恋した奴隷王子のやり直し~例え私の知っているお嬢様じゃなくとも次こそは貴女を守ります~

過去の記憶がない幼くして奴隷であった私を買ったのは変わり者のお嬢様。

「私は自分のことしか考えられない最低の女なの。だから、せめて貴方が幸せになれるよう励むわ」

自分を最低な女だと言いながら奴隷の私を幸せにするおかしな人。

「私、未来がわかるの。だから貴方があるべき場所に返してあげられない……ごめんなさい」

未来がわかると言って奴隷の私に謝る変な人。

「なんで………っなんでなの!」

そして急に泣き叫んではまるで私に悪いことをしたとばかりに罪悪感を帯びる目で見るお嬢様。

「貴方はね、王子様なの。私が死にたくなかったばかりに貴方が戻れるチャンスをだめにした。ごめんなさい、ごめんなさい」

奴隷の私を王子様などという世迷い言を言いながらも私を抱き締め、頭を撫でてくれる手は温かく、今で十分に幸せだからいいのになんて私はひそかに思い始めたあの日から数年後。

「貴方の奴隷契約を解除するわ」

「どう、して……」

「私が死ぬからよ」

そう宣言して私の奴隷解除を行い、一ヶ月後お嬢様は処刑された。

人は大切なものほど失ってから気づくとはよく言ったものだと思う。その処刑を見てしまった僕はその日ただただお嬢様の言う未来を信じなかった自分への怒りと守れなかった悔しさとお嬢様を処刑した人たちへの恨みと……色んな気持ちが混ざって………。




シリアスから始まり、やり直しからのハッピーエンド!の予定です。R15にしてますが、R18にする可能性もあります。今のところ予定はありません。
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