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やり直しの世界に来たらすぐ死のう。そう思っていたのに20年近く植物人間になっていたことを軽く考えすぎていたというか、あの空間にいたせいでそこまで考えていなかったというか………
「…………」
目が覚めたものの動けない。さらに言えば息をするぐらいしかできない。首を動かすことすらできないなんて……これじゃあ死ぬことすら………。
「フィーネ殿下、お目覚めになられたのですね。」
なんて思ってれば聞き覚えのある声。兄が皇帝になった後に執事長に選ばれたシャドウ。
「…………」
話せそうにもないので視線だけでもシャドウに向ける。まさか最初に目覚めて会うのがシャドウとは思いもしなかったけど、まあどうせ死ぬ予定なら最初に会うのが誰でも構わない。
もし兄なら驚いたかもしれないけど……うん、ありえないし。
とりあえず動けないからすぐに死ねないだけで、死ぬつもりであることには変わりはないし、まずは近くの窓から飛び降りれるくらいにはこの状態から回復しなければ。
「ふむ、本当に意識を取り戻すとは………しかし、さすがに視線を動かすだけで精一杯のご様子。この執事長であるシャドウめが、医師を連れて参りますのでしばらくお待ちを」
20年近くこの状態だったなら確かに意識を取り戻さない可能性が高いと思われるだろうけど、本当にとは一体………まるで意識を取り戻すことを知っていた口振りなのは気のせいだろうか?
まあ、聞けないので気にするだけ無駄だけど……。さらりとされた自己紹介は目が覚めたばかりの僕への配慮かな。
あまり長々されても疲れるだろうし。
どうせ動けないなら現実逃避に眠ってしまおうかと思うものの、目を瞑っても眠れそうにはないので、唯一意のままに動かせる視線だけをキョロキョロさせる。
自分の部屋で療養していると思っていたけど、どうも自分の部屋にしては物が少ないし、こんなものあっただろうか?と視界で捉えられる部分だけとはいえ、見覚えのないものなどもあり自信がなくなった。
まあ、一度目とは違い20年ほどの月日自分は目を覚まさなかった状態なのだから、部屋くらい変わりがあってもおかしくはないけれど。
そう色々と考えているうちに医師がやってきた。皇室の主治医は以前と変わらない。この20年近く僕の状態を見てくれていたのも主治医のメディコ先生だろう。
若く見えて僕の父や母より年上というかなりの童顔の持ち主で、元公爵令嬢と地位を持っていたにも関わらず、医師となるために公爵の籍を自ら抜けながらも、皇室の主治医にまで登り詰めた天才医師と言われた先生だ。そんな見た目や経緯故に昔から印象深い人ではあった。
「フィーネ殿下、目を覚ましていただけて何よりです。これからも精一杯治療に専念し、まずは歩けるまで回復できるよう尽力させていただきます」
せめての返事代わりに目をゆっくりと瞬きさせれば、メディコ先生はその意図を理解してくれた様子。深々と横になって動けない僕にわかるようにお辞儀を返してくれた。
死ぬためには、それこそ歩けるくらいには回復させてもらわなければいけないわけだけど、メディコ先生を見ていると、無駄な時間を使わせてしまうなと少しばかり申し訳なくなる。
それでも自殺の決意は揺らがない。きっとまたあの女性が現れて兄といい関係になられたら僕はきっと同じ未来を辿らせてしまうから。兄に執着した理由を今は理解していても、だ。
それならばさっさと自殺して兄が僕を殺したことで思い悩まないようにさせればいい。幸せになって………そう言わなければいいだけかもしれないけど、兄の手を汚さずに済むならそれがいいだろう。
そんなことを考えながらも始まった診察。話せないので一応メイドが持ってきた水をゆっくりと飲ませてもらいつつ、一息入れて瞬きで質問に答えることである程度メディコ先生の中でどういう治療がいいかまとまったようだ。
「寝たきりでしたし、体力を回復させていくことから始めましょう。身体が動かない以外は意識も言葉も理解していますし、正直言うとこの状態になる前より精神的な面では回復しているように思います」
ああ、廃人だった時期のことを言っているのかもしれない。確かに今は考える力があるから受け答えもできるし、その判断は間違ってないだろう。食事さえも自分でしようとしなかったのなら話の受け答えさえも難しかっただろうから。
「ふむ、この状態で精神面が回復しても何もできず逆に辛いかとは思いますが、できるだけご要望があれば、読み取れるよう励みますので私にご指示ください」
シャドウ?その指示すらできないわけだけど………瞬きで指示ってできるんだろうか。できないよね……?
