いていたいけど、君みたいな雑音は思わず斬って殺したくなるほど煩わしくて仕方ないんだ。ああ、そうか!今すぐ殺されたいんだね?」

「……っ」

笑っているのに、瞳は依然冷たく怖い。何故一瞬でも私に気があると私は勘違いしてしまったのかと思うほどに。

悲鳴ひとつ。

ただそれだけで私はこの人に殺されると感じずにはいられない。死にたくない、なんで、死にたくない、私は悪くない、死にたくない、誰か助けて、死にたく……ああぁああぁぁっ!

「こ、ころさないでぇ………っ」

股が濡れるのを感じる。いや、見ないで、殺さないで、怖い怖い怖い怖い!涙が、鼻水が、止まらない。恥ずかしい、怖い、早くここを立ち去りたい。

なのにさっきまで私を引っ張ってでも動かそうとした衛兵は私を辱しめるようにただ逃げられないように捕まえるだけでこの場を去ろうとはしなかった。抵抗なんてしなきゃよかったなんて思ってももう遅い。

私の失態はみんなに見られていて、立場は逆転。こんなはずじゃなかったのに………。未来を壊されたのは私の方。

「あーあ、汚いなぁ……汚物が、自らさらに汚くなるんだから救いようないよねぇ……」

「ヤンデェレ様、罪人ではなく汚物でしたらそのように処理いたしますが?」

罪人?汚物?違いがわからなくて急な衛兵の提案に震えが止まらない。汚物じゃないなんて否定をする元気もなくただ私は震えて第一王子殿下の言葉を待つだけ。

「そうだねぇ、罪人じゃないと叫んでるんだもの……なら、汚物でしかないだろうから汚物入れにいれなきゃね?」

「お、ぶつ、いれ?」

「そう、汚物入れ……」

罪人以下が行く場所。そう小さな呟きが聞こえてもはや最悪の想像しかできなくなる。

「ざ、罪人、私は罪人です!謝ります……っだから!だか、ら」

私は罪人じゃない!そう自分では思いながらも恐怖故マシな方を選ぼうとする。違うのに、でも、違うけど、でも………!恐怖が私の頭をおかしくしていく。

「ねぇ、さっきから雑音出しすぎ、やっぱり死にたい?」

「あ………ぁ……」

ついには剣を向けられ痛む頬。限界だった私は意識が暗くなっていく。ああ、そうだ、こんなの夢だわ……。そう思い込もうとしながら私は気を失った。





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