上 下
22 / 29
2章元婚約者と旦那様

これはまさか?

しおりを挟む
「入ってきてくれ」

「はい」

「はーい!」

「返事を伸ばさない!」

「いてっ」

随分な登場で現れたのはいつしか旦那様の日記をくださった名無しさんと出会ったことはないけど。名前忘れたけど攻略対象の一人!あの不貞王子の自称影じゃなかったっけ?

あまりに影らしくなくて乙女ゲームのキャラとして目立つのは仕方ないにしても騎士とかもう少し何かあったのではという憎めないおバカキャラだったはず。でも自分が一番の人だから意外に難易度高い隠しキャラ。全然隠れてないじゃんと王子よりも覚えがある。

その人物が何故ここに?

「紹介しますね。こちらが私の小さい頃からの付き合いであるレイジです」

「ようやく自己紹介ができますね。若様の忠実なるしもべレイジです」

「よろしくお願いします。日記ありがとうございました」

「ん?日記?」

何のことだとばかりに疑問文な旦那様にあれ?と思う。まさか黙って持ってきていたのだろうか?忠実なる僕さんは。

「若様が書き終えたラブレター日記を奥様に一冊お土産にいたしまして」

うーん、あれ一冊かなり厚かったけど一体何冊あるのか気になってきたわ……。

「あ、ああ、あれをか!」

「はい、あれです」

「すごく嬉しかったです!私の宝物ですよ?」

「うぐぅ……燃やしとくべきだったかな……」

「燃やすぐらいなら私にくださいね」

「保管しときます」

「残念です」

量があれば旦那様日記図書館もできないかなと期待したのだけど。

「あのー、俺の紹介は?」

「あ、これは犬とでも」

「犬に失礼では?」

思わずレイジさんの言葉にそう言ってしまった。特に悪意はないのよ?なんか気がつけば口にしてたというか。

「え、奥様も中々に酷くないですか」

「犬に優しい妻が酷いとは……殺してしまうべきかな」

「失言しました!いやー、奥様お優しい!惚れ惚れします!」

「ははっ私の妻に惚れるなんて随分と死にたいらしい!レイジ、溺死か毒殺で頼むね」

「かしこまりました」

「かしこまらないで!?」

なんだか漫才でも見てる気分。でもお世辞だろうにそれすら殺意抱くほど嫉妬で目を笑わせてない旦那様につい見惚れてしまう。ああ、もう結婚してから胸の高鳴りが止まらない日々だわ。

まだ一ヶ月も経ってないけど。

「それで旦那様の使い様はわかるとしてそれの紹介された理由は何なのでしょう?」

寧ろなんでいるのかが謎よね。

「紹介されてなくない?」

「奥様が話してるのだから黙りなさい」

「うぐっ」

うーん、レイジさんを見てると随分と隠しキャラの頭は叩きやすそうだ。

「レイジに言われたから紹介したんだけど私もまだ聞いてないんですよ」

「今から説明しますね」

そういうわけであーだこーだと説明がなされた。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)

夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。 ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。  って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!  せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。  新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。  なんだかお兄様の様子がおかしい……? ※小説になろうさまでも掲載しています ※以前連載していたやつの長編版です

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。

あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!? ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。 ※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

盲目のラスボス令嬢に転生しましたが幼馴染のヤンデレに溺愛されてるので幸せです

斎藤樹
恋愛
事故で盲目となってしまったローナだったが、その時の衝撃によって自分の前世を思い出した。 思い出してみてわかったのは、自分が転生してしまったここが乙女ゲームの世界だということ。 さらに転生した人物は、"ラスボス令嬢"と呼ばれた性悪な登場人物、ローナ・リーヴェ。 彼女に待ち受けるのは、嫉妬に狂った末に起こる"断罪劇"。 そんなの絶対に嫌! というかそもそも私は、ローナが性悪になる原因の王太子との婚約破棄なんかどうだっていい! 私が好きなのは、幼馴染の彼なのだから。 ということで、どうやら既にローナの事を悪く思ってない幼馴染と甘酸っぱい青春を始めようと思ったのだけどーー あ、あれ?なんでまだ王子様との婚約が破棄されてないの? ゲームじゃ兄との関係って最悪じゃなかったっけ? この年下男子が出てくるのだいぶ先じゃなかった? なんかやけにこの人、私に構ってくるような……というか。 なんか……幼馴染、ヤンデる…………? 「カクヨム」様にて同名義で投稿しております。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

処理中です...