「当然ですが、胃に負担がない食べ物も大事ですが、目を覚ましたからと飲み込む力が回復しているわけでもないので、しばらくは流動食にするのがよいかと。食欲があるならできるだけ食べて栄養をつけさせてください。ただ、無理に食べるのは逆によくありませんから加減をよく見てあげてください。食べさせるときはゆっくりとが基本です。それと、食後に間を空けて身体を動かしてあげてください。意識が浮上した分、どの程度が限界かわかるようになったので、本人がいける限りは身体を動かしてあげることで運動をさせましょう。寝る前はストレッチ程度の軽いものを。まずは少しずつできることをしていきましょう」
「承知いたしました。殿下の看病に関わる人たちには私から伝えておきます。他には何かございますか?」
僕はやってもらう側なためシャドウが代わりに受け答えしてくれている。正直聞くだけで精一杯だしね、僕は。
「飲み薬を処方しますので食後に飲むようにお願いします。後は様子を見て必要な薬を用意しようかと思います」
「よろしくお願いします。皇帝陛下も殿下の回復を望んでいるので」
皇帝……陛下が?シャドウの言葉に疑問が浮かぶ。20年くらい経っているなら兄が皇帝のはずで………あれ?そもそも20年くらいって神様の感覚だよね?
まだ父が皇帝の可能性もあるんだろうか?どちらにしても父も兄も僕の回復を願うような人たちではないはずだけど………。寧ろ死のうが生きようがどちらでもいいと思っててもおかしくはない。
もしかして既に僕の過去が変わったことで、周りに変化が出ている可能性が…………?いや、でも、人の性格まで変わるような影響があるとは思えない。
ただ僕が何も行動できなくなったくらいで、変わるようなものでもないだろうし。
というか僕は何を考えてるんだ……。また兄に期待したところで僕を家族として見てくれる希望すらないのに。また、冷たい目で見られるだけで………。
回復を望んでいるというシャドウの言葉ひとつで、疑問を抱きながらもまさかと浮かれそうになる自分が情けない。どうせ死ぬんだから余計なことを考えないようにしないと。
「尽力させていただきますが、殿下にはこれから辛い現実もありますので、そのことはタイミングを見計らってくだされば」
「……もちろんです」
なんて思う傍から不穏な空気。辛い現実とは何なのか。わざわざ本人の目の前で言うことでもないとは思うけれど、メディコ先生がちらりとこちらに目を合わせてきたので、恐らく何を知っても耐える覚悟だけは持つようにという前準備でもあるのかもしれない。
まあ急に衝撃的な話をされるよりは覚悟を決めれていいのかもしれないが………話にもよる。とりあえず日にちさえわかればだいたいの話は予想がつくかもとは思うものの、カレンダーらしきものが目を動かせる範囲では見当たらないので、だいたいの日付すらもわからない。
この状態大分不便である。
「では、私は薬を用意して参りますので、しばらくこちらを退室させていただきます」
「はい、頼みます。殿下は私が見守りますので」
不便さに少し沈んでいれば、メディコ先生が薬を用意するために部屋を出ていく。シャドウはそのまま残りしーんと静けさが残った。
話せないだけに気まずい……。何もできない僕を放置は難しいかもしれないが、これなら一人になった方がまだ気楽であると思うほどには。
何よりシャドウの視線が地味に痛かった。頼むから何か話してくれ………。
「…………」
目が覚めたものの動けない。さらに言えば息をするぐらいしかできない。首を動かすことすらできないなんて……これじゃあ死ぬことすら………。
「フィーネ殿下、お目覚めになられたのですね。」
なんて思ってれば聞き覚えのある声。兄が皇帝になった後に執事長に選ばれたシャドウ。
「…………」
話せそうにもないので視線だけでもシャドウに向ける。まさか最初に目覚めて会うのがシャドウとは思いもしなかったけど、まあどうせ死ぬ予定なら最初に会うのが誰でも構わない。
