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魔王編(連載中)

バレたようです

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魔王腐男子教育が始まり順調に魔王が染まっていく最中、朝陛下に呼ばれたヒロイン様が騒がしい空気の中、困った表情で隣に魔王を歩かせながらやってきた。

「どうやら城の地下にあった魔王の封印が解かれたみたいなの」

「へ-………」

ちらりと魔王を見れば素知らぬ表情をしていた。まだ周囲は騒がしい。

「魔王が復活しているとみんな大慌てでね」

正直今更かと思わなくもないです。ヒロイン様も魔王も少しばかり呆れた表情である。

「どう対処すべきかとヒロイン様も呼ばれたのですか?」

「ああ、それが違ったのよ」

うーん、一応王子様の婚約者でしかないヒロイン様が呼ばれた理由……まあ確かに対処がどうのこうのでヒロイン様が呼ばれるのもおかしいですよね。

「まあ1時間前くらいのことなんだけれどね」

~ヒロイン視点回想~

「皆様お揃いで……私めに何か御用があるとか」

陛下からの呼び出しとは聞いていたけど一人で来いと言われたわけでもないし、朝から魔王の復活がどうのこうのと騒がしかったからあえて隣に魔王をあえて連れて謁見に行けば、陛下も王妃様も王子様、ついでにクール様に宰相が勢揃い。嫌な予感しかしませんでした。

まさか私が魔王を復活したのがバレたのかしら?と。しかし、陛下からの言葉はまさかの予想外。

「ヒロイン嬢は魔王……だろうか?」

「へ?」

思わずまぬけな声がでました。だってまさか私を魔王だなんてどこをどう見たらそう思えるのか。だって魔王は私の斜め後ろに控えるそこにいるというのに!心外だわ!

「まあ素直に白状なんてバカなことはしないとわかっているよ。けれど、あなたの企みとあなたの関わりがあったあの実況くんと解説くんがあの日行方不明になって探し出したと思ったらあまりの異常さでね。まさか君が何かしたのではと疑ってるんだ」

ぽかんとする私をはっとさせたのは王子様。無理矢理婚約者にさせたのはまさか私を最初から魔王か何かの悪だと疑っていたのかしら?ただのヒロインとして生まれただけだというのに。全く。企みが何なのかすら検討がつかないわ。

「確かに異常かもしれませんが、あれが二人の愛ですから」

私はただあの二人の恋路を手伝っただけなのだけなのにまさかそんなことで疑われるとは……確かにあの子たちは異常かもしれない。まあ、その話はまた今度ね。

「それと僕とクールがまるで操られたように……まあしてしまったあれは人にはできない芸当だよね。あの場にも君はいた。君がしたんだろう?」

「それは……」

まあ確かに私がしたことである。だが、私はで私がしたわけではない。しかし、したのは魔王でさせたのは私。

婚約させられた腹いせに調子に乗り過ぎただろうか?ピンチだろうに私はヒロイン力というべきだろうか、物凄く落ち着いていた。どうでもいいことだろうけど。

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