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彼らしいプロポーズ
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色んな人に応援されて続いた彼との付き合い。それは卒業後も。彼も私も社会へ出てときどき私と会うけれど、他の女性に囲まれていたりするのを私は知っている。
何せ同じ会社だから。これはたまたまだと思うのだけど………ただ、職種の違いで広い会社の中で会えることは少ない。
彼はなんだかんだモテるのだ。噂のクズ男は真面目に働いているようで会う時間も中々合わない。
色んな女と付き合ってきたことがある彼がこうも長く付き合いが続いているのは私だけと知っているけどやはり不安はある。
会えなくても噂は聞こえてくるから。何より彼は昔から噂の的だ。学生時代クズ男と有名だったように。
「久住さん、三原さんと付き合ってるんだって!」
「久住さん、二股してるらしいよ?」
色んな女と付き合っているという噂が毎日のように流れる。私と付き合っていると言っても信じてもらえないだろう。彼女たちは学生時代のご友人たちではないから。
何かなければ噂は流れない。私に飽きてしまったのだろうかなんて思いはするも今までの彼を信じたい私もいて結局、せっかく時間が合ったデート日に不安から聞いてしまった。
「私の他と付き合ってるの?」
「は?」
「………ごめんなさい」
疑う自分に純くんを嫌な思いをさせてしまっただろうかとすぐに謝る。社会に出てもドタキャンする彼に不安を募らせてしまったのかもしれない。せっかく今日はドタキャンされずのデートなのにと。
「来い!」
怒鳴る彼にもう私たちだめかなと増える不安。腕を引っ張られ着いた先は初めて誕生日を祝ってくれた高級な飲食店。え?え?と思う間に案内された先は学生のときは違う個室で、純くんと向き合う形となった。
「あの、純くん………」
「結婚、してほしい」
怒鳴っていた彼が急に潮らしくなる。急なプロポーズにロマンチックさは全くない。なんだかそれはとても学生の頃と変わらない彼らしい気がして不安な気持ちがすっとなくなる。
『久住さんっていつもどんなときでも余裕さが滲みでてかっこいいよね~』
そう言う同僚に言いたい。彼は私に対していつも余裕がないと。
「こんなの、お前にしか買わねぇよ」
そう放り投げるように渡されたのは小さな箱。中身は見なくたって想像できる。今日ずっとそのつもりだったのかもしれない。なのにタイミング悪くあんなことを聞いて彼も拗ねてしまったのだろう。
誕生日のとき以上にたくさん私のために、色々考えてくれていただろうに。なんだか悪いことをしてしまった。
「純くん、私と結婚してくれる?」
「俺が言ってんだろ!」
付き合うための告白のときを思い出して言えば、純くんも忘れていなかったのだろう。顔を真っ赤にして怒る。でもそれが照れているだけなのを私は知っている。
私の好きな人はクズのようですが、実際は好きな人に一途で、不器用故に先ばかり考えてしまって私が好きすぎる口が悪いだけの男です。
時に不安にさせる彼だけどそれでもそれを必ず払拭してくれる。私はそんな彼とこれからもお付き合いしていきたいと思います。
END
あとがき
気晴らしなため、展開早すぎるとんとん拍子。長編にもできなくはなかったけど、他作品あるため短編にて満足。
意味わからなかったらごめんなさい。
衝動的に書いただけ。あまりクズっぽくない久住純。お気に入り登録、しおり挟んで読んでくれた読者様ありがとうございます!
何せ同じ会社だから。これはたまたまだと思うのだけど………ただ、職種の違いで広い会社の中で会えることは少ない。
彼はなんだかんだモテるのだ。噂のクズ男は真面目に働いているようで会う時間も中々合わない。
色んな女と付き合ってきたことがある彼がこうも長く付き合いが続いているのは私だけと知っているけどやはり不安はある。
会えなくても噂は聞こえてくるから。何より彼は昔から噂の的だ。学生時代クズ男と有名だったように。
「久住さん、三原さんと付き合ってるんだって!」
「久住さん、二股してるらしいよ?」
色んな女と付き合っているという噂が毎日のように流れる。私と付き合っていると言っても信じてもらえないだろう。彼女たちは学生時代のご友人たちではないから。
何かなければ噂は流れない。私に飽きてしまったのだろうかなんて思いはするも今までの彼を信じたい私もいて結局、せっかく時間が合ったデート日に不安から聞いてしまった。
「私の他と付き合ってるの?」
「は?」
「………ごめんなさい」
疑う自分に純くんを嫌な思いをさせてしまっただろうかとすぐに謝る。社会に出てもドタキャンする彼に不安を募らせてしまったのかもしれない。せっかく今日はドタキャンされずのデートなのにと。
「来い!」
怒鳴る彼にもう私たちだめかなと増える不安。腕を引っ張られ着いた先は初めて誕生日を祝ってくれた高級な飲食店。え?え?と思う間に案内された先は学生のときは違う個室で、純くんと向き合う形となった。
「あの、純くん………」
「結婚、してほしい」
怒鳴っていた彼が急に潮らしくなる。急なプロポーズにロマンチックさは全くない。なんだかそれはとても学生の頃と変わらない彼らしい気がして不安な気持ちがすっとなくなる。
『久住さんっていつもどんなときでも余裕さが滲みでてかっこいいよね~』
そう言う同僚に言いたい。彼は私に対していつも余裕がないと。
「こんなの、お前にしか買わねぇよ」
そう放り投げるように渡されたのは小さな箱。中身は見なくたって想像できる。今日ずっとそのつもりだったのかもしれない。なのにタイミング悪くあんなことを聞いて彼も拗ねてしまったのだろう。
誕生日のとき以上にたくさん私のために、色々考えてくれていただろうに。なんだか悪いことをしてしまった。
「純くん、私と結婚してくれる?」
「俺が言ってんだろ!」
付き合うための告白のときを思い出して言えば、純くんも忘れていなかったのだろう。顔を真っ赤にして怒る。でもそれが照れているだけなのを私は知っている。
私の好きな人はクズのようですが、実際は好きな人に一途で、不器用故に先ばかり考えてしまって私が好きすぎる口が悪いだけの男です。
時に不安にさせる彼だけどそれでもそれを必ず払拭してくれる。私はそんな彼とこれからもお付き合いしていきたいと思います。
END
あとがき
気晴らしなため、展開早すぎるとんとん拍子。長編にもできなくはなかったけど、他作品あるため短編にて満足。
意味わからなかったらごめんなさい。
衝動的に書いただけ。あまりクズっぽくない久住純。お気に入り登録、しおり挟んで読んでくれた読者様ありがとうございます!
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