もし兄なら驚いたかもしれないけど……うん、ありえないし。
とりあえず動けないからすぐに死ねないだけで、死ぬつもりであることには変わりはないし、まずは近くの窓から飛び降りれるくらいにはこの状態から回復しなければ。
「ふむ、本当に意識を取り戻すとは………しかし、さすがに視線を動かすだけで精一杯のご様子。この執事長であるシャドウめが、医師を連れて参りますのでしばらくお待ちを」
20年近くこの状態だったなら確かに意識を取り戻さない可能性が高いと思われるだろうけど、本当にとは一体………まるで意識を取り戻すことを知っていた口振りなのは気のせいだろうか?
まあ、聞けないので気にするだけ無駄だけど……。さらりとされた自己紹介は目が覚めたばかりの僕への配慮かな。
あまり長々されても疲れるだろうし。
どうせ動けないなら現実逃避に眠ってしまおうかと思うものの、目を瞑っても眠れそうにはないので、唯一意のままに動かせる視線だけをキョロキョロさせる。
自分の部屋で療養していると思っていたけど、どうも自分の部屋にしては物が少ないし、こんなものあっただろうか?と視界で捉えられる部分だけとはいえ、見覚えのないものなどもあり自信がなくなった。
まあ、一度目とは違い20年ほどの月日自分は目を覚まさなかった状態なのだから、部屋くらい変わりがあってもおかしくはないけれど。
そう色々と考えているうちに医師がやってきた。皇室の主治医は以前と変わらない。この20年近く僕の状態を見てくれていたのも主治医のメディコ先生だろう。
若く見えて僕の父や母より年上というかなりの童顔の持ち主で、元公爵令嬢と地位を持っていたにも関わらず、医師となるために公爵の籍を自ら抜けながらも、皇室の主治医にまで登り詰めた天才医師と言われた先生だ。そんな見た目や経緯故に昔から印象深い人ではあった。
「フィーネ殿下、目を覚ましていただけて何よりです。これからも精一杯治療に専念し、まずは歩けるまで回復できるよう尽力させていただきます」
せめての返事代わりに目をゆっくりと瞬きさせれば、メディコ先生はその意図を理解してくれた様子。深々と横になって動けない僕にわかるようにお辞儀を返してくれた。
死ぬためには、それこそ歩けるくらいには回復させてもらわなければいけないわけだけど、メディコ先生を見ていると、無駄な時間を使わせてしまうなと少しばかり申し訳なくなる。
それでも自殺の決意は揺らがない。きっとまたあの女性が現れて兄といい関係になられたら僕はきっと同じ未来を辿らせてしまうから。兄に執着した理由を今は理解していても、だ。
それならばさっさと自殺して兄が僕を殺したことで思い悩まないようにさせればいい。幸せになって………そう言わなければいいだけかもしれないけど、兄の手を汚さずに済むならそれがいいだろう。
そんなことを考えながらも始まった診察。話せないので一応メイドが持ってきた水をゆっくりと飲ませてもらいつつ、一息入れて瞬きで質問に答えることである程度メディコ先生の中でどういう治療がいいかまとまったようだ。
「寝たきりでしたし、体力を回復させていくことから始めましょう。身体が動かない以外は意識も言葉も理解していますし、正直言うとこの状態になる前より精神的な面では回復しているように思います」
ああ、廃人だった時期のことを言っているのかもしれない。確かに今は考える力があるから受け答えもできるし、その判断は間違ってないだろう。食事さえも自分でしようとしなかったのなら話の受け答えさえも難しかっただろうから。
「ふむ、この状態で精神面が回復しても何もできず逆に辛いかとは思いますが、できるだけご要望があれば、読み取れるよう励みますので私にご指示ください」
シャドウ?その指示すらできないわけだけど………瞬きで指示ってできるんだろうか。できないよね……?
