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帰り道の不良は穏便に退治する

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ようやく帰れてはじめとの帰宅途中。どうやら僕ははじめと一緒にいたいがための試練とでも言われるかのように、また邪魔が入る。

「有名高校のやつらじゃん!あそこ金あるやつ多いよねー?なあ、なあ、俺たちさ、金なくて困ってんだわ!助けてよ」

「金くれりゃ、ひどい目には合わせねぇからさ?」

ああ、煩わしい。お金はくれてやるほどにあるけど、これは全てはじめのためのお金。なぜ、お前たちみたいなバカにやらなくてはいけない?

「寧ろ、君たちがはじめに貢げ。ああ、でも君たちみたいな汚いお金ははじめには合わないかな」

「はあ?てめぇ、舐めてんのか」

「汚い君を舐めるなんて・・・君、そこらの吐き捨てられたガムとか舐めるの?舐めないでしょ?お似合いだけど」

「お前、兄貴に向かってふざけたこと言ってんじゃねぇ!」

「兄弟?なるほど、ゴミ同士仲良くしてるわけだ」

「ぜ、ぜろ・・・」

はじめが怯えてる。力量も弁えない、見た目だけで判断するバカは早めに始末するべきかな?社会的排除は勘弁してあげるよ。

「大丈夫。口だけの雑魚に負けないよ」

「てめぇっ!」

「殴る前にパンツくらい履いたら?」

「「なっ」」

まあはじめを安心させるために言ってすぐに、ズボン諸とも切り刻んだから履くものすらないけどね?切り刻まれてから気づくようなそれで僕に喧嘩売らないでほしいんだけど。にしても、こんな人のいるところで上だけ着てモロ出しはどうかと思うよ?

「その年で露出魔って・・・警察来る前に逃げたら?」

「な、なんなんだよー!」

「兄貴ー!」

大事なところを隠しながら去っていく。上の服だけ残してあげたんだから良心的だと思う。命もあるわけだし、社会的排除ってほどでもないし。

切り刻まれた無惨な切れ端はマッチを投げ掛けて燃やす。はじめが呆然としちゃってるな。周囲は興味ないけど見られていい気分にもならない。

「ぜろ、火事・・・」

「大丈夫、大した火じゃないよ。」

炭になったかなと火を踏み潰して消していく。地面は焦げたけど問題はなさそうだ。

「ぜろがやったの?」

「うん?何が?」

「あの人たちのズボンとか・・・」

「そうだよ」

「切る物持ってないよね?」

「暗器はあるから」

「暗器・・・?」

「まあ、隠れた武器みたいなのかな」

「武器?なんで?」

「はじめを守るため」

「でも武器なんか・・・警察に捕まらない?」

「僕が悪くても捕まるのは相手だから心配しないで」

「え?」

混乱しているようだ。はじめ、誰もが手を出せない僕を自由にできるのははじめだけなんだよ?

不良どころか、たくさんのことを揉み消して来たような悪人、地位のある人物でさえ、僕には逆らえない。

でもまだ理解しなくていい。別にはじめを困らせたいわけではないからね。

「本屋すぐそこなんでしょ?」

「え、あ、うん」

はじめは何も気にせず、ただ幸せになればいいんだよ。
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