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クール・ガイ編(完結済み)

実況先輩さんと解説後輩くん………いや、貴方たち誰ですか?

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「さあ、始まりました!殿下の一番の親友であるガイ選手と未来を腐った世界へすべく立ち上がったヒロイン選手!二人がひとりの令嬢、テマス嬢を巡って今ここに戦いが始まります!実況は俺ポージ・ティーブ」

「解説は何故かまだ1年残ってるのに卒業パーティーに引っ張られてきたヤン・デェレです」

「審査はこの国の王子である僕が勤めさせてもらうね」

この二人は誰?気がつけば周囲に人が集まり実況と解説と審査員が現れていました。いや、王子様そこで何をしてますの?

こんな状況になったのは約10分前、私とヒロイン様が結ばれた瞬間でした。そんな時間経ってないじゃんという言葉はNGでお願いします。

「貴女たちが納得しようと私は認めませんし、婚約破棄をする気は……」

気持ち高まって抱き合う私たちを悔しげに見るのはクール様。クール様、全然クールじゃないけれど悔しげなその顔もお美しかったです。え?こんな報告いらない?

「あ、なら婚約解消かしら?さすがこうりゃ……コホン………さすがはクール様!お優しいのね。婚約ではなく婚約と互いの了承としてクサーレ嬢の傷を浅くしてあげるなんて」

そして返すのは私ではなく、ヒロイン様。なんだかヒロインらしくなく悪役令嬢のように思えるのは気のせいでしょうか?なんて思える悪役顔でした。ヒロインは薔薇のためなら悪役にもなれるものなんですね……さすがです!

「違う!」

「まあ!なら、破棄よりも酷い目に合わすと?」

なんて思ってましたが完全にヒロイン様はクール様で遊んでいるだけなのがわかります。周囲からはにやりと悪役のように笑っているようにもとれますが、これはただにやついているだけだと私はピンと来ました。

「そんなことはしない!」

「ならどうしたいのかしら?」

ああ、言葉が乱れはじめているのはクール様のレアスチル!ヒロイン様はこれを引き出したかったのですね!言葉が乱れ始めないと察せないなんて私もまだまだです。

「君から何としてもクサーレ嬢を奪い返す。私にはクサーレ嬢しかいないのだから」

「「あー…………」」

何とも惜しい回答。これはBLルートにてクール様が王子様に向ける言葉。ヒロインがクール様を選べばヒロインに向ける言葉でもありますけど。

王子様ならこの国に恨みを持つ人物たちに誘拐されて助けに行った時に。ヒロインなら君に選ばれなかったとしてもという言葉がつくけど似たような言葉を言われるわけです。

選ばれなかったら王子様とくっつく癖にどの口が言うのかという言葉はNGですよ!

まあそんな訳でクール様の言葉と共に現れたのが………モブにしてはやたら存在感高いお二人。そしてちゃっかりあちらサイドにいる王子様とこちらに注目する人々。

私とヒロイン様がその言葉が聞きたかったけどそうじゃない!と反応に困っていた一瞬の間に何があったというのでしょう……?

とにもかくにもどうやらクール様とヒロイン様の戦いはよくわからない実況の言葉と共に始まるようです!私を巡って。

何故だぁあぁぁああぁ!
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