「当然ですが、胃に負担がない食べ物も大事ですが、目を覚ましたからと飲み込む力が回復しているわけでもないので、しばらくは流動食にするのがよいかと。食欲があるならできるだけ食べて栄養をつけさせてください。ただ、無理に食べるのは逆によくありませんから加減をよく見てあげてください。食べさせるときはゆっくりとが基本です。それと、食後に間を空けて身体を動かしてあげてください。意識が浮上した分、どの程度が限界かわかるようになったので、本人がいける限りは身体を動かしてあげることで運動をさせましょう。寝る前はストレッチ程度の軽いものを。まずは少しずつできることをしていきましょう」
「承知いたしました。殿下の看病に関わる人たちには私から伝えておきます。他には何かございますか?」
僕はやってもらう側なためシャドウが代わりに受け答えしてくれている。正直聞くだけで精一杯だしね、僕は。
「飲み薬を処方しますので食後に飲むようにお願いします。後は様子を見て必要な薬を用意しようかと思います」
「よろしくお願いします。皇帝陛下も殿下の回復を望んでいるので」
皇帝……陛下が?シャドウの言葉に疑問が浮かぶ。20年くらい経っているなら兄が皇帝のはずで………あれ?そもそも20年くらいって神様の感覚だよね?
まだ父が皇帝の可能性もあるんだろうか?どちらにしても父も兄も僕の回復を願うような人たちではないはずだけど………。寧ろ死のうが生きようがどちらでもいいと思っててもおかしくはない。
もしかして既に僕の過去が変わったことで、周りに変化が出ている可能性が…………?いや、でも、人の性格まで変わるような影響があるとは思えない。
ただ僕が何も行動できなくなったくらいで、変わるようなものでもないだろうし。
というか僕は何を考えてるんだ……。また兄に期待したところで僕を家族として見てくれる希望すらないのに。また、冷たい目で見られるだけで………。
回復を望んでいるというシャドウの言葉ひとつで、疑問を抱きながらもまさかと浮かれそうになる自分が情けない。どうせ死ぬんだから余計なことを考えないようにしないと。
「尽力させていただきますが、殿下にはこれから辛い現実もありますので、そのことはタイミングを見計らってくだされば」
「……もちろんです」
なんて思う傍から不穏な空気。辛い現実とは何なのか。わざわざ本人の目の前で言うことでもないとは思うけれど、メディコ先生がちらりとこちらに目を合わせてきたので、恐らく何を知っても耐える覚悟だけは持つようにという前準備でもあるのかもしれない。
まあ急に衝撃的な話をされるよりは覚悟を決めれていいのかもしれないが………話にもよる。とりあえず日にちさえわかればだいたいの話は予想がつくかもとは思うものの、カレンダーらしきものが目を動かせる範囲では見当たらないので、だいたいの日付すらもわからない。
この状態大分不便である。
「では、私は薬を用意して参りますので、しばらくこちらを退室させていただきます」
「はい、頼みます。殿下は私が見守りますので」
不便さに少し沈んでいれば、メディコ先生が薬を用意するために部屋を出ていく。シャドウはそのまま残りしーんと静けさが残った。
話せないだけに気まずい……。何もできない僕を放置は難しいかもしれないが、これなら一人になった方がまだ気楽であると思うほどには。
何よりシャドウの視線が地味に痛かった。頼むから何か話してくれ………